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ギター音楽リスナーズ・バイブル 朝川 博(著) - アルテスパブリッシング
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ギター音楽リスナーズ・バイブル (ギターオンガクリスナーズバイブル)

芸術
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四六判
296ページ
並製
定価 1,900円+税
ISBN
978-4-86559-151-4   COPY
ISBN 13
9784865591514   COPY
ISBN 10h
4-86559-151-6   COPY
ISBN 10
4865591516   COPY
出版者記号
86559   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年8月
書店発売日
登録日
2016年7月18日
最終更新日
2017年11月6日
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紹介

ルネサンスから現代へ、ヨーロッパから中南米へ!
時空を超えるクラシック・ギターの歴史・名曲・作曲家をわかりやすく解説。
クラシック・ギターをもっと知りたいあなたのためのハンドブック!

鈴木大介さん(ギタリスト)、推薦!
「この本を携えてクラシック・ギターを聴けば、
 たいせつな一曲との出会いがかならず待っています」

他ジャンル曲のギター編曲も含め、「これさえ知っていれば大丈夫」な名曲100曲と作曲家12人を詳しくガイド。
クラシック・ギターをもっと知りたい&これから聴き始めたいあなたのためのハンドブックが登場!

目次

第1章 ギター音楽の歩み
 ギター前史
 ギター音楽の歴史
 ギター作曲家年表

第2章 ギター名曲100
 オリジナル作品
 編曲作品

第3章 ギター名作曲家12
 ソル
 ジュリアーニ
 パガニーニ
 ファリャ
 ポンセ
 ヴィラ=ロボス
 モレノ=トローバ
 カステルヌオーヴォ=テデスコ
 タンスマン
 ロドリーゴ
 ヘンツェ
 武満徹

【付録】 ギター作品リスト
 独奏曲
 室内楽曲
 協奏曲
 管弦楽曲

前書きなど

はじめに

 1786年に作曲されたモーツァルトの歌劇『フィガロの結婚』ではギターが舞台に登場します。第2幕のケルビーノの有名なアリエッタ〈恋とはどんなものかしら〉が、スザンナのギター伴奏によって歌われるからです。上演での実際の音はギターのアルペッジョ奏法を模したオーケストラの弦楽器によるピッツィカートの分散和音で演奏されますが、台本にも「スザンナはギターで、リトルネッロを弾く」とト書きがあります。また第1幕冒頭にも、フィガロの「伯爵様、踊りをなさりたければ、ギターを弾いてさしあげましょう」というカヴァティーナが歌われる個所があります。
 モーツァルトはギターのオリジナル曲は書いていませんが、ここにはギターが当時の民衆にいかに愛されていたかが反映されています。18世紀末まで、ギターはもっぱらポピュラーな歌やセレナードの伴奏楽器として庶民から愛用されてきたのです。しかし、スザンナが初演の舞台で手にしたのは今と同じ単弦仕様の6コース・ギターではなく、伴奏楽器としても当時流行していた5コース複弦のバロック・ギター、もしくは複弦仕様の6コース・ギターであったと思われます。
 ギターが現在と同じ形の6コース単弦(以下6単弦)の独奏楽器として演奏されるようになったのは、モーツァルト(1756~91)が亡くなった頃にあたりますが、それと相前後して、それまで3世紀以上にわたって広く演奏されてきたリュートが衰退します。ルネサンスからバロックの時代にかけて楽器の主役の座の一つを占めていたリュートでしたが、16世紀のスペインで一時活躍したビウエラと同じく退潮の一途を辿り、古典派への移行期にはそれに取って代わるかのように6単弦ギターが台頭し、ギターの最初の黄金時代を築くこととなりました。

 古典派からロマン派初期にかけて、フェルナンド・ソルやマウロ・ジュリアーニのようなギター作曲家たちが自らの楽器のために名曲を書いていますが、この新しく改良された楽器の台頭は当時の大作曲家たちの作品にも見受けられます。ギターの名手でもあった“ヴァイオリンの鬼神”パガニーニはたくさんのギター作品を残していますし、シューベルトは歌曲を書く際に常に手許に置いていたギターで作曲することもあったといわれています。また、ウェーバーやロッシーニやベルリオーズのようなオペラや管弦楽曲の大家が自作の歌劇作品のオーケストラ・パートにギターを使っているのを見ても、当時この楽器が親しまれていた様子がうかがえます。
 こうしたギターの繁栄は、ピアノやオーケストラの流行などによってロマン派の時代にやや衰退することとなりましたが、20世紀に入ってセゴビアなどの活躍によって復活し、著名な作曲家の手になる新作や才能豊かな後輩ギタリストの登場でグローバルに展開され、21世紀の今日に至っています。

 この本では、第1章でこうしたギター音楽の歩みを西洋音楽史全体の流れのなかで急ぎ足で俯瞰したあと、第2章で編曲作品を含めた100のギター名曲をご紹介します。作曲家と曲目のコンパクトな紹介と、その曲を実際に聴くための目安としてCDを1点付記しています。CDの選曲は名演奏盤や話題盤などを基にしていますが、なるべく多くの演奏家を取り上げるようにしました。第3章ではギターの名作を残した作曲家のなかから他ジャンル作品でも活躍した12人をピックアップし、ギター曲以外の作品を展望しながらその音楽世界をうかがいます。
 付録資料として《作曲家別ギター作品リスト》を掲載しました。ルネサンス時代の編曲作品を含めると500年を超す歴史を持つギターのレパートリーから、主な作曲家の主要作品を年代順に並べたものです。独奏曲と室内楽曲と協奏曲に区分けし、それぞれオリジナル作品と編曲作品に分けてあります。

 本書でご紹介するギター音楽の歩みや名曲案内が、クラシック音楽ファンやギター愛好家の方がたにいささかでもお役に立つことがあれば幸いです。

著者プロフィール

朝川 博  (アサカワ ヒロシ)  (

1943年、群馬県伊勢崎市生まれ。1969年、音楽之友社に入社。月刊『レコード芸術』編集主任、同『音楽の友』編集長、季刊『グランド・オペラ』の創刊、単行本・楽譜出版セクションの出版部長、広告部長などを経て、2003年同社を定年退社。雑誌編集者時代には特集記事をはじめ、武満徹、遠山一行、山口昌男などの連載を担当したほか、指揮者のブーレーズ、マゼール、アバド、ムーティ、メータ、ラトル、ピアノのホロヴィッツ、ヴァイオリンのスターン、チェロのロストロポーヴィチ、ギターのセゴビア、テノールのドミンゴなど数多くの巨匠たちをインタビュー取材した。退社後はフリーの編集ライターとして、雑誌への連載執筆や単行本の企画編集、CDブックの監修など、クラシック音楽をベースに活動している。著書に『音楽の366日話題事典』『音楽の名言名句事典』(いずれも共著/東京堂出版刊)がある。音楽編集者倶楽部「カノン」同人。

上記内容は本書刊行時のものです。