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スター女優の文化社会学 戦後日本が欲望した聖女と魔女

社会一般 ラノベ

北村匡平(著/文)
発行:作品社

四六判   440頁 
定価 2,800円+税

ISBN 978-4-86182-651-1   C0036

書店発売日 2017年9月22日
登録日 2017年9月5日

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書評掲載情報

2017-11-19 読売新聞  朝刊
評者:安藤宏(東京大学教授、国文学者)

紹介

彼女たちはいかにして「スター」となったのか。なぜ彼女たちでなければならなかったのか。原節子と京マチ子を中心に、スクリーン内で構築されたイメージ、ファン雑誌などの媒体によって作られたイメージの両面から、占領期/ポスト占領期のスター女優像の変遷をつぶさに検証し、同時代日本社会の無意識の欲望を見はるかす、新鋭のデビュー作!

目次

序章 映画スターと日本の〈戦後〉
1 映像体験の彼方
2 不純な「スター女優」
3 映画スターの誕生

第一章 スター女優の時代――戦後日本の映画スターダム
1 戦後の日本映画――占領政策/大衆娯楽
2 戦後の映画観客と国民的映画
3 女性の身体へのまなざし
4 ファン雑誌というメディア
5 スター女優の変遷

第二章 躍動する身体――原節子の反-規範的な身振り
1 国家の記号(ナショナル・シニフィアン)としての原節子
2 『わが青春に悔なし』における受容
3 黒澤明の映像表現
4 若者観客と誇張された〈青春〉
5 原節子の烈しさとエロス
6 戦中映画における原節子の「モダニズム」
7 潜在化するモダニズム的感性
8 メディア・テクストとしての原節子

第三章 接触する身体――京マチ子の〈情動的身体〉
1 肉体派女優としての京マチ子
2 初期映画におけるプロモーション
3 戦後のヴァンプ女優――「陽性」のエロティシズム
4 循環する肉体――京マチ子の「脚」の表象
5 暴力的な肉体の強度
6 メディア・テクストとしての京マチ子
7 京マチ子の両義的な身体イメージ
8 敗戦のヒロイン――接触/切断

第四章 敗戦のスター女優――原節子の〈離接的身体〉
1 映画スターを解剖する
2 占領期におけるスクリーンの原節子――一九四六-一九四九
3 戦後の新しい女性イメージ――「理知性」と「意志」
4 原節子のスターペルソナ――「孤立」するパフォーマンス
5 「敗者の身体」――パンパンと「接吻映画」
6 〈抵抗〉する潔癖な身体
7 アメリカ映画とイングリッド・バーグマン
8 敗戦のヒロイン――離接性/超越性

第五章 ポスト占領期における古典美――京マチ子の「静の演技」
1 国際派女優の誕生――『羅生門』の衝撃
2 『地獄門』の快挙――製作と受容
3 「国際派グランプリ女優」のパフォーマンス
4 日本の理想と西洋の欲望――『長崎の歌は忘れじ』と『八月十五夜の茶屋』
5 京マチ子の言説変容――重厚感と格調

第六章 ポスト占領期における〈屈服〉――原節子の〈超越的身体〉
1 喪われた伝統美――『晩春』の原節子
2 変遷する指導者――『白痴』と『白雪先生と子供たち』
3 『麦秋』における〈集合的記憶〉
4 「戦争未亡人映画」としての『東京物語』
5 『めし』における共犯的イデオロギー

終章 聖女と魔女――原節子と京マチ子
1 「永遠の処女」と「肉感的な魔女」
2 〈理想化の時代〉の終焉
3 〈日常性の時代〉の原節子と京マチ子


あとがき

著者プロフィール

北村匡平(キタムラキョウヘイ)

1982年山口県生まれ。現在、東京大学大学院学際情報学府博士課程在籍・日本学術振興会特別研究員・立教大学兼任講師・都留文科大学非常勤講師。専門は映画学・歴史社会学・メディア文化論。主な論文に「映画スターへの価値転換──1950年代のスクリーンにおける観客の欲望モードの文化的変遷」(『社会学評論』270号)、「敗戦のスター女優──占領期における原節子のスターペルソナ」(『映像学』96号)、「スクリーンに投影される〈青春〉──黒澤明『わが青春に悔なし』のオーディエンス」(『マス・コミュニケーション研究』90号)、「重層化する身体への眼差し──ヴァンプ女優としての京マチ子の分析」(『マス・コミュニケーション研究』88号)、「映像化される『雁』の世界──戦後日本映画における女性表象の生成過程をめぐって」(『表象11』)。批評に「スクリーンの〈湿度〉と原節子の眼差し──『わが青春に悔なし』から『熱風』へ」(『ユリイカ』2016年2月号)、「絶望の深淵で輝きを見せるとき──『凶悪』、あるいは『白夜行』における演技について」(『ユリイカ』2017年8月臨時増刊号)など。

上記内容は本書刊行時のものです。