版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊 ラノベ
ジャパン・イラストレイテッド  Japan Illustrated, Part 1: 1934-1936  全6巻 + 別冊解説 土屋礼子(監修・解説) - エディション・シナプス
.
詳細画像 0 詳細画像 1
『戦前期英文日本年鑑コレクション』

ジャパン・イラストレイテッド Japan Illustrated, Part 1: 1934-1936  全6巻 + 別冊解説

B5判
2650ページ
上製
価格 168,000円+税
ISBN
978-4-86166-165-5
Cコード
C3302
専門 全集・双書 年鑑・雑誌

出版社在庫情報
在庫あり
初版年月
2017年12月
書店発売日
登録日
2017年11月13日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

●戦前期の英文日本年鑑各種を復刊するシリーズの第4-5回配本は、日本電報通信社(のちの電通)が1934年より5年間刊行した英文年鑑Japan Illustrated全巻の復刻です。(編集の都合によりThe Japan Year Book 1924~はシリーズ第6回以降の刊行となります。)
●金子堅太郎や今日「ボーン・上田記念国際記者賞」に名を残すマイルズ・W・ボーンらの助言もあり創刊された本写真入り英文年鑑は、同時代に名取洋之助らにより刊行された写真誌『NIPPON』とともに、戦前期日本の視覚的対外宣伝の一翼を担いました。
●英国のKegan, Paul , Trubner社や米国のBrentano書店などを販売代理店とし海外へも広く販売され、当時の日本の国際的イメージの形成にも使われた出版物です。
●満州事変後出版活動に力を入れることになった日本電報通信社は、英文だけでなく中国語などへも出版を広げ、「国家の代弁者」として海外への日本のプロパガンダに重要な役割を果たしましたが、本年鑑は多数の写真や図版一部カラーで掲載した豪華な内容で、その出版活動のなかでも特筆すべきものです。(電通の出版活動については本書解説を参照ください。)
●内容は、従来の英文年鑑にあるような前年の日本の概説や統計データなどを第1部A Year Book of Japanにまとめ、第2部は外国人旅行者のための日本ガイドGeneral Guide for Foreign Travellersの主要2部構成となっています。本年鑑に特徴的な第2部の旅行者用ガイドも、名所旧跡だけでなく各地の産業や地域の活動などの紹介にもページを割いています。また、日本文化の異なるテーマについてその分野の第一人者からの寄稿(例えば日本の宗教建築と題した伊東忠太の記事など)が数編加えられています。
●また、台湾、朝鮮、南樺太など植民地に関する章も設けられ、1935年度からは満州に関する独立した一部が付録されるようになっています。 
●広告代理店を母体とする出版物のため、企業広告にも多くのページが使われ(1934年版には200以上の企業広告を掲載)、海外向けの英文広告には国内向けの出版には見られない貴重な情報もみつけることができますし、宗教や教育機関に関する情報も豊富で、大学の当時のキャンパスや創業者の写真なども豊富に掲載しています。
●このように、メディア史、広告史、写真史、観光史などの資料としてのみならず、近代日本史に関するあらゆる側面のデータおよび視覚的資料として利用が可能です。
●各年毎の分売も可能ですので、研究機関、図書館で未所蔵の巻の補完にも是非お役立てください。

目次

Volume 1-2 : Japan Illustrated 1934  (総957頁, カラー図版14, 白黒図版約多数)
分売価格:¥68,000(本体)ISBN: 978-4-86166-198-3
 Vol. 1: A Year Book of Japan, 524pp.
 Vol. 2: General Guide for Foreign Travellers, 433pp.
Volume 3-4 : Japan Illustrated 1935 (総886頁, カラー図版14, 白黒図版多数)
分売価格:¥68,000(本体)ISBN: 978-4-86166-199-0
 Vol. 3: A Year Book of Japan, 496pp.
 Vol. 4: General Guide for Foreign Travellers+ Supplement on The Manchou Empire, 390pp.
Volume 5-6 : Japan Illustrated 1936 (総768頁, カラー図版7, 白黒図版多数)
分売価格:¥68,000(本体)ISBN: 978-4-86166-200-3
 Vol. 5: A Year Book of Japan, 490pp.
 Vol. 6: General Guide for Foreign Travellers + Supplement on The Manchou Empire , 278pp.



Japan ILLUSTRATED 1936
CONTENTS
PART I: A Year Book of Japan
Chapter I: The Imperial Court of Japan
Chapter II: Geography and Climate
Chapter III: Population (Increase of Population, Local Distribution of Population, Urban Population, Age Distribution of Population, Japanese Subjects Abroad, Foreigners in Japan (1934) など。)
Chapter IV: Government
Chapter V: Political Affairs During 1934-35 (Tax increase, Change of high officials, The 66th & 67th Diet session, Self-Government for Taiwan, The November Incident, Investigation Bureau of the Cabinet, Major political partiesなど)
Chapter VI: The Army (Present organization, Protection of Military Secrets , Map of fortresses in Japan など。)
Chapter VII: The Imperial Navy (Naval education, Warships, Naval districts and stations, Fleet formation in 1935 など。)
Chapter VIII: Foreign Relations(General introduction, Manchoukuo, China, U.S. S.R., United States, Canada, Great Britain, Australia, Brazil, Egyptなど。)
Chapter IX: The Press
Chapter X: Communications
Chapter XI: Education(Elementary education, Secondary education, Higher education, The Pan-Pacific New Education Conference Description of universities and collegesなど。)

*主要帝国大学、公立大学の他、以下の私立大学についても、当時のキャンパスや創立者の写真などとともに紹介されています。
青山学院、慶應義塾、早稲田大学、上智大学、中央大学、明治大学、法政大学、日本大学、東洋大学、立教大学、同志社大学、関西学院大学、立命館大学、実践女子大学、共立女子大学、嘉悦学園、東京家政学院、高野山大学、駒澤大学、大正大学、立正大学、龍谷大学、大谷大学、天理大学、日本医科大学、慈恵医科大学、東京女子医大、日本歯科大学、満州医科大学 など。
Chapter XII: Social Work (Aid by the Imperial House, Employment exchanges, Dismissal allowances, Health protection, The Dojunkai Foundation, The Foundation for the Promotion of Scientific and Industrial Research in Japan, Bunka Shinkokai, The Japanese Association for the Prevention of Tuberculosis, The Kyochokai, The Saiseikai, The Kitasato Institute, The Dai Nippon Fire Prevention Association, Nippon Inu Hozon Kai など。)
Chapter XIII: Religion(Enryakuji, Christianity, Tenrikyo, The Chion-in temple, The Soziji temple, The Hompa Hongwanji, The Tsukiji Hongwanji, The Eastern Hongwanji, The Eiheiji temple, Koyasan, The Kwannon Hall of Asakusa, Narita San, Catholic institutionsなど。)
Chapter XIV: Basic Industries
Chapter XV: Industry (Cotton textiles of Japan, Katakura & Company, Nippon Iron Mfg. Co. など。)
Chapter XVI: Foreign Trade (Trade between Japan and U. S., Trade with South Asia & Australasia, Trade with Scandinavia, Soviet-Japanese Trade, Japan's South American Trade, Japan's African Trade, Trade with Central America, Foreign Trade of Chemicals, Japanese-German Trade, Japanese-German Trade Relations, by Dr. Harald von Waldheimなど。)
Appendices (List of Diplomatic Representatives in Tokyo, Foreign Consulates in Japanなど。)
Business Directory

PART II: General Guide for Foreign Travellers
Chapter I: Kwanto and Tohoku
Chapter II: Chutra Region
Chapter III: Kinki Region
Chapter IV: Chugoku and Kyushu
Chapter V: Hokkaido
Chapter VI: Overseas Possession(Chosen, Keijo, South Sea Islands, Karafuto, Kwantung Leased Territory, Dairen)

PART III: Special Articles
I. Sacred Architecture in Japan, by Dr. Chuta Ito / II. Sino-Japanese Cultural Cooperation, by Chikao Fujisawa, former Professor of the Kyushu Imperial University / III. The Pine Avenue of the Tokaido, by Henry Noel, Tokyo Correspondent of "Le Petit Parsien" / IV. Japanes Journalism and Advertising, by Sekizo Uyeda, Managing Director of Nippon Dempo News Agency/ V. Beauty of Avenue Trees, by Dr. Ihachiro Miura, Professor at the Tokyo Imperial University

Supplement on Manchoukuo
Chapter I: Introduction / Chapter II: The Evolution of the Manchou Empire / Chapter III: Foreign Relations (On the General Progress of Manchoukuo, by Foreign Minister Chang Yen-ching) / Chapter IV: Economic Affairs / Chapter V: Finance / Chapter VI: Trade and Commerce / Chapter VII: Transportation and Communications / Chapter VIII: Industry (The Transfer of the N.M.R.)

Index to Advertisers

前書きなど

監修者より    土屋礼子
 1934年に日本電報通信社(のちの電通)から創刊された『Japan Illustrated』は、「英文電通年鑑」とも称され、明治末から同社によって刊行された『新聞総覧』や、戦後の『電通広告年鑑』のように長く続いた年鑑類に比べるとあまり知られていないが、この時代の英文年鑑としてひときわ分厚く豪華な特筆すべき出版物である。  
1932年の満州国成立以降、国策通信社・同盟通信創設のため通信部門をもぎ取られることになった電通は、一方で国策に沿うような海外向けの雑誌や書籍を出版しており、この年鑑もその一つである。その内容は、日本の国勢に関する概説と外国人観光客に向けての観光案内を二つの柱として構成されている。先行していた武信由太郎の『The Japan Year Book』に比べると、紳士録に相当する要人名簿がなく、データ類は少ないが、日本への旅に誘うような風景や人物の写真がカラー写真も含めて多く織り込まれているのが特徴である。
太平洋戦争時に制作された連合軍側の宣伝ビラに用いられた写真も散見され、欧米ではこの年鑑が一般的な参考文献として活用されたことが伺える。その意味でも、戦前・戦中・戦後と日本に対する欧米諸国のまなざしを日本側がどのように意識して宣伝していたのか、そして実際どのように編成されたのか、考察するためにも重要な文献だといえる。

版元から一言

推薦文     吉見俊哉(東京大学大学院情報学環教授)

グローバル化のうねりの中で、日本から海外への英語での情報発信に関心が集まる。これは、今だけの話ではない。日清、日露戦争に勝利し西洋列強と肩を並べたと人々が考え始める20 世紀初頭には、英文メディアの重要性が認識され、日本人による初の本格的英字新聞であるJapan Timesが発刊されていくのである。これは、100 年前の出来事だが現在につながる。その後、同新聞の創設にも参画した武信由太郎による英文年鑑Japan Year Book の刊行が始まり、日本からの情報の速報と蓄積機能を併せ持つメディアとして海外に広く頒布された。戦前期にはこれ以外にも英文日本年鑑が何種類か刊行されたが、その中でも写真図版を多数掲載した大判の本書Japan Illustratedは特に注目される。発行元の日本電報通信社は1901 年に創業、広告・通信社として大きく成長するが、戦前期には国のメディア戦略の一翼も担い、「国家の宣伝」ともいうべきこの英文年鑑を手掛けることになった。今日風には、ソフトパワー戦略というべきか、統計データや時事情報に加え、美術工芸品のカラー図版や文化行事の紹介にも多くのページを割いている。本年鑑は1934 年から38 年までの数年間しか続かないが、すでに戦争への道を突き進んでいた日本にあって、広報戦略と軍事戦略の両面性という観点からも、今日にもつながる出版事業だったといえるだろう。メディア史のみならず、近現代史、文化史研究の様々な側面の資料として推薦したい。

著者プロフィール

土屋礼子  (ツチヤレイコ)  (監修・解説

早稲田大学政治経済学術院教授

上記内容は本書刊行時のものです。