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死後の世界と宇宙の謎をめぐる対話
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年12月
- 書店発売日
- 2012年12月20日
- 登録日
- 2012年11月26日
- 最終更新日
- 2016年3月16日
紹介
『死後探索』シリーズ等で日本にも多くのファンを持つ、アメリカ在住の精神世界研究科のブルース・モーエンさんが西の精神世界のカリスマだとすれば、日本を代表する神秘哲学研究科の松村潔氏は東のカリスマ。その東西のカリスマが、死後の世界、宇宙の謎、高次世界、そして人間の可能性について、みずからの体験を踏まえながら縦横無尽に語り合いました。
対話は共同探索と化し、新事実が次々と明らかに……
目次
Preface 知覚のゆがみを越えて
Day1 人類の進化と死後の世界
Day2 大きなわたし、小さなわたし
Day3 無条件の愛と無限の好奇心
Epilogue 無条件の愛とは
前書きなど
死後の世界をはじめとした物理的現実を越えた領域を探求し、またそれを人に教える立場として、自分特有の視点の影響力の大きさについては、これまで嫌というほど学んできました。長年の探索を通して、自分の持っている信念や思い込みは、それが宗教、科学、形而上学、文化やその他の源(source)のどれにもとづいたものであるかにかかわらず、自分の知覚・認識に対して、強力かつ予期せぬ作用をもたらすことを理解するに至ったのです。
知覚はブロックされ、ゆがめられ、色づけされ、こねくられたり、ねじまげられたりしているのに、自分自身はそれにほとんど気づくことができません。自覚できないということは、そのことを突き止め、排除することがとても難しいということです。結果として、私たちは不正確な結論や理解に簡単に導かれてしまうのです。
この本に収められた松村さんと私の対談が、そんな「知覚のゆがみ」への有効な対処法のヒントになってくれるのではないでしょうか。
私自身の探索は、青年期に信じていた宗教に幻滅したときに始まります。そこから「唯一の真実の宗教」探しが始まったわけですが、我々が神と定義している存在と自分との関係性を明確に説明するような根源的な何かを私は探したかったのでした。
当初は「宗教」と名のつくありとあらゆるものについて、形而上学関連の書物を図書館で渉猟しては、調査研究していました。また、異なる信仰を持つ数多くの人たちと話をすることに時間を注いでは、彼らの宗教が何を信じるように教えているかを理解しようとしました。
わかったことは「唯一の真実の宗教」というものは存在しないし、存在しえないということでした。つまり、宗教の信念の構造そのものの中に、私は内的矛盾を発見してしまったのです。
どの宗教においても、ある特定の信念はその宗教内の他の信念との間に矛盾をひき起こしていました。もし、「唯一の真実の宗教」というものがあるなら、その中の信念は同じ信仰内の他の信念と正反対ではありえないはずです。論理的に、一つの信念が真実なら、その反対は偽りということになるからです。ところが、私が研究してきたすべての宗教には「真/偽」の二項対立が必ず含まれていました。そのことを知った私は、「唯一の真実の宗教」を見出すという希望を失ってしまったのです。
しかしながら、興味深い発見もありました。私が研究したほとんどの宗教には、多くの共通する信念が存在していました。このことから、この共通する信念のほうが、一つの宗教によってもたらされるものよりも、はるかに「究極の真実」に近いのではないかと考えるようになったのです。このことに触れたところで、松村さんとの対談に話を戻しましょう。
死後探索のワークショップを教えるため日本に滞在していたときに、松村さんからお互いに関心のある分野をめぐる対話への招待を受けました。これまでお互い、いわゆる「死後の世界」と「人間の意識の領域」の探索をしてきておりました。もちろん、「救済(リトリーバル)」もです。ちなみに「救済」というのは、亡くなった人がその場に囚われているのに遭遇したとき、よりよい場所へと案内することです。また、高次の自己(ハイヤーセルフ)と呼んでいる存在にもそれぞれ遭遇し、探索もしてきました。
これらの活動中、お互いは自分特有の視点を通して知覚をしてきたわけです。この探索の経験を対話を通じて共有しながら、私は、お互いの言葉や、文化的・宗教的・精神的な知識を理解する際に働く、自分固有の視点の影響力というものを目の当たりにし、たいへん興味深く、かつ啓発的なこととして感じたのでした。
私は英語を母国語とするアメリカ人なので対話中は通訳を介する必要がありました。私たちが表現しようとしていた概念、アイディア、思考を適切に翻訳するのはとても難しいことでした。だが話せば話すほど、そして議論すればするほど、自分の経験から導かれた信念と、松村さんが同じ場所を探索した経験から導かれた信念との強い類似性を見出すこととなりました。そして私は、言語も文化も異なる対話が、自分自身の「知覚のゆがみ」を発見する絶好の機会になるのだと気づき始めたのです。
文化、言語、思い込みや経験による、ひじょうに大きな視点の違いがあってもなお、自分が死後の世界を探索して見出したものについて、私は松村さんとの対話から確証を得ることができたのです。さらに、占星術やタロットなどの他の分野での松村さんの膨大な知識は、私に自分の探索の新しい側面を気づかせてくれました。まったく異なる視点を持つ人と共通の経験を語り合うことは、自分自身の「知覚のゆがみ」に対処する有効な方法になり得るのです。
2013年の春、こんどは松村氏を私の住むフロリダにお招きし、二度目の対話をすることになりました。松村氏と再会し、さらなる「共同探索」ができることを私は今からとても楽しみにしています。
感謝を込めて。
ブルース・モーエン
上記内容は本書刊行時のものです。