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フリーの教科書
生き延びるための読書
- 初版年月日
- 2009年1月
- 書店発売日
- 2009年1月30日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
突然会社をクビになったらどうする?
お金がなくても暮らしていけるのか?
組織に属さず、社会を渡り歩くためには?
……このように、尽きない悩みに苦しみ続けるフリーランサー、フリーターの人々は大勢います。わかっていることは、自分の身体のみが資本だということ。
健康を維持するためには心と体のバランスが大切ですが、即効薬などありません。著者が見出した滋養強壮剤は、本。本を読み、みずから考え続けるための言葉を燃料に、日一日を生きていくこと。クビにされてもからっけつでも、ひとりしぶとく生き続ける著者の心と体の均衡は、本の言葉によって保たれているのです。
私小説・詩・SF・映画・ハードボイルド・スポーツ・哲学…あらゆる本の世界の言葉をおのれの生命力に変えるフリー編集者のタフな生き様は、フリーの人たちの心を燃やす〝生きた教科書〟そのものです。
目次
(仮)
はじめに~不条理に投げ出されてーフランツ・カフカ「審判」
第一部 一匹起業・悪党になろう
バルザック「幻滅ーメディア戦記」
小林信彦「60年代日記 1959~1970」
橋本治「ぼくたちの近代史」
笠原和夫「仁義なき戦いー仁義なき戦い・広島死闘編・代理戦争・頂上作戦」
リチャード・スターク「悪党パーカー/人狩り」
レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」&ロス・マクドナルド「一瞬の敵」
ダシール・ハメット「血の収穫」
作者不詳「ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯」
新藤兼人「ある映画監督ー溝口健二と日本映画ー」
ジャン=リュック・ゴダール「ゴダール/映画史Ⅰ・Ⅱ」
パトリシア・ハイスミス「リプリー」
坂口安吾「堕落論」
第二部 仕事と生活・勝てなくても負けない
夏目漱石「坊っちゃん」
伊藤整「日本文壇史」
後藤正治「遠いリング」
木村義雄「将棋一代」
斎藤緑雨「緑雨警語」
岩野泡鳴「耽溺」「毒薬を飲む女」
田山花袋「東京の三十年」
織田作之助「六白金星」
椎名麟三「神の道化師」
内田百閒「大貧帳」
武田泰淳「司馬遷」
ベルトルト・ブレヒト「ガリレイの生涯」
第三部 躰と神経・とにかく生きろ! 人生
ウィリアム・シェイクスピア「ハムレット」
シモーヌ・ヴェイユ「重力と恩寵」
フィリップ・K・ディック「高い城の男」
ニコライ・ゴーゴリ「外套」「ネフスキー大通り」「狂人日記」
宇野浩二「苦の世界」「枯木のある風景」
横光利一「機械」
第四部 家、その周囲・諦めちゃダメだ
ウィリアム・サローヤン「わが心高原に」
徳田秋聲「黴」
久保田万太郎「春泥」「末枯」
太宰治「津軽」
木山捷平「大陸の細道」「長春五馬路」
ソーントン・ワイルダー「わが町」
石川啄木「一握の砂・悲しき玩具」「詩集」「我等の一団と彼」
アントン・チェーホフ「かもめ」
おわりに~どっちにいくかー幸田露伴とか志賀直哉とか高見順のこと
版元から一言
貧・困・迷の時代のすべてのフリーに告ぐ!
サバイバルするための精神と躰を鍛えよ。
書物の言葉を生きる力に変えよ!
追記
2009年1月30日毎日新聞・夕刊「話題です 」に掲載されました。
上記内容は本書刊行時のものです。