書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
〈新しい人間〉の設計図
ドイツ文学・哲学から読む
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年5月
- 書店発売日
- 2015年5月25日
- 登録日
- 2015年4月21日
- 最終更新日
- 2015年5月29日
紹介
古代・中世から現代にいたるまで、ドイツとドイツ人は矛盾と葛藤の中から、新たな統一的人間像を創造してきた。
キリスト教による古来の価値観の一新、宗教改革、自然科学と技術の進歩、革命や戦争などを乗りこえて、その都度「再生」されてきた〈新しい人間〉像とは――。
ドイツ文学・哲学研究の旗手8人が、自然科学や科学技術とは異なる人文科学的アプローチから、〈人間〉の進化・再生・更新の過程をたどる。
目次
序:〈超〉人化する人間の未来(香田芳樹)
1.「わたしは若木のような新たな姿となって星々にのぼっていく」
―古代から中世にいたる「死と再生」の形象について(香田芳樹)
2. ヤーコプ・ベーメにおける「再生」思想
―光と闇とを分解する聖霊の働きを中心に(富田 裕)
3. シラーの美的「群体」とトランブレーの「ヒドラ・ポリプ」(坂本貴志)
4. 近代開始期の「新生」への夢(今泉文子)
5. 道徳の育種家としてのニヒリスト―ニーチェとダーウィニズム(清水真木)
6. 「有機体としての国家」―もう一つの「超人」の夢(石田雄一)
7. 反暴力のユートピア
―ローベルト・ムージルの『特性のない男』における神秘主義的言説の検証(北島玲子)
8. 労働への動員か遊戯への接続か
―エルンスト・ユンガーの「有機的構成」とベンヤミンの「集合体」について(大宮勘一郎)
前書きなど
古代から現代にいたるまで、「アルプス以北の民」は自分たちが歴史の流れにすんなりと呑みこまれない、ずいぶん矛盾した力をかかえていることを自覚し、これらを克服して、統一的な人間像を描こうとしてきた。(中略)EUの盟主として、統一ヨーロッパの理想と現実に苦しみ、技術大国でありながらも、エコロジー国家を掲げて、脱原発の旗手をつとめる姿は、進化と再生を巧みに継ぎ合わせて、新しい国家、新しい人間をつくりだそうという挑戦なのだ。(「序」より)
上記内容は本書刊行時のものです。