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取引情報
近現代日本の生活経験
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年4月
- 書店発売日
- 2018年5月4日
- 登録日
- 2018年4月25日
- 最終更新日
- 2018年5月24日
紹介
少子長命化、格差社会、ワーキングプア……。
いま私たちが抱える問題はすべて、150年間の近代化のあゆみの帰結である。
より豊かでより良い生活を求めてきた私たちがどのように「生き方」を変化させてきたか、貧困問題や人工妊娠中絶など、広い視点で今日の問題の本質を捉える。
目次
はじめに
第一章 生活の貧しさはどのように見出されたのか 十九世紀末から二十世紀初めの貧困言説
第二章 貧困実態の変化と貧困への働きかけ 十九世紀末から一九三〇年代へ
第三章 生活構造の緊張・形成・抵抗 二十世紀前半の過剰な生活対応
第四章 生活改善同盟会の活動と階層構図 一九二〇年代から戦時期の改善言説
第五章 生活変動の転機と人工妊娠中絶 一九五〇年代の生活課題の内部化
第六章 「よりよい」生活と生活単位の縮小 一九六〇年代から九〇年代の自己変容
第七章 多元化する現代の貧困 一九九〇年代以降の貧困問題の拡がり
第八章 生活保障から生活支援へ 二十一世紀にかけてのミクロの生活問題
第九章 少子・長命の環境と生き方の変容 現在、そして近未来へ
おわりに
前書きなど
[国立社会保障・人口問題研究所が指摘した]「社会の失敗」という言葉は重い。人口が急増し急減する人口曲線の姿は、われわれのこれまでの生活のあり方と切り離せない。人口減少社会は、近代に対応してきた生活の営みの「思わぬ結果」として引き起こされるともいえるからである。けれども、近代を享受して身につけたものを、人口曲線のように劇的に脱ぎ捨てるわけにはいかない。日常生活の変化は緩慢であるが、そこでの生き方が少しずつ変化していることも確かである。二十一世紀の社会では、子どもを産み育てること、家族を形成し維持すること、長生きし衰えやがて終末期を迎えること、これらの人生途上の出来事が、これまでとは違った意味合いを帯びてくるのではないだろうか。
「第九章 少子・長命の環境と生き方の変容」より
上記内容は本書刊行時のものです。