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岡山さんぽ 見たり食べたり
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2010年11月
- 書店発売日
- 2010年12月13日
- 登録日
- 2010年11月11日
- 最終更新日
- 2010年11月27日
紹介
東京育ちで岡山在住20年のエッセイストが、「岡山の魅力」を語り尽したエッセイ集。
目次
1章 花を訪ねて花を訪ねて東へ西へ
マンサク 小さい春を見つけに行こう
ツバキ 光政公もお気に入り
ミモザ 春風に揺れる清楚な真珠玉
コバノミツバツツジ これぞ岡山の花
ネムノキ 夕空にウインク
サルスベリ 夏のフラメンコダンサー
等
2章 味を訪ねて南へ北へ
黄ニラのダンス
サワラぬ神に祟りなし
ご当地バーガーを探して
米を買わずにパンを買う?
岡山はラーメンの国?
「かきおこ」はうめぇで
等
3章 ひとりある記
棚田巡り
西川緑道公園を語る
四つ手網
滝で涼む
等
4章 岡山を想う
ふる里を語る
岡山は水の国
岡山平野とお米
水を含んだ山々
前書きなど
まえがき
2001年に「岡山たべある記」を上梓して以来、エッセー集の出版をお休みしていた。しかし、楽しみに待っているのに……と期待してくださる声に励まされこのたび9年振りに発刊してみることにした。実をいうとこの1
0年ばかりを座して無駄に過ごしていたわけでもない。エッセーという名の小文はもとより書き続けていたし、言葉を紡ぐあらゆる分野に挑戦し結構忙しくしていたのだ。
そうした経緯の中では、詠んだ短歌が観光地の石碑に刻まれて残ったり、俳句や川柳で全国的な賞をいただいたり、童話や紀行記が同人誌や専門誌で取り上げられて記念品を頂戴したりというような楽しみや励みがあった。同人会に加入したり特定の師の薫陶を受けたりはしていないまったくの自己流だから、これはもう運が強いとしかいいようがない。それはともかく、今般の上梓はあくまでエッセーであってそうした運を頼りの気まぐれな愚作を拾い集めるような企画ではない。しかも岡山の出版社にお世話になりながら主として岡山の皆さんに読んでいただくべく発刊するのである。当然のことながら中身も岡山にご縁があるものに限らねばならない。
そこで思い付いたのが、私の小文を継続的に掲載してくれていた地元岡山の媒体からお許しをいただきこれをまとめ直す、ということであった。まず一定の格式と人気を維持している情報誌の「オセラ」である。この「オセラ」とは創刊号からのお付き合いだからこの2010年末をもって丸8年、全48刊に拙文を掲載してきた。前半の3年、18刊は岡山に咲く樹の花を﹁花を訪ねて東へ西へ」と題して取り上げてみた。気候に恵まれ水と土壌にも恵まれている岡山では、花の種類も多いし見栄えも良い。樹木に咲く花に殊更の愛着を持っている私としては、岡山賛歌の恰好のテーマになっていた。そしてその後の丸5年、30刊は﹁味を訪ねて南へ北へ」と題して岡山の食材や料理について思うところを書き記してきた。「南へ北へ」は「東へ西へ」の展開として付けられた題名だが、それは同時に海の幸、山の幸を婉曲に表現したものでもある。もちろん私に食材や味を評価する能力はない。
いうなら好奇心旺盛な食いしん坊というだけのことであり、岡山にはその好奇心を掻き立ててくれる食材や食習慣が多いということなのだ。こちらの方もやはり形を変えた私なりの岡山賛歌だと心得て書いてきたつもりである。いずれにせよ、このオセラへの原稿は残さず収載することにした。ただし中身を季節ごとに置き換えてみたので、オセラへの掲載順にはなっていない。ということは記述年代の不整合が随所にあるわけで、その点はあら
かじめお断りしておきたい。
次に選んだ対象は「毎日新聞」である。こちらには「岡山ひとりある記」という題で、その折々に感じたことを月に一度コラムのような形式で掲載してきた。2004年の5月が掲載のスタートだから「オセラ」に遅れること1年半になる。しかし掲載ペースはこちらの方が倍のスピード、すでに75稿ほどが皆さんのお目にとまっている。当初これも全稿を紹介しようかと考えたものの、読み直してみると必ずしも岡山を歩いていない原稿も多い。そして何より、これを全て盛り込むということになると一冊のエッセー集としては相当荷の重いページ数になってしまうことがわかった。そこで、岡山の情景に触れていて自分なりに気に入っているコラムをいくつか選び出してみた。あれっ? あの話が載っていないじゃないか、というご指摘があるとするなら光栄の至りだ。
続いて岡山県農業共催組合連合会︹NOSAI︺の機関誌﹃マスカット﹄からの転載を考えた。ご縁ができたのは2009年の4月で、以後3カ月に一度のペースで連載してきたからこの10月末で7回。まだ根付きもおぼつかない段階なのだが、こちらには私が今の時点で最も関心を持っている﹁岡山の水」をテーマに書き込んできた。だからそうした私の岡山への想いを知っていただくためにこれまでの分をぜひ掲載しておきたいと思ったのだ。
そんな次第でここまでがこの小冊子に収載できる限界となった。毎日新聞に載せてきた他のコラムもさることながら、あれやこれやと各所に雑文を書き残しているのでいずれかの機会にこうしたものもまとめ直してみたいとは考えている。
さて、この本を手に取り読んでくださる方へのお願いはただ一つ。私の発想なんか狭いし文章力にも限界がある。だから内容について厳しいご意見をお持ちになるのは当然だと思う。それでも、岡山の素晴らしさを見つめ直すきっかけにしていただければこんなに嬉しいことはない。外から入り込んだ人間だから見えたり感じたりしているのかもしれない何か、それを地元の方々にも共感していただけたら……と思うのだ。それこそが私が岡山
に居続ける張り合いというものなのだから。
版元から一言
東京育ちで岡山在住20年のエッセイストが、岡山への愛情いっぱいに語る珠玉のエッセイ集。
上記内容は本書刊行時のものです。