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物理学的ストーリー創作入門 売れる物語に働く6 つの力
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2018年9月25日
- 登録日
- 2018年9月10日
- 最終更新日
- 2018年11月8日
紹介
好評の『工学的ストーリー創作入門』に続く第2弾!
足りないのは、アイデアではない!
売れる物語に共通する「ストーリーの原則」を解説した、天才以外は必読のロジカルな創作指南書。
【6つの力】
パワフルな前提/ドラマ上のテンション/ 情報提示のペース/主人公への共感/疑似体験/語りの戦略
【本書の内容】
売れる物語には必ずこの6つの力が働いている!
ストーリーテリングのための最強の原則
前著『工学的ストーリー創作入門 売れる物語を書くために必要な6つの要素』で著者は「コンセプト/人物/テーマ/構成/シーンの展開/文体」という物語創作に必要な「6つのコア要素」について説明しました。
そして本書では、物語に働く「6つの力」について解説しています。
「6つのコア要素」と「6つの力」は別物です。
両者の関係は、本書に「6つのコア要素は道具、ストーリーの物理は本質的な力だ。道具を使って物理の力を変化させ、効果を出そうというわけだ。」とあるように、飛行機と引力、サーフィンボードと波という例えで表現できます。
よいストーリーには必ず「6つのコア要素」と「6つの力」の合計12の要件すべてが揃っています。
本書では、「6つのコア要素」についても触れつつ、「6つの力」について、そしてストーリー創作に必要な12の要件の関係性について詳しく説明しています。
どうして自分の作品がアマチュアの域を出ないのか疑問に思っている方もいるでしょう。
実はプロとアマチュアの差はこの「物語の物理」ともいうべき「6つの力」の生かし方にあるのです。
ストーリーに働く物理の力は、人によって違うということはありません。
普遍的な真実です。無視すると痛い目に遭います。
「どんなにアイデアやコンセプトがすごくても、物理的にだめなら失敗する」と著者はいいます。
引力や日光や気温のように決して無視することのできない「6つの力」を最大限に生かし、読者の記憶に焼きつく「売れる」ストーリーを書きましょう。
目次
イントロダクション
第1章
ストーリーのフォースと共にあれ
1 ストーリーの探求/2 ストーリーの物理へのシフト/3 ストーリー構想の三つの段階/4 ストーリーの物理を定義する/5 文脈に沿って書く/6 ストーリーの探求の方法と手段
第2章
ストーリーの物理の最適化
7 アイデアVSコンセプト/8 コンセプトの裏側/9 指標としての物理/10 ストーリーの中のストーリー/11 サブテキストの魅惑のささやき/12 大きくて無言のストーリー・キラー/13 構成とストーリーの物理の関係/14 主人公を心理を描くには/15 疑似体験を深めるために
第3章
プロセスの力
16 執筆プロセスの最終目標/17 使命重視のストーリーテリング/18 使命重視のシーン執筆/19 九つの悪文でストーリーを書く/20 ビートシートという設計図/21 ストーリーの強化
第4章
ストーリーの物理の実践
22 売れるストーリーを書くための六つのコア要素/23 『ヘルプ』のストーリー力学/24 『ハンガー・ゲーム』のストーリー力学
訳者あとがき
著者・訳者紹介
前書きなど
ストーリーテリングを知れば知るほど、売れるものを書くことの複雑さや奥深さ、選択肢の幅広さに気づく。ストーリーはまるで人間のようだ。身体の作りは同じでも、同じ人は二人としていない。同じ物語でも書き方は人それぞれだ。一人ひとりの個性や癖、好みは違う。カウンセリングには個別の対応が必要だ。
その一方で、あらゆる場合に適用されるストーリーの原則と物理が存在する。
物理的な力は万物に及ぶ。河川の流れや原子力のように、ストーリー作りに生かせる。度外視してもいいが、あまりいい結果にはならない。
(中略)
僕は文章がもつ力を物理として捉えるのが好きだ。軽視も無視もしたくない。結果が露わに出るからだ。それは「ストーリーがうまくできない」ということだから恐ろしい。逆に、うまく使えば望む結果が引き出せる。ストーリーの物理は物語を動かすエンジンであり、翼である。業界に打って出るなら滑空モードはそぐわない。飛べずに墜落するのがおちだ。
行き先を決めずに飛ぼうとするのは無謀だ。
何も決めずにストーリーを書こうとする人もいる。行き詰まり、疲れ切って頭を抱える人もいる。この本ではそれを解決したい。「ルールなんてない」という思い込みを解消し、高度な理解に導きたい。それはちょっと複雑だ。まず「ルール」と「原則」の違いを説かなくてはならないからである。どんな名前で呼んだとしても、ストーリーに作用する力学そのものは変わらず存在する。
(中略)
頑張って書いたものが成功する可能性はゼロではないが、きわめて低い。噓だと思うなら書店の倉庫を見るといい(近所に書店があればの話だが)。あなたが「あ、これ、聞いたことがある」という本の約千倍もの数の本がここ数年で書かれている。書店の棚に並ぶことさえ叶わなかった本が膨大にあるということだ。理由はきわめて単純だ。「ストーリーのアイデアが平凡」「コンセプトがつまらない」「独自性がない」「競争力がない」。文章力があっても売れないものは売れない。鶏の糞みたいな扱いだ。「あ、これ、小説にできるかも」と思いついた時、そのアイデアにはたいてい、鶏の糞みたいに不要なものがくっついている。だが、それを取り除けば売れる商品に変えられる。
ストーリーの物理はその手段だ。
(本書より抜粋)
上記内容は本書刊行時のものです。