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国家と上座仏教 矢野 秀武(著) - 北海道大学出版会
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国家と上座仏教 (コッカトジョウザブッキョウ) タイの政教関係 (タイノセイキョウカンケイ)

哲学・宗教
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A5判
418ページ
上製
定価 5,800円+税
ISBN
978-4-8329-6830-1   COPY
ISBN 13
9784832968301   COPY
ISBN 10h
4-8329-6830-0   COPY
ISBN 10
4832968300   COPY
出版者記号
8329   COPY
Cコード
C3014  
3:専門 0:単行本 14:宗教
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年2月1日
書店発売日
登録日
2017年1月27日
最終更新日
2017年3月23日
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紹介

タイでは、なぜ宗教と国家が密接な関係を作り上げているのか、それがなぜ世俗重視の近代国家として大きな問題にならないのか。タイにおける上座仏教について、国家の道徳教育と一体化した仏教の諸実践に注目し、行政の宗教関連事業という面から論じる。 

目次

序 章
 1 本書の問いと対象
 2 問いの始まり
 3 本書の視点と方法
 4 本書の調査方法とその問題点
 5 本書の構成

第1部 タイの政教関係

第1章 タイ政教関係論の諸相
 1 はじめに
 2 タイの宗教概説
 3 タイ政教関係論の視点
 4 石井米雄のタイ政教関係論に見る統治の仏教道徳の位置づけ
 5 まとめ

第2章 国教・公認教論の問題点
 1 はじめに
 2 国家体制理念におけるタイの政教関係
 3 タイ国憲法における宗教関連条項
 4 行政組織と宗教行政事業
 5 仏教の国教明記運動
 6 国教明記についての見解
 7 国教明記論争から見えてくるもの
 8 国教・国家仏教・公認教論・協同型政教関係

第3章 二重の政教関係――国家と宗教,国王と宗教――
 1 国家の公定宗教と3つの型(公設型・公認型・公営型)
 2 公営型の公定宗教の特徴
 3 公定化の背景
 4 公定宗教制と権威主義的統治体制

第2部 タイの行政と宗教

第4章 宗教関連行政の広がり
 1 はじめに
 2 宗教関連事業に係る国家行政機関とその活動
 3 まとめ

第5章 国家仏教庁および文化省宗務局の事業と予算配分
 1 はじめに
 2 宗教行政基礎資料の概要
 3 資料解説
 4 全体的な特徴

第3部 タイの宗教教育

第6章 教育省のプロジェクト――仏教式学校――
 1 はじめに
 2 仏教式学校プロジェクトへの注目理由
 3 仏教式学校の活動内容
 4 プロジェクトの成り立ち
 5 仏教式学校プロジェクトの周辺
 6 まとめ

第7章 外郭団体の宗教教育活動――善徳プロジェクト――
 1 善徳プロジェクト
 2 ソーシャル・キャピタル形成の思想
 3 まとめ

第8章 文化省宗務局のプロジェクト――道徳教育僧侶の学校派遣――
 1 はじめに
 2 「道徳教育僧侶の学校派遣プロジェクト」の概要
 3 活動内容
 4 同種のプロジェクトと道徳衰退言説
 5 学生向け仏教教育プロジェクト展開の背景
 6 まとめ

第9章 宗教科目教育制度と仏教の教科書
 1 はじめに
 2 タイの教育制度
 3 公教育における宗教教育
 4 宗教科(仏教)教科書――近代初頭から1980年代初頭まで
 5 2001年基礎教育カリキュラムと教科書
 6 宗教科(仏教)教科書・中学3年(2001年基礎教育カリキュラム版)
 7 宗教科(仏教)教科書・中学3年(2001年基礎教育カリキュラム版)の特徴

第10章 権威主義的統治と仏教教育
 1 はじめに
 2 「王とは」から「王制による統治とは」へ
 3 近現代タイにおける王制の変容過程
 4 ハイパー・ロイヤリズムと仏教道徳の変容
 5 仏教道徳と王制・民主主義

第4部 タイの宗教研究

第11章 タイにおける宗教研究と「宗教」
 1 はじめに
 2 宗教学関連の研究における制度化過程
 3 まとめ――宗教学関連研究の制度化とその特質

第12章 宗教概念とタイの比較宗教
 1 はじめに
 2 タイの宗教学関連テキストにおける「宗教」概念
 3 なぜ「比較宗教」が行われたのか
 4 なぜ「宗教学」が不在なのか
 5 タイ国家の体制理念に組み込まれた宗教(サーサナー)
 6 まとめ

第13章 タイ人研究者による政教関係論
 1 はじめに
 2 社会秩序の基盤となる仏教という視点
 3 国家がサンガ管理に関わる理由
 4 タイ的な政教分離の議論1――国家によるサンガの政治的利用
 5 タイ的な政教分離の議論2――サンガ改革のジレンマ
 6 仏教市民社会論とその他の見解
 7 まとめ

終 章

参考文献
あとがき
索  引

著者プロフィール

矢野 秀武  (ヤノ ヒデタケ)  (

生 年:1966年
現 在:駒澤大学総合教育研究部教授
専 門:宗教学,タイ上座仏教研究,宗教社会学
主 著:『現代タイにおける仏教運動――タンマガーイ式瞑想とタイ社会の
    変容――』東信堂、2006年(単著)
    『アジアの社会参加仏教――政教関係の視座から――』北海道大学
    出版会、2015年(櫻井義秀・外川昌彦・矢野秀武共編著)

上記内容は本書刊行時のものです。