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戦争・詩・時代
平和が平和であるために
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年8月
- 書店発売日
- 2016年8月10日
- 登録日
- 2016年8月9日
- 最終更新日
- 2017年9月26日
受賞情報
第13回 日本詩歌句随筆評論大賞評論部門奨励賞受賞
書評掲載情報
2016-09-09 | 週刊読書人 |
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紹介
正岡子規や大和田建樹が生きた明治。尼崎安四の強靱、清冽な詩精神。富澤赤黄男の戦場での真情。戦争や治安維持法のもとで青春を過ごさざるを得なかった詩人たち。近代日本社会の歩みのなかの詩人たちと戦争の関わりを振り返る。
「(戦後70年を経て安全保障関連法案成立、集団的自衛権行使を容認する法的整備が進められるに至った)こうした時期、わたしは近代日本社会の歩みのなかで、詩人たちが戦争と、どのように関わり合ったかを、あらためて見てみたいと思う。過去の歴史は、常に現在からの審判に向き合わねばならない。というまなざしよりも、確かめることによって新たな未来に向けて、しっかりと、いまを考えたいと思うからだ。」(はじめにより)
目次
1.はじめに
2.日清戦争と正岡子規
2-1.新聞「日本」
2-2.新聞「小日本」の編集長を
2-3.明治のナショナリズムのなかに
2-4.近衛師団付従軍記者
2-5.金州雑詩
2-6.子規の新体詩の可能性
2-7.国あり新聞無かるべからず、戦あり新聞記者無かるべからず。
3.唱歌と軍歌 大和田建樹?
3-1.夕空はれて あきかぜふき
3-2.すつる命は、君のため
3-3.愛国的国民感情の生成
3-4.歴史は完結していない
4.詩人伍長 尼崎安四?
4-1.五年にわたり南洋を転戦
4-2.ゆえしらず孤独で、狂おしく
4-3.詩をいかの墨でつくったインクで
4-4.これはこの世の人ならず
4-5.風のかたみ
5.やがてランプに戦場のふかい闇がくるぞ 富澤赤黄男
5-1.一億起つしののめの富士のふもとより
5-2.新興俳句運動とその時代
5-3.寒梅にあはれ鬱金の陽射かな
5-4.藁に醒めちさきつめたきランプなり
6.治安維持法のもとで
6-1.山部珉太郎
6-1-1.朝鮮総督府で働きながら
6-1-2.詩誌が発禁に
6-2.『南海黒色詩集』「記録」「四国文学」など
6-2-1.言論と表現の自由
6-2-2.「記録」「四国文学」など
6-3.木原実(木原健)
6-3-1.ウスリーの荒野で
6-4.永井叔
6-4-1.音楽托鉢・大空詩人
6-5.野田真吉
6-5-1.軍隊に召集され詩を放棄
6-5-2.死ぬであろう時まで、気ままに詩でも作って
6-5-3.映像作家として
7.平和が平和であるために
7-1.徳永民平 星の輝きに世紀の悪夢を
7-2.敷村寛治 ありのままの暮らしに歴史を問う
7-3.図子英雄 軍神の母を凝視めて
7-4.香川紘子 ヒロシマ
8.おわりに
前書きなど
「(戦後70年を経て安全保障関連法案成立、集団的自衛権行使を容認する法的整備が進められるに至った)こうした時期、わたしは近代日本社会の歩みのなかで、詩人たちが戦争と、どのように関わり合ったかを、あらためて見てみたいと思う。過去の歴史は、常に現在からの審判に向き合わねばならない。というまなざしよりも、確かめることによって新たな未来に向けて、しっかりと、いまを考えたいと思うからだ。」(はじめにより)
版元から一言
今という時代に、著者の次のような思いが届いてほしい。
「(戦後70年を経て安全保障関連法案成立、集団的自衛権行使を容認する法的整備が進められるに至った)こうした時期、わたしは近代日本社会の歩みのなかで、詩人たちが戦争と、どのように関わり合ったかを、あらためて見てみたいと思う。(中略)確かめることによって新たな未来に向けて、しっかりと、いまを考えたいと思うからだ。(あとがきより)」
追記
2016年8月12日「utaco drip」にて出版記念「堀内統義ポエトリーリーディング」を開催します。
上記内容は本書刊行時のものです。