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誰も知らないタヒチ
南太平洋の楽園 ポリネシアの旅
- 初版年月日
- 2011年12月
- 書店発売日
- 2011年12月25日
- 登録日
- 2011年12月22日
- 最終更新日
- 2011年12月22日
紹介
タヒチの自然を感じ、自然を楽しむフォトエッセイ。
1970年代からハワイに暮らし、音楽や写真、エッセイを通じてハワイ&ポリネシアン・カルチャーを紹介してきた著者が、オーガニックな南の島の生き様、自然をナビゲート。
ヒナノビールを片手に、怪しげなまでに美しいサンセットを眺める贅沢。一度は行ってみたい天国の楽園に浸るひととき。定番の観光コースでは味わえないタヒチの旅。
目次
第1章 朝の風、始まりの風……タヒチ。
初めてのタヒチ
ジョージ・ルークとの出会い
シゲトミファミリーの謎
モオレアビラージュ
ヘイバ/タヒチアンパレオ
HA481便─HA482便
ローヤルタヒチアンホテル
バロン イン タヒチ
カヌーのある暮らし
第2章 ゆるやかな海の呼吸……タヒチ。
ライアテア島の森
マダガスカル島との繋がり
ローカルパーティー
ミリ ザ ティーファイファイ
ゴーギャンの気持ち
水平移動の流れ星
タタウ
タヒチアンシャツ
ランギロア島のスキニー・ディップ
第3章 島からの贈り物……タヒチ。
ドクターSHINOTO
ボラボラ島での午後のひととき
幻のマイアウ島
ティアレモノイ
ジョエル ザ セイラーマン
コールドシャワー
パパラのチベット仏教寺院
タプタプアテア
パペエテの夜のボス
電気のない暮らし
ココナッツカルチャー
前書きなど
初めてのタヒチ
誰もがタヒチを思い浮かべるとき、それは透き通るブルーラグーン、小麦色に日焼けした肌に色鮮やかなタヒチアンプリント模様のパレオを巻いてしなやかに浜を歩くタヒチアンバヒネ、激しいリズムに乗って踊るタヒチアンダンス、緑に覆われた槍のように切り立つ山々、何処か遠く南太平洋の彼方の楽園の島々へ一生に一度は行ってみたいと憧れる。
……土曜日の夕方5時20分過ぎ、ホノルル発ハワイアンエアーパペエテ行きは予定通り離陸した。まだ見ぬ初めての南太平洋に浮かぶタヒチの島々への想いは頭の中をぐるぐると廻り気がつけば、もうパペエテのファアアエアーポートに到着した。移民局、税関を通って外へ出てタクシーでインターコンチネンタルホテルへ移動した。部屋に入った私は、ティアレの花の香りが漂う薄暗いガーデンを横目に静かな波の音を聞きながら、心地よい眠りに吸いこまれていった。夜が明けるかなり前に目が覚めた窓から見える空が薄らと夜明けの兆しを見せ始めた。私はすかさず庭に出て、まだひんやりとした朝の空気の中をゆっくりと海に向かって歩き始めた。
やがて夜明けの柔らかい光を受けて水平線から浮かび上がるように島が見えてきた。そうだあれが今日これから行くモオレア島なんだとわかると、朝一番のフェリーで島へ渡ろうと決めた。
パペエテの港に着くと、そこは朝日に当たる原色の世界が広がっていた。バナナやパイナップルをむき出しに持っている人、全身タタウで覆われている年配のタヒチアン、ラウハラで編まれたかごを普通に使っている人たち、誰もが陽気な港のフェリーの乗り降りに直面して、その初めての光景に目を見張った。そこにはアメリカ化されてしまったハワイにはもう見られないポリネシアンの源流が私の目の前で流れていたのだった。私は自分の故郷に帰ってきたかのような錯覚を味わっていた。20分ほどのフェリーライドでいよいよモオレア島へ到着だ。
上記内容は本書刊行時のものです。