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A.E. あるいは希望をうたうこと
新実徳英の「音・人・出会い」
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年6月
- 書店発売日
- 2016年6月15日
- 登録日
- 2016年5月16日
- 最終更新日
- 2017年11月6日
紹介
“あの日”──何が喪われ、何が生まれたのか。
《白いうた、青いうた》などで人気の作曲家が綴る「アラウンド3.11」エッセイ集。
A.E.=After the Earthquake
⇒震災後。作曲家・新実徳英が2011年3月11日以降に発表した作品に付している作品番号。
震災直後から矢継ぎ早に《つぶてソング》を世に投じた作曲家が、2007年から2013年にかけて綴った日常と断絶、そして希望。
《つぶてソング》を共作した福島在住の詩人・和合亮一との対談を収録!
「どんな形でも良い。
今僕たちは震災の生んだ心の震えと真っ直ぐに向かい合い、
それを詩や音楽に残していかなければならない。
風化させてはならないということだ。」(本文より)
目次
まえがき
エッセイ「音・人・出会い」
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
新実徳英+和合亮一 対談
あとがき
A.E.作品一覧
新実徳英CDアルバム紹介
前書きなど
まえがき
A.E.=After the Earthquake=震災後。作曲家は震災後の作品にこの「A.E.番号」を付すことを決意した。このエッセイ集はその前後の作曲家の心の動きを記録したものである。2007年12月から毎日新聞九州版のエッセイとして毎月3枚ほどを約5年間書き続けた。音楽や人との出会いの歓びをアレコレと楽しく記しつつ月日は流れていった。それは2011年3月5日付の原稿まで続いたのだが、翌4月から少なからず変わらざるを得なかった。3・11の震災と人災で私の心の中に「重し」のようなものが生まれ、その「重し」から逃れて音楽や人について考えたり作曲したりすることができなくなったのです。
だからといって「不条理」に苦しんでいる方々に救いの手を差しのべる力は僕などにはない。ただただ、その方たちのことを想い、その想いの中で作文し作曲してきたのだった。
あの震災以降の全ての作品にA.E.番号を付すことにした。After the Earthquakeの略語です。震災と人災を風化させてはならない、という自分に対しての戒め(これを記している現在、A.E.51となる弦楽四重奏曲第4番の初演待ちです)。
そのような流れの中で、震災後もエッセイを書き続け、2013年3月の第64回でこのシリーズが完結した。
さて、この本の特徴は、それら過去のエッセイと、それに対し現在からコメントしたもの(時にツッコミですね)を上下に配したことです。過去の僕と今の僕とがこの本の中で出会う、これは書き手である自分にとっても、中々に面白い趣向になったと思います。
どこから読んでも、上段の「過去」からでも下段の「現在」からでも構いません。この本の中を縦横に飛び回り楽しんでいただけたら本望です。
今、これを読んでくださっている方々も、つまりは「僕の出会った方々」であり、その皆様に僕の言葉を捧げたく思います。
巻末にはA.E.1~A.E.51の作品リストを掲載しました。「なんだかデコボコとやってるのね(笑)」と眺めていただければ幸いです。
それでは各回3枚、2007年12月から2013年3月までの「僕のミニ・ヒストリー」の始まりです。
上記内容は本書刊行時のものです。