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ナチュール 自然と音楽 エマニュエル・レベル(著) - アルテスパブリッシング
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ナチュール 自然と音楽 (ナチュール シゼントオンガク)
原書: Nature et Musique

芸術
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B6変形判
縦185mm 横121mm
224ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-86559-140-8   COPY
ISBN 13
9784865591408   COPY
ISBN 10h
4-86559-140-0   COPY
ISBN 10
4865591400   COPY
出版者記号
86559   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年4月
書店発売日
登録日
2016年3月22日
最終更新日
2016年5月17日
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書評掲載情報

2016-05-22 毎日新聞  朝刊
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紹介

自然への愛、信仰、畏怖を糸口に、
クラシックの名曲の謎と魅力にせまった知的冒険の書!
「ラ・フォル・ジュルネ2016」、日仏共通オフィシャルブック!

「ラ・フォル・ジュルネ」芸術監督ルネ・マルタンの発案により、気鋭の音楽学者エマニュエル・レベルが書き下ろした同音楽祭初の「日仏共通オフィシャルブック」。

古代から音楽のインスピレーションの尽きせぬ源泉であった自然をめぐって、音楽家たちがいかに創意をこらした作品を残してきたか、そしていまや自然環境の一部となった音響は人間になにをもたらすのか──さまざまなテーマを逍遙しながら、クラシック音楽の謎と魅力にせまる!

目次

日本版に寄せて(ルネ・マルタン)

序──イシスのヴェールとオルフェウスの竪琴
自然を象徴する女神イシス/科学から芸術へ/自然──多様な意味をもつ概念

第1章|アルカディア──ヴィヴァルディの《四季》をめぐって
描写音楽/[《四季》のソネット]/自然の模倣/音楽による模倣――狩りと鳥のさえずりを中心に/羊飼いとニンフ/オルフェウスとパストラーレ/自然の象徴

第2章|庭園──ラモーからルソーまで
四大元素:混沌から調和へ/宇宙の仕組み/「自然にもとづいた」音楽/渦巻/自然、芸術、人工物/フランス式庭園からイギリス式庭園へ

第3章|雷雨──ベートーヴェンの「田園」交響曲をめぐって
自然とのふれあい/自然災害の現実味/心の中に吹く嵐/崇高なるものの体験/音画

第4章|風景──ロマン主義と自然
山と森/絶景の旅/国々を象徴する川/夜の風景/エオリアン・ハープ

第5章|動物学的間奏曲──生き物たちの謝肉祭
動物たちの鳴き声/寓話の中の動物たち/自然主義と動物たち/白鳥とナイチンゲール

第6章|風・水・火・土──象徴主義と原始主義のあいだ
自然とテクノロジー/風と自由/水と夢/火と近代化/土と未開

第7章|環境──野外の音楽から音のエコロジーまで
鳥類学者・兼・作曲家/マイクを携えて/自然と電子音響音楽/世界旅行へ/サウンドスケープと音のエコロジー/オペラは地球を救う?

第8章|宇宙──音楽のモデルとしての自然
作曲書法と自然の類似/植物/星に耳を澄ませて/普遍概念

結び──自然は「ユートピア」なのか?

訳者あとがき

参考文献
人名索引

◎コラム
 ヴィヴァルディ以降の「四季」
 フランスのクラヴサン音楽と自然
 ベートーヴェンの時代の「田園交響曲」
 19、20世紀の夜の音楽
 音楽愛好家のためのミニ動物事典
 オーケストラが奏でる動物たち
 19、20世紀の水にまつわる音楽作品
 太陽と月
 花が彩る音楽の世界

前書きなど

日本語版に寄せて

 自然はいつのときも、作曲家たち霊感の源泉であり続けてきました。2016年の「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭のテーマを「自然(ナチュール)」にしようと決めたのは、今から3年前のことです。
 鳥のさえずり、波のリズム、葉叢をわたる風、雷のとどろき。太古の人々は、みずからを取り巻くはてしない音の世界に心惹かれたはずです。そう、最初に音楽を奏でたのは自然でした! 自然の中に遍在する美は、やがて音楽化され、多くの作曲家たちによって描写されるにいたりました。さまざまな風景や光、色彩、そして詩情あふれる四季……私たちの耳をつねに虜にする自然の魅力が、声楽や器楽によってあまねく表現されるようになったのです。
 音楽祭のテーマを具体化するにあたって、私はまずカテゴリーとして「四季」「四大元素(風・水・火・土)」「風景」「動物」を想定し、自然にちなんだ多くの楽曲を集めました。その数は約1600曲にのぼります。これを約900曲にしぼり、それぞれのコンサートのプログラムとしました。
 そこで友人の音楽学者エマニュエル・レベル氏には、「自然と音楽」を切り口に公式本を書き、この「自然」というあまりに豊かなテーマを解き明かしてほしいと依頼しました。驚くべきことに、これまでフランスには、自然と音楽の関係について論じた本は存在しませんでした。絵画や文学にも精通しているレベル氏は、傑出した若き研究者です。氏には以前にも「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭のために本を執筆してもらったことがありますし、私が企画する講演会やレクチャー・コンサートでも、しばしばご登壇いただいています。
 純粋な音楽研究書としても価値の高い本書には、2016年の「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭で演奏される数々の楽曲への理解を深めるための「鍵」が、ふんだんに詰まっています。武満徹や細川俊夫をはじめ、多くの日本の作曲家たちもまた、自然に触発されて創作していることを、最後に強調しておきたいと思います。
 偉大な音楽家たちに霊感を与えてきた自然──この自然を護ることの大切さが、読者の方々に伝わることを願って。

 2016年3月

「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭 アーティスティック・ディレクター
ルネ・マルタン

著者プロフィール

エマニュエル・レベル  (エマニュエル レベル)  (

高等師範学校、パリ国立高等音楽院卒業。文学博士、音楽学者。現在フランス大学学院研究員。2014年、『音楽はいかにして“ロマンティック”になったのか──ルソーからベルリオーズへ』(Fayard, 2013)により、アカデミー・フランセーズのフランソワ=ヴィクトル・ヌリ賞を受賞。主な著書に『ファウスト』(Fayard, 2008)、『ベルリオーズ時代の音楽批評の文体』(Champion, 2005)、『ロマン派の音楽家たち』(Fayard/Mirare, 2003)、『ヴェルディ』(Gisserot, 2001)、『プーランクの協奏曲』(Zurfluh, 1999)がある。

西 久美子  (ニシ クミコ)  (

1983年、横浜市生まれ。2005年、東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。2008年、リヨン第2大学文学・言語学・芸術学部修士課程修了。訳書にJ.-J.エーゲルディンゲル『ショパンの響き』(小坂裕子監訳、小坂裕子・西久美子訳、音楽之友社、2007)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。