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悩める人間
人文学の処方箋
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2017年6月1日
- 書店発売日
- 2017年6月21日
- 登録日
- 2017年4月28日
- 最終更新日
- 2017年6月21日
紹介
世に悩みの種はつきものです。一挙解消の妙薬は処方できませんが、古今東西の文学や思想、歴史、社会科学の最新知見から、文学部の講師陣が《悩める人間》というテーマにせまります。悩みについて知れば、人生を豊かにするヒントが見つかるかも。
目次
はしがき
第一章 宗教は悩みにどう向き合うか………………………宮嶋俊一
一 「悩み」と「苦しみ」について
二 仏教やキリスト教は悩みといかに向き合ってきたのか
三 マックス・ウェーバーの神義論
四 試練としての苦しみ
五 まとめ
第二章 作家(アーティスト)はつらいよ…………………北村清彦
はじめに
一 日本の芸術家人口
二 芸術の経済
三 芸術と社会
四 「芸術」という能力
おわりに
第三章 平安文人官僚の切なる昇進の願い
――小野道風と菅原文時…………………………小倉真紀子
はじめに
一 時代の背景と小野道風・菅原文時の生涯
二 小野道風の任官申請
三 菅原文時の叙位申請
おわりに
第四章 新しい社会原理の模索
――三木清と国体イデオロギーの接点…………権 錫 永
はじめに
一 日本のヒューマニズム運動の背景
二 三木清のヒューマニズム論
三 国体イデオロギーとの接点
おわりに
第五章 書くべきか、書かざるべきか
――マーク・トウェインの悩み……………………竹内康浩
一 ある文学者の悩み
二 『ハックルベリー・フィンの冒険』の初期構想
――推理小説として
三 書くべきか、書かざるべきか
四 『ハック』の完成へ――良心と休戦
第六章 僥倖がもたらした苦悩と絶望
――竹取の翁の人生を考える………………………後藤康文
はじめに
一 僥倖と逸脱
二 翁の野望
三 愛娘喪失と腸断の苦しみ
四 絶望と死
おわりに
第七章 是か非か、悩んだ果てに――荘子の悩み…………近藤浩之
はじめに
一 『荘子』斉物論篇の「辯」-是非の対立論争
二 『十七条憲法』に見える是非論争の心得
三 物として可ならざる無し
四 朝三暮四――同じ事なのに一喜一憂する愚かさ
五 類と不類と、相与(とも)に類を為す――対立者同士が同類
六 対立する両者が同類になる試み
七 結 論――まとまらないまとめ
第八章 思考抑制――忘れようとすると逆効果…………河原純一郎
一 シロクマ効果
二 二重構造の心
三 皮肉過程理論
四 どうしたらシロクマ効果を回避できるか
おわりに
第九章 学生相談に見る現代若者の悩み……………………櫻井義秀
一 日本人は悩む力をもっているのか
二 北海道大学の学生相談
三 現代人の欲求と悩み
おわりに
あとがき
執筆者紹介
上記内容は本書刊行時のものです。