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鬼ノ城と吉備津神社―「桃太郎の舞台」を科学する
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2009年12月
- 書店発売日
- 2010年1月19日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
地質学や植物学、考古学・古代史学、建築史学などの専門家が、「温羅伝説」の舞台を分析。鬼ノ城と吉備津神社、そして足守川流域の新しい姿が見えてくる!
目次
1. 鬼ノ城付近の地形と地質・・・能美洋介
2. 鬼ノ城山の植生・・・古屋達規・波田善夫
3. 鬼ノ城を掘る~最近の城内発掘調査から~・・・大橋雅也
4. 鬼ノ城と朝鮮半島・・・亀田修一
5. 鬼ノ城“城主”温羅と吉備津彦・・・志野敏夫
6. 吉備津神社本殿及び拝殿のふしぎ・・・江面嗣人
前書きなど
岡山理科大学『岡山学』研究会が刊行する、シリーズ『岡山学』がこの『旭川を科学するPart4』で六冊目になります。
岡山理科大学『岡山学』研究会は、一九九九年に岡山理科大学の総合情報学部の教員が中心になって、「岡山」という地域を対象に、自然科学、人文科学、情報科学などいろいろな方向から検討して、明らかにしていこうという目的で作られた研究会です。
これまで「岡山市朝寝鼻貝塚」、「備前焼」、「吉井川」、「旭川」などをテーマにシンポジウムを開催してきました。そしてシリーズ『岡山学』1として『備前焼を科学する』、同2として『吉井川を科学する』、同3~5として『旭川を科学するPart1』、『同Part2』、『同Part3』を刊行してきました。今回は、昨年開催した第九回『岡山学』シンポジウム「旭川~流域を科学するパート4~」を一冊にまとめることにしました。
「旭川~流域を科学するパート4~」では、これまでのパート1・2が上流域から中流域を扱い、パート3で旭川下流域から児島湾干拓地にかけてのおもに自然科学に関わる内容を扱っていましたので、今回は旭川下流域から児島湾干拓地にかけてのおもに人文科学的な内容を対象としました。
まず、歴史学や民俗学が専門の安倉清博さんに、「近世児島湾北岸の干拓」というテーマで、児島湾北岸干拓地の歴史・用水・生活などについて述べてもらいました。
次に、考古学が専門の安川満さんに、「近代の児島湾干拓」というテーマで、近代の児島湾干拓に関わるオランダ人工師ムルデルの仕事、そして現在残っている干拓堤防・樋門などの近代化遺産について述べてもらいました。
三番目に、考古学が専門で、岡山城の発掘調査に長年携わってこられた乗岡実さんに、「旭川と岡山城」というテーマで、岡山城が旭川との関わりの中でどのように築かれ、旭川の水がどのように利用されたのかなどを発掘調査の成果によりながら述べてもらいました。
四番目に、データベースが専門の北川文夫さんに、「古写真DBで見る昭和九年台風被害」というテーマで、古写真データベースについて、そしてそのなかに登録されている昭和九年の台風被害の様子を現在の写真と対比させながら述べてもらいました。七六頁の図4に示された堤防決壊の場所は、乗岡さんが作成された五六頁の図2と並べてみるとその関わりが推測できそうです。
五番目に、旭川を管理する国土交通省岡山河川事務所の所長をされている光成政和さんに、「不都合な岡山平野の真実」というテーマで、岡山平野の特徴、過去の岡山の水害の実態などとともに、今後どのようにすればこの地域を守っていくことができるのかについて述べてもらいました。
最後に、地域政策やNPOなどが専門の金川幸司さんに、「旭川下流域と公民協働―アダプトプログラムを事例として―」というテーマで、行政と市民が地域にどのように関わるか、アダプトプログラムという河川などの清掃・美化などを住民たちが里親となって請け負う制度などについて述べてもらいました。
このように今回は、人文科学分野を中心に旭川下流域から児島湾干拓地までの地域を検討しました。それらが独立して、また相互に関連しながらこの地域を見ることによって、より多様な旭川下流域や児島湾干拓地の姿が見えてきたのではないかと思います。
版元から一言
地質学や植物学、考古学・古代史学、建築史学などの専門家が、「温羅伝説」の舞台を分析。鬼ノ城と吉備津神社、そして足守川流域の新しい姿が見えてくる!
上記内容は本書刊行時のものです。