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a:9:{s:12:"shoshi_title";s:40:"『アナと雪の女王』の光と影 ";s:11:"shoshi_isbn";s:17:"978-4-8228-1417-5";s:16:"shoshi_publisher";N;s:11:"description";s:309:"世界アニメーション映画史上最高の興収を記録した『アナと雪の女王』。なぜこれほど支持されたのか? 映像研究家である著者がスタッフや技術、ディズニーの歴史など多角的な視点から分析、大ヒットの秘密を徹底検証する。";s:6:"author";s:21:"叶 精二(著/文)";s:10:"publishers";s:15:"七つ森書館";s:9:"publisher";N;s:9:"productor";s:15:"七つ森書館";s:12:"release_date";i:1415890800;}

『アナと雪の女王』の光と影

芸術 ラノベ

叶 精二(著)
発行:七つ森書館

四六判   240頁  並製
定価 1,800円+税

ISBN 978-4-8228-1417-5   C0074
在庫あり(出版社情報)

奥付の初版発行年月 2014年11月
書店発売日 2014年11月14日
登録日 2014年9月22日

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紹介

世界アニメーション映画史上最高の興行収入を記録したディズニー作品『アナと雪の女王』。
映像研究家の著者が、ここまで支持された根拠とスタッフワークを多角的に検証する。

第1部は、『アナと雪の女王』を技術・歴史・スタッフワーク・テーマ・背景・ 興行などの多角的な視点で分析。第2部は、ディズニーとピクサーの代表を兼務するジョン・ラセターとスタジオジブリの宮崎駿の出会いと交流が、日米のアニメーションに何をもたらしたかをラセター側を中心に展開する。2部構成でディズニー・ピクサー・スタジオジブリの諸作品が大衆的支持を集めた根拠の立体的解析を試みる。

目次

まえがき

第1部 『アナと雪の女王』の光と影
  序  世界記録を塗り替えたエポックメーキング的作品
 第1章 ディズニー・ミュージカルの新時代を告げる快作
 第2章 ヒロインのデザインと作画の斬新さを検証する
 第3章 ディズニー・プリンセス復活までの道程
 第4章 『雪の女王』映画化計画の推移
 第5章 アンデルセンから遠く離れて
 第6章 「ディズニー化」現象
 第7章 ソ連版『雪の女王』と宮崎駿をめぐる因縁
 第8章 『メリダとおそろしの森』との比較
 第9章 定型を崩した「考えさせない」急展開
 第10章 魔法と権力の行方
 第11章 心象で綴られた主観的な世界
 第12章 国境を越える日本型主観主義

第2部 宮崎駿とジョン・ラセター その友情と功績
  序  日本一の宮崎駿、世界一のジョン・ラセター
 第1章 米アカデミー賞・長編アニメーション賞の統計分析
 第2章 日本アカデミー賞・アニメーション映画賞の統計分析
 第3章 宮崎駿の功績
 第4章 ジョン・ラセターの功績
 第5章 ピクサーとディズニーの展望
 第6章 二人の時代

あとがき
参考文献

前書きなど

まえがき

 二十一世紀に入って十四年が経過した。この間、日本のアニメーション映画の興行は二人の人物を中心に展開されて来た。
 宮崎駿とジョン・ラセターである。
 言うまでもなく、宮崎駿はスタジオジブリを率いて幾多の名作を世に送り出し、世界の賞賛を浴びている。ラセターは、ピクサーとディズニーの双方のCCO(チーフ・クリエティブ・オフィサー)として、二社の全作品を指揮している。日本で興行収入一〇〇億円を超えた長編アニメーションは、宮崎駿監督の『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』『風立ちぬ』の五作品、ジョン・ラセター製作総指揮の『ファインディング・ニモ』『トイ・ストーリー3』『アナと雪の女王』の三作品だけである。この二人の作品は突出して支持されていると言って良い。
 特に二〇一三年から一四年の一年間は、二人をめぐる幾つもの劇的なニュースがメディアを駆け巡った。一三年夏の『風立ちぬ』と『モンスターズ・ユニバーシティ』の日本興行対決、九月の宮崎駿監督の長編アニメーション制作からの引退会見、十月のピクサーの第二スタジオ「ピクサー・カナダ」の閉鎖、一四年三月の『風立ちぬ』と『アナと雪の女王』のアカデミー賞長編アニメーション賞対決、『風立ちぬ』ソフト発売のCMへのラセター起用、アメリカを起点として日本が終着点となった『アナと雪の女王』の世界的大ヒット、スタジオジブリの制作部門凍結、九月の宮崎駿監督のアカデミー名誉賞受賞決定、『アナと雪の女王』続編制作決定、十月の東京国際映画祭へのラセター来日、十一月のアカデミー賞授賞式、十二月の『ベイマックス』日本公開と、枚挙にいとまがない。
 これらのニュースを俯瞰すると、日本のアニメーション興行が大きな節目を迎えていることが分かる。トップランナーの宮崎駿が退けば、セカンドランナーのラセター作品が繰り上がるのは必然かも知れないが、それは同時に伝統的な2Dセル・アニメーションから3D‐CGアニメーションへ王座が移動することを意味する。アメリカを筆頭として世界各国では十年前からCGの圧勝であったが、最後の砦である日本も2D作品の旗色は徐々に悪くなりつつある。今後は、2Dであれ3Dであれ、ラセター指揮の作品にどう対抗するかが、国内アニメーション興行の要となろう。
 本書は、「『アナと雪の女王』の光と影」「宮崎駿とジョン・ラセター─その友情と功績」の二つの長文原稿で構成されている。前者は、映画『アナと雪の女王』を技術・歴史・スタッフワーク・テーマ・背景・興行などの多角的な視点で分析する意図で書かれた。後者は、二人の出会いと交流が日米のアニメーションに何をもたらしたかを、主にラセター側の経緯を中心に展開したものである。それぞれ、連載や寄稿などで記された各原稿を大幅に加筆・改稿して再構成した。元は別の意図で書かれたものだが、この機会に一冊にまとめさせてもらった。二つの原稿から、別の視点で各作品が絶大な大衆的支持を集めた根拠があぶり出されていれば、立体的な解析が成立するかも知れないと目算を立てたからだ。結果として、筆者自身がこれまで断片的にしか捉えられていなかったディズニーとピクサーの歴史や人の流れを概括する内容となっていると思う。
 本書が、日米で支持を集めるアニメーション作品群の知られざる魅力や新たな価値を少しでも発掘出来ていれば幸いである。

著者プロフィール

叶 精二(カノウ セイジ)

映像研究家。早稲田大学・亜細亜大学・東京工学院講師。高畑勲・宮崎駿作品研究所代表。著書に『日本のアニメーションを築いた人々』(若草書房)、『宮崎駿全書』(フィルムアート社)、共著に『王と鳥 スタジオジブリの原点』(大月書店)など。

上記内容は本書刊行時のものです。