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紅茶屋のつぶやき 堀江敏樹(著) - めこん
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紅茶屋のつぶやき (コウチャヤノツブヤキ)

趣味・実用
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発行:めこん
A5判
縦215mm 横155mm 厚さ17mm
重さ 397g
216ページ
上製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-8396-0290-1   COPY
ISBN 13
9784839602901   COPY
ISBN 10h
4-8396-0290-5   COPY
ISBN 10
4839602905   COPY
出版者記号
8396   COPY
Cコード
C0077  
0:一般 0:単行本 77:家事
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年4月
書店発売日
登録日
2015年5月22日
最終更新日
2015年5月22日
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紹介

紅茶ファン待望のエッセイ。
紅茶って、難しいものではないのです
余計な情報にまどわされないで。
いくつかの基本をおさえるだけで、紅茶本来のすばらしい世界が開けてきますよ。

目次

第1部 紅茶をもっとふつうに楽しく

ゴールデンドロップ
インスタントラーメンと紅茶
紅茶と砂時計
流行語になった「ジャンピング」
キウイ・ハズバンド
子どもと紅茶
保育園のチャイ
紅茶はポットで
「フランス式」「イギリス式」(紅茶の淹れ方)
レモン+色つき湯=レモンティー?
ティーバッグをもっと気軽に
水道水で紅茶を
おいしい日本の水
関西はチャイ発祥の地
喫茶店? カフェ?
カフェに見る紅茶の提供法の変化
喫茶は自宅で
茶葉を探して三千里
ディスカバー・BANCHA
紅茶をふつうに楽しむ、とは
ちょっとうれしい話――詰め替え用包袋
ティーキャディーの魅力
毎日が「紅茶の日」
手抜き紅茶を楽しむ
住宅スタイルと「茶縁」
忘れていませんか、おいしい紅茶を淹れるために

第2部 茶葉についてのあれこれ

オレンジペコ
ティー・ブレンディング
ブレックファスト・ティー
ティーバッグについて①
ティーバッグについて②
ティーバッグについて③
本当の一期一会
ルースティー(リーフティー)の計量
想像以上に正統派、納得のインスタントティー
水で出るのか、水出し紅茶?
ちょっと困ったアイスティー
着香茶(フレーバーティー)の話
CTC(CRUSH ・TEAR ・CURL) TEA

第3部 紅茶屋のつぶやき

紅茶男子と紅茶教室
紅茶とワインのこと①
紅茶とワインのこと②
自動販売機にブレンド紅茶
大いなる矛盾
日本に紅茶が普及しない理由
紅茶を飲むのに資格は必要?
さわやかな話
わくわくする話
困った話
NHKのある番組より
ロイヤルちからティー
続・ロイヤルちからティー
ペットボトルから見つけたこと
ペットボトル緑茶と着物
クリよ自然に還れ
おお、パンジェンシー
世紀末的紅茶風景
忘れ始められた伝統的紅茶、リプトンの青缶
東南アジアで紅茶を飲む
宝の持ち腐れ?
ニュージーランドの紅茶文化
「オシャレ紅茶」の世界
紅茶、ウーロン茶、緑茶
ミネラルウォーターで淹れる紅茶?
紅茶と上手につきあう①
紅茶と上手につきあう②
当店のメニューから
JUST IMAGINE!/

あとがき

参考文献
巻末用語集

前書きなど


ゴールデンドロップ

 紅茶の本ですが、ワインの話から始めたいと思います。
 最近では、気の合う友人とワインを楽しむ機会も増えてきました。ワインに合うおつまみを一緒に注文することが多いので、大抵の場合二人でフルボトルを一本注文してしまいます。さてここで、友人との話がはずんでもう少しワインが飲みたくなり、ボトルをあらためて眺めてみると、なんと残りはもうグラス一杯にも満たない量。本当ならもう一本追加したいところですが、予算や時間などもろもろの事情もあり、注文をあきらめることも。そんなときはこの残りのワイン、至福のひとすすりを友人と分かち合うことになります。
同じ渋味であるタンニンが魅力の紅茶にも、この「至福のひとすすり」が存在します。日本紅茶協会の講習会の手順に、紅茶をカップに注ぐときの〝最後の一滴はベストドロップやゴールデンドロップと言われて、特においしいとされ、この一滴はそのときの主賓に淹れるのだとさえ言われています〟とあります。紅茶の場合はワインと違って、成分がポットの中で時間が経つにつれて抽出されるので、最後の一滴がもっとも成分が濃くなるわけです。これは品質のよい紅茶ほど、好ましい滋味が残ります。その意味から、お店などで提供される紅茶のポットに茶葉が入っていないものを見ると、本当にがっかりさせられます。ぬるい湯や、茶葉の量が極端に少ない場合も同様です。
紅茶が本当に好きな人を観察していると、かならず茶葉入り紅茶の最後の濃いところを一滴あまさず飲み干しているようで、紅茶屋としては本当に嬉しい気持ちになります。逆にごてごてと飾り立てられた生フルーツ入り紅茶やたっぷり着香されたフレーバーティーを注文したり、イギリスのブランドがどうのとかシーズナルティーを摂氏何度で何分何十秒とか一見マニアックなうんちくを語ったりする人に、案外と紅茶を残す人が多いようです。
いろいろと理屈をこねくりまわす前に、まずはポットで提供された紅茶を最後の一滴まで飲み干してほしいものです。

写真:一杯の紅茶からはじまる一日

著者プロフィール

堀江敏樹  (ホリエトシキ)  (

1936年生まれ、神戸在住。紅茶専門家、辻学園日本調理専門学校講師、大阪あべの辻調理師専門学校講師。堂島の名店として知られたティーハウスムジカの生みの親。
著書『紅茶の本』『紅茶で遊ぶ観る考える』『カルカッタのチャイ屋さん』『ティープリーズ』(以上南船北馬舎)、『紅茶屋のぶつぶつ』(芦屋倶楽部人間環境行動研究所)

上記内容は本書刊行時のものです。