書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
ゼロ戦特攻隊から刑事へ 増補新版
友への鎮魂に支えられた90年
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年7月
- 書店発売日
- 2022年7月22日
- 登録日
- 2022年6月15日
- 最終更新日
- 2022年7月21日
紹介
8月15日の8度目の特攻出撃直前に玉音放送により出撃が中止され、奇跡的に生還した少年パイロット・大舘和夫氏の〝特攻の真実〟
特攻・海軍生活ばかりではなく、戦後の警察官人生と剣道人生をもうひとつの柱として詳述。元検事と元新聞記者が緻密な聞き取り取材と裏付けを重ね、証言に忠実に構成。
✺2016年刊行の初版は、新聞・雑誌・テレビなどで大きく取り上げられ、主人公・大舘和夫氏は〝生き証人〟として評価された
✺2020年に翻訳出版された英語版“Memoirs of a KAMIKAZE”により、ニューヨーク・タイムスをはじめ各国メディアが注目
◎増補新版では
「付記 特攻の真実を考える」を新たに加えたほか、大舘氏が台湾の基地に戻る途中で遭遇した「三笠宮護衛飛行」について、初版刊行後の新たな知見を追記するなど40頁増補したほか写真も追加。
目次
増補新版刊行にあたって
初版まえがき
プロローグ
第一章 生い立ちと剣道修行
ガキ大将だった少年時代/黒田先生と剣道に出会う/先祖は南朝に殉じた新田源氏/パイロットに憧れ予科練を志願
第二章 予科練入隊と国内での訓練
十六歳の入隊、村を挙げた見送り/岩国航空隊で厳しい訓練開始/辛かった名古屋航空隊/大分航空隊で初めてゼロ戦に乗る/戦局悪化と笠ノ原基地での猛訓練/航空隊での食事や隊の雰囲気
第三章 戦地・台湾へ
新竹基地へ進出/ 戦局 マリアナ沖海戦で一航艦壊滅状態/訓練即実戦の日々/初陣は船団護衛/B24が襲来/ コラム ゼロ戦/一撃離脱方式に/滑らせる技/難しい着陸の技/機内で弁当も/桜に錨のマフラー/初の空戦は「台湾沖」
第四章 フィリピンでの戦い
クラーク・フイールド航空要塞へ/夜間爆撃にあう/レイテ総攻撃の大編隊/いつのまにか特攻の戦闘機隊に/ 戦局 捷一号作戦と特攻の始まり/南十字星の下で〝特攻志願〟/敷島隊出撃を見送る/ロープで爆弾をくくりつけ/ コラム 〝特攻志願〟の夜はいつか/タクロバン攻撃/グラマンから機銃掃射/出撃の日々/隣りの中隊長は撃墜王/ゼロ戦がなくなる/新名丈夫記者/山ごもりせよ/間一髪の脱出/ コラム 残された部隊
第五章 台湾から特攻出撃
神風特別攻撃隊 大義隊/ゼロ戦を調達しに/「三笠宮」を護衛し上海へ/翼下待機/否定も肯定もしない三笠宮様/白鞘の短刀を拝受/五百キロ爆弾は重かった/穏やかなひととき/ 戦局 沖縄戦と特攻/初めての特攻出撃/連日の爆装特攻/デッキの中で/沈黙の特攻前夜/次々と逝く同期の桜/すでに命は捧げた/沖縄玉砕後は/ホタル乱舞/八月十五日/ 戦局 大義隊の戦闘/夢にみる命令/電波技術の差で助かる?/埼玉の三羽烏/ コラム 粕谷氏追悼の碑文/ コラム 特攻戦死者と戦果
第六章 帰 国
ゼロ戦ひき渡し/台湾に残らないか/海路、鹿児島へ/大晦日、故郷へ帰る
第七章 警視庁採用への道
世の中の変化に失望/お神楽の再興で地域を元気に/警視庁からの勧誘
第八章 警察官人生
新人交番勤務は土佐犬タローと/交番勤務から新米刑事に/女子医大の寮に住む/新人警官安田講堂に拉致される/肺結核で入院/名物検視官の下で検視修行/職安法違反で暴力団退治/白バイ隊の中隊長に/住民泣かせの過積載ダンプ取締り/金庫破りの検挙/頻発した内ゲバ事件/執念の捜査で連続窃盗犯を検挙/警察官を装う広域連続詐欺事件/刑事生活に悔いなし/亡き戦友に励まされて
第九章 退官後の職業人生や戦友たちの慰霊
刑事経験が活きた暴力団対応/特攻隊のことは周りには話さなかった/白バイ隊員たちに唯一話した特攻体験/戦友たちとの交流・慰霊
第十章 私の生涯剣道
刑事人生と剣道人生/早稲田署から剣道中隊へ/猛稽古~持田先生、斎村先生に懸る/GHQの剣道禁止~警棒術を隠れ蓑に剣道稽古/小川忠太郎先生/警視庁剣道朝稽古会/退官の日から少年剣道指導
エピローグ
あとがき(大舘和夫)
鎮魂の空に―あとがきに代えて(太田 茂)
七十年間沈黙の重さを想う―あとがきに代えて(西嶋大美)
付記1 特攻の“真実”を考える
予想外の反響/特攻の全期間、常に最前線に在った/空母・戦艦攻撃専門の特攻隊があった/特攻隊員の心理を内側から描いた/特攻隊員は単なる〝犠牲者〟か/海外では十分に理解されていないカミカゼの真実/特攻を命じた側の責任回避/念願かない英語版を出版/広がり続ける英語版の反響
付記2 「三笠宮」上海行護衛飛行
護衛飛行は二月二十六日、「侍従」とは今井秋次郎侍従武官か/危険を冒して上海に行く十分な動機があった/当時進められていた日中和平工作の諸相/天皇は日中の和平を真剣に模索していた/海軍が三笠宮の上海行きを支援する動機はあった/私たちがたどり着いた推論/三笠宮へのお尋ねのお便り/謎はまだ解けない
追記 『「三笠宮」上海行護衛飛行』を再考する
真実性を確信/「三笠宮」の渡航の目的は何か/①天皇の和平の意思を伝えるためか/②繆斌工作の情報収集が目的だった?/三笠宮は周仏海と会った?/繆斌と周仏海は決裂していた/昭和天皇が繆斌工作を退けたのか?/③辻政信との連携による重慶和平工作の相談のためか?/三笠宮と辻は深い信頼関係があった/辻は一貫して蒋介石との和平を工作していた/三笠宮奉戴運動の謎/④「三笠宮」は別人だった?/謎はまだ解けない
参考文献
大舘和夫氏年譜
- 旧版ISBN
-
9784829506844
上記内容は本書刊行時のものです。