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青い夜道の詩人
田中冬二の旅 冬二への旅
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2022年4月30日
- 登録日
- 2022年5月10日
- 最終更新日
- 2022年5月10日
紹介
若き日に出会い魅せられた詩人・田中冬二。年齢を重ねるごとに奥行き深く感じる冬二の詩の世界。著者は、その詩と文章に向き合い、その詩人としての人生、繰り返した小さな旅をたどりつつ、著者自身の「冬二への旅」を試みる。冬二の詩篇を紹介し読み解きながら、なんでもない日々の大切さをみつめ続けたこの詩人の人生とその時代が蘇る。
目次
(一)ふるさとにて
Ⅰ
(二)追憶の一頁
(三)「文章世界」への投稿
(四)父と母
(五)幼年・追憶の母・母
(六)英会話教師ミス・マキム
(七)田山花袋選で特選に
Ⅱ
(八)草愁詩社
(九)越知水草
(十)詩誌「炬火」の読者に
(十一)初めて書いた詩「蚊帳」
(十二)長谷川巳之吉
Ⅲ
(十三)青い夜道
(十四)関東大震災
(十五)言葉の夢が夢を
(十六)自然との親和に溢れた風景
(十七)後ろ向きであることがより可能性に近い場所
(十八)強く生きる大麦の一粒
(十九)梨の花とお寺の奥さん
(二十)冬二の詩集を望む者が圧倒的
Ⅳ
(二十一)美しい幻の喚起力
(二十二)小谷温泉
(二十三)燈火の色ほどなつかしいものはない
(二十四)くずの花は、まさに聖痕
(二十五)南欧風なセレニテ(快朗性)
(二十六)堀口大學
(二十七)日本のフランシス・ジャム
Ⅴ
(二十八)閑雅な詩風に秘められた宗教的情操
(二十九)障子
(三十)第二詩集『海の見える石段』
(三十一)無言をもってする、身ぐるみの近代批判
(三十二)絵にかいた餅でなければ食べられない
(三十三)異国を夢見てピクチャレスクな旅を
(三十四)心理の陰翳を描いて
(三十五)愛娘を喪う
(三十六)もう一人ゐるものがあります
Ⅵ
(三十七)冬二の世界を愛する池波正太郎
(三十八)三島由紀夫も愛読者
(三十九)「荒地」の詩人・三好豊一郎も
(四十)初めての本格的な「田中冬二論」が
(四十一)夢見ること、命名すること
(四十二)私にはヴィジョンのみが美しい
(四十三)田中冬二と堀口大學とのこだま
Ⅶ
(四十四)俳句に親しむ
(四十五)かつての読書体験が涵養されて
(四十六)己のなかの身近な他者
(四十七)リズム・音韻・イメージ
(四十八)秘境奈良田を探訪
(四十九)ガス燈はなぜ古風なのか
(五十)心に思い描いた詩的現実・小林朝治
(五十一)近代化・都市化・集権化の反面
Ⅷ
(五十二)人生の一日
(五十三)口語体より文語体での感懐
(五十四)戦争の影
(五十五)色彩画家カモアンやオットマンの絵のような詩を
(五十六)若き詩友、高祖保
(五十七)詩風の開花と充実
(五十八)村々に未来をあらしめることができるか
Ⅸ
(五十九)戦争詩・愛国詩
(六十)大戦に感応せず、その筆を鋭くせず
(六十一)郡山での日々
(六十二)麦のごとく
(六十三)昭和二十二年(一九四七)の冬二
(六十四)返らぬ日の歌
(六十五)サングラスの蕪村
あとがき
参考文献
前書きなど
冬二はまるでゆくえをくらますように、山深い温泉などに出かけていく。そこはなにか冬二が求めた彼だけの日だまりのようで、それを追いかける私にとっても夢の日だまりのように心を抱き取られる場所であった。(「あとがき」より)
上記内容は本書刊行時のものです。