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長谷川逸子の思考 第3部 第2の自然 湘南台文化センターという出来事(1985-1992)
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年12月1日
- 書店発売日
- 2019年12月6日
- 登録日
- 2019年11月26日
- 最終更新日
- 2020年3月19日
紹介
私たちの身体の感受性を基点に、ひらかれたコミュニケーションを通じて、
明るく柔らかい空間をつくり続けて来た建築家・長谷川逸子。
時代を画する幾多の作品によって建築界に大きな影響を与えてつづけてきた世界的建築家の、
半世紀におよぶ思考の軌跡を鮮やかに描き出す著作集を刊行します。
論考・作品解説・講演・インタビューのみならず、
対談や鼎談、多木浩二らによる批評をも組み込み、
作品概要図面、年譜なども添えた全4部。
「市民の公共空間をつくる」。
この当たり前を実現する発想の数々は、依然として新鮮さを失っていない。──小渕祐介
長谷川逸子の建築を、ポストモダニズム的な記号群ではなく、
いま私たちは勝手気ままに振る舞う個性豊かなモノたちの集いとして見ることができる。──平野利樹
物語を丁寧に紡ぎ出し、意志を貫く力強い姿に感銘を受けました。──能作文徳
「長谷川逸子の思考」第3部では1990年3月竣工の〈湘南台文化センター〉をめぐる論考や対談、インタビュー、多木浩二らによる批評などを集成する。若い世代にも開かれ、個人事務所でも応募可能な公共建築コンペとして、数多くの建築家が参加したときから注目されたこのコンペで最優秀賞を獲得したのは、「地形としての建築」をうたい、やがて「第2の自然」に収斂されるコンセプトを掲げた案だった。球儀の市民ホールや地下に埋蔵した公民館が発表当初から注目を集め、繰り返し開催された市民との対話集会が賛否の的となったこのプロジェクトは、建築の世界を超えて話題を集め、その後の時代に影響を与えることになる。以後、公共建築に数多く取り組むことになり、長谷川建築の転機ともなった80年代後半から90年代にかけての実践と思考を多角的に伝える。多数の写真に加え、巻末には本書関連作品の概要図面を付す。
目次
序章 第2の自然
第2の自然[比嘉武彦+長谷川逸子]
第一章 建築のフェミニズム
建築のフェミニズム[多木浩二+長谷川逸子]
第二章 ポップ的理性
連続する小屋根群 眉山ホール
テクノロジカルな風景[八束はじめ]
農家の形式を引き継ぐ三角の大屋根 小山の住宅
新しい自然を感じさせる半透明の薄膜 富ヶ谷のアトリエ
森や山々の影絵のように立っている 熊本の住宅
海に向かって立っている 黒岩の別荘
森に溶け出した建築と人工化した樹木 菅井内科クリニック
アーバンニュースピリット
長谷川スタイルの魅力[多木浩二]
おばあさんが語っていた空間
第三章 第2の自然としての建築
新しい自然環境をめざして 湘南台文化センターコンペ応募設計主旨
湘南台文化センター設計競技二次審査提案趣旨
「住む」建築と都市における自然の構築[植田実+長谷川逸子]
住宅設計の延長上にある公共建築
「第2の自然」としての建築
「第2の自然」を共有する
「私の作品」から「市民の建築」へ
世代的方法の昇華のマイルストーン[石井和紘]
第四章 建築の公共性・社会性
建築の公共性・社会性 湘南台文化センターをめぐって[多木浩二+長谷川逸子]
子どもワークショップ
湘南台文化センターの完成を迎えて
集団心象としての建築
まだ体験されていない自然の姿 湘南台文化センター[植田実]
第五章 生活者としてのアマチュアイズム
生活を都市のなかで捉えなおす
アーバンスピリット
開かれた建築
第六章 アジアの風土と建築
家の記憶を内包する海の病棟 不知火病院ストレスケアセンター
良い医師とともにつくる医療空間のあり方
新たなる都市建築の時代に向けて コナヴィレッジ
柔らかな思想、柔らかな建築 ヨーロッパ、アジア、東京、そして女性建築家について
亜熱帯で四季のあるこの国の気象、風、光、そして建築
第七章 五感に働きかける建築
ニオイと建築
都市の音
大地の女神と出会う旅
庭園いっぱいに花が咲く
透明感あふれる秋の美 ボストン
『長谷川逸子の思考』の構成について
初出一覧/作品概要/主要関連作品一覧、写真家一覧、人物・第三部執筆者一覧
版元から一言
特別付録付き函入り全巻セットあり
上記内容は本書刊行時のものです。