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歌うギリシャ神話 彌勒 忠史(著) - アルテスパブリッシング
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歌うギリシャ神話 (ウタウギリシャシンワ) オペラ・歌曲がもっと楽しくなる教養講座 (オペラ カキョクガモットタノシクナルキョウヨウコウザ)

芸術
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四六判
224ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-86559-156-9   COPY
ISBN 13
9784865591569   COPY
ISBN 10h
4-86559-156-7   COPY
ISBN 10
4865591567   COPY
出版者記号
86559   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年4月
書店発売日
登録日
2017年3月14日
最終更新日
2017年11月6日
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書評掲載情報

2017-10-01 東京新聞/中日新聞  朝刊
2017-06-24 日本経済新聞  朝刊
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紹介

ジョーヴェ、アモーレ、メルクリオって誰!?
大人気歌手が教えるギリシャ神話の基礎知識。
有名エピソード、性格、必携アイテムなどを知って、オペラや歌曲を100倍楽しもう!

ギリシャ神話の神々がひんぱんに登場するイタリア・オペラ。
名前がみんなイタリア語読みであるうえに、
イタリア人なら誰もが知る有名なエピソードが題材になっているため、
日本人にとってはその世界に入っていくのがたいへん!
そこで、日本を代表するカウンターテナー歌手が、ギリシャ神話の神々とその物語を解説。
神々の性格の違いや身に付けているアイテムなども知れば、
オペラや歌曲がもっと面白くなること間違いなし!
有名なシーンを描いた絵画も多数掲載しています。

本書はEテレ「テレビでイタリア語」テキスト(2011年4月~2014年3月)に連載された「Chi sei tu? あなたはだーれ?」をもとに、大幅に加筆したものです。

目次

はじめに ギリシャ神話を知れば歌曲やオペラは100倍楽しめる

ジョーヴェ……オリンポスを統べる神々の長
カリスト……ジョーヴェをめぐる女たち1
エウロパなど……ジョーヴェをめぐる女たち2
アモーレ①……愛の裸ん坊戦士
アモーレ②……必ず最後に愛は勝つ!
アモーレ③……超神アモーレ、分身の術!
アモーレ④……神界最強の武器、アモーレの矢
ヴェーネレ①……美と愛と豊穣の神
ヴェーネレ②……息子を従え浮気三昧
マルテ……悪役担当の軍神さん
まとめクイズ その1

ミネルヴァ……都市の守護神、知と戦略の女神
ジュノーネ……ジョーヴェの妻、オリンポス最高女神
オルフェオ……神も人も動物も魅了する音楽の申し子
プルトーネ……憐れみ深き冥界の支配者
ネットゥーノ……海と水の支配者
ディアナ……森の支配者は月の女神?
メルクリオ……どこでも行くよ、メッセンジャー
バッコ……熱狂的なファンを持つ豊穣とお酒の神様
アリアンナ……人生波乱万丈、クレタの王女
パリデ……トロイ戦争を引き起こした不倫の恋
ウリッセ……20年も祖国に帰れなかった英雄
まとめクイズ その2

メデア……残酷な魔女? 悲劇の王女?
エルコレ……ギリシャ神話の英雄と言えばこのひと!
チェンタウロ、サティロ、パーネ……半人半獣の姿をした森の住人たち
アキッレ……トロイア戦争で活躍した剛腕の英雄
プロメテオ……人類に英知の炎をもたらす者
寓意の人物たち……神とも呼ばれる神でない者
ベルセオとアンドロメダ……空飛ぶヒーローと囚われの姫
オリオーネ……お星様になったヒーロー
エディポ……傑作ギリシャ悲劇のタイトルロール
ミダ……イソップ物語の有名人
ディドーネとエネア……悲劇の女王とトロイアの王子
まとめクイズ その3

前書きなど

はじめに
ギリシャ神話を知れば歌曲やオペラは一〇〇倍楽しめる

歌曲、オペラを愛するあなたに
 このたびは本書に興味を持ってくださってありがとうございます。本書のタイトルをご覧になって手に取られたのであれば、きっと歌曲やオペラがお好きなのですよね? 私もそうです。特にイタリアのルネサンスから初期バロックにかけての作品が大好きで、私の場合、とうとうそれらをレパートリーとする歌手になってしまいました。一五世紀から一六世紀にかけてイタリアの宮廷で大流行した多声声楽曲マドリガーレは、イタリアの素晴らしい詩人の作品に、フランドル出身の作曲家たちが彼らの武器であった対位法と呼ばれる作曲法で音楽をつけたことから始まり、後にイタリア出身の作曲家たちによって最終的な進化を遂げ、宮廷人たちの心を震わせました。一六世紀末にイタリアのフィレンツェで産うぶ声ごえをあげたオペラでは、セリフそのものが歌となり、磨き上げられた声によって感情が余すところなく表現され、音楽によってドラマが描き出されます。歌手が俳優となり、ダンサーが舞い、豪奢な衣装や舞台美術なども加わるオペラは、まさにクラシック音楽の頂点ともいえる総合舞台藝術です。私も素晴らしい歌手たちの歌唱と演技に幾いく度ど 感動の涙を流したことでしょう。しかし残念ながら、世間では「オペラを始めとするクラシックの声楽曲は理解し難く、とっつきにくい」といわれることも多いようです。
 私は、普段オペラやマドリガーレといった声楽作品を演奏しているがゆえに、これらの素晴らしい音楽藝術の魅力を、より多くの人たちに知ってもらい、もっと楽しんでもらいたいと日々考えています。そしてそのためには、私自身が藝術を生み出した文化背景についてさらに学ばねばならないと思っています。しかし私は、小学生の頃から毎日コツコツと勉強することがひじょうに苦手です。「すぐに使える○○」「三分でわかる○○」などといったお手軽学習本が大好きです。
 そんなわけで私は、なるべく楽をして、手っ取り早く、お気軽にクラシック音楽を生んだヨーロッパ文化についての知識を増やし、理解を深めるための方法を二〇年間以上模索し続けていますが、その過程で歌曲やオペラといった声楽曲を楽しむための素晴らしい攻略法を発見してしまいました! そこで本書を手に取ってくださったあなたにも、ほんらい一子相伝、門外不出にすべきこの必勝攻略法を包み隠さず、惜しげもなく、ひっそりこっそり、出血大サービスでご紹介します!

文化・藝術理解に至るカギ
 その攻略法とは……「ギリシャ神話」(ローマ神話と混同されたものを含む)について知るだけ。その造詣が深ければ深いほど、ヨーロッパの文化・藝術にかかわるすべてのことをより楽しめる、と断言してもかまいません。では、なぜそんなふうに言い切れるのか、私の専門分野である声楽を例に説明してみたいと思います。
 今では世界中の劇場で上演されているオペラですが、先ほども申し上げましたように、世間からは「理解し難く、とっつきにくい」という評価が下ることが多いようです。その原因として、音楽と言葉の密接な結びつきを最大限に活かすため、今日では原語による上演が原則となっていることがまず挙げられます。たしかに、外国語の芝居を楽しむということは、たとえ字幕が付いていたとしてもなかなか難しいことでしょう。しかし字幕付きでドラマを楽しむという意味では、映画も同じことであるのに、「(外国)映画は難しい」などという世評を聞いたことがありません。
 それではオペラを難しいと感じさせてしまう本当の理由とはいったい何なのでしょうか? それはイタリアの声楽作品が宮廷で生まれたことに原因があります。つまり、がんらいこれらの藝術音楽作品は、文学的素養、音楽的素養などが嗜たしなみとして求められた貴族たちのために作られたものであるため、その鑑賞者にもある程度の教養が求められているのです。しかし、これは逆にいえば、ここで求められている知識や教養といったものさえ身につけてしまえば、今までなんとなく理解し難い存在であったオペラがあっという間に身近なものになるということでもあります。[後略]

著者プロフィール

彌勒 忠史  (ミロク タダシ)  (

カウンターテナー歌手。平成24年度(第63回)芸術選奨文部科学大臣新人賞(音楽部門)をカウンターテナーとして史上初めて受賞。千葉大学卒業。同学大学院修了。東京藝術大学声楽科卒業。国内外のオペラ・コンサート、「題名のない音楽会」、NHKラジオ「まいにちイタリア語」などのテレビ・ラジオ番組に出演。CDに『No early music, No life?』(OMF/朝日新聞推薦盤)など。著書に『イタリア貴族養成講座』(集英社)など。NHK語学テキスト『テレビでイタリア語』『ぶらあぼ』『教育音楽』等に連載寄稿。イタリア国立G.フレスコバルディ音楽院講師、東京藝術大学音楽学部声楽科教育研究助手を経て、現在、放送大学、学習院生涯学習センター非常勤講師。在日本フェッラーラ・ルネサンス文化大使。日本演奏連盟、二期会会員。男声ユニットLa Dillリーダー。日本音楽コンクール、東京音楽コンクールなどの審査員。2016年、佐渡裕指揮《夏の夜の夢》では主役のオベロンを、市川海老蔵特別公演《源氏物語》では歌唱および洋楽アドバイザーを務めた。

上記内容は本書刊行時のものです。