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a:9:{s:12:"shoshi_title";s:64:"資料集 日本軍「慰安婦」問題と「国民基金」 ";s:11:"shoshi_isbn";s:17:"978-4-8166-1311-1";s:16:"shoshi_publisher";N;s:11:"description";s:1248:"一九九〇年、日本軍「慰安婦」(性奴隷制)問題が、韓国の梨花女子大学校教 授によって提起され、韓国挺身隊問題対策協議会が結成された。 日本の市民運動もこれに呼応し、日韓の女性連帯運動が開始される。 日本政府は、文書がないことを理由に、「慰安婦」問題に日本軍も政府も関与 してこなかったと主張してきた。しかし問題解決を迫る勢いが国内外で強まり政 府としても何らかの措置を講じる必要が生じた。 このため、つくられたのが女性のためのアジア平和国民基金(略称「国民基金」 のち「アジア女性基金」)であった。日本国民から「募金」を集め、それを「償い金」 として、被害者に配り、金銭的に解決しようとした。基金運営費・広告費などは、 国庫から支出するというわかりにくい政策であった。 本書は、この「国民基金」を次善の策と考え一定の評価を与え、これをもって 解決とする多くの人びとに対して、これでは真の解決策にはならないことを資料 的に跡づけようとしたものである。";s:6:"author";s:24:"鈴木 裕子(著/文)";s:10:"publishers";s:12:"梨の木舎";s:9:"publisher";N;s:9:"productor";s:12:"梨の木舎";s:12:"release_date";i:1386601200;}

資料集 日本軍「慰安婦」問題と「国民基金」

歴史・地理 ラノベ

鈴木 裕子(編・解説)
発行:梨の木舎

A5判   424頁  上製
定価 4,800円+税

ISBN 978-4-8166-1311-1   C0021
在庫あり(出版社情報)

奥付の初版発行年月 2013年12月
書店発売日 2013年12月10日
登録日 2014年1月27日

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紹介

一九九〇年、日本軍「慰安婦」(性奴隷制)問題が、韓国の梨花女子大学校教
授によって提起され、韓国挺身隊問題対策協議会が結成された。
日本の市民運動もこれに呼応し、日韓の女性連帯運動が開始される。

日本政府は、文書がないことを理由に、「慰安婦」問題に日本軍も政府も関与
してこなかったと主張してきた。しかし問題解決を迫る勢いが国内外で強まり政
府としても何らかの措置を講じる必要が生じた。
このため、つくられたのが女性のためのアジア平和国民基金(略称「国民基金」
のち「アジア女性基金」)であった。日本国民から「募金」を集め、それを「償い金」
として、被害者に配り、金銭的に解決しようとした。基金運営費・広告費などは、
国庫から支出するというわかりにくい政策であった。

本書は、この「国民基金」を次善の策と考え一定の評価を与え、これをもって
解決とする多くの人びとに対して、これでは真の解決策にはならないことを資料
的に跡づけようとしたものである。

目次

資料集 目次
第1部 日本軍「慰安婦」問題と「国民基金」解説編 17
第2部 日本軍『慰安婦」問題と「国民基金」資料編 91
一 「補償に代わる措置」と「責任者処罰」の提起 92
 1 第二回日本軍強制「従軍慰安婦」問題アジア連帯会議と「責任者処罰」の提起 92
 2 東京地方検察庁への告訴・告発状の提出・不受理 94

二 「民間支援募金」構想から「国民基金」へ 134
 1 「民間支援募金」構想から「見舞金」構想へ 134
 2 「見舞金基金」=「民間基金」構想への反対とPCA運動の開始 153
 3 「民間基金」反対運動の広がりとICJ国際セミナー 170
 4 「国民基金」の発足と「女性のためのアジア平和国民基金」反対!国際会議 209
 5 クマラスワミ勧告と「国民基金」の強行支給 274
 6 日本軍「慰安婦」問題の正しい解決のための市民連帯の発足 329

三 許すな!「国民基金」・緊急国際集会から第5回アジア連帯会議へ 349
 1 韓国・台湾での「償い金」強行支給策動と「許すな!『国民基金』緊急国際集会」開催 
 2 〈再びの凌辱〉を許すな 許すな!「国民基金」・緊急国際集会 384
 3 第5回アジア連帯会議と責任者処罰、女性国際戦犯法廷へ 416

資料集 あとがき

前書きなど

あとがき
 1990年、日本軍「慰安婦」(性奴隷制)問題は韓国で、当時梨花女子大学校教授尹貞玉氏によって、社会的に提起・公論化され、韓国教会女性連合会、韓国女性団体連合による「慰安婦」問題解決のための女性団体、韓国挺身隊問題対策協議会が結成(1990年11月16日)された。ようやく女性の人権問題としての認識が広がっていった。
 日本においても、これに呼応する動きがはじまり、日韓の女性連帯運動が開始される。当初、日本政府は、文書がないことを理由に、「慰安婦」問題に日本軍も政府も関与してこなかったと主張。また「補償」問題は、サンフランシスコ条約や二か国間条約・協定などで法的に解決済みとの姿勢をとり、いまだにそれに固執している。
 しかし、問題解決を目指す勢いが年々国内外で強まり、日本政府としても、何等かの措置を講じる必要ができた。が、従来の主張を覆さず(要するに国家としての責任は認めない、天皇の軍隊としての「皇軍」の責任は認めない、国家犯罪としても認めない)、このため、日本国民から「募金」を集め、それを「償い金」と称して、被害者に配り、金銭的に解決することで切りぬけようとしてできた方策が、女性のためのアジア平和国民基金(略称「国民基金」のち「アジア女性基金」)であった。基金運営費・広告費などは、国庫から支出するというまことに不明朗なわかりにくい政策であった。
 本書は、この「国民基金」を次善の策と考え、一定の評価を与え、これをもって解決とする多くの人びとに対して、これでは真の解決策にはならないことを資料的に跡づけようとしたものである。
 事実、基金政策が失敗したことは、今日もなお「慰安婦」問題が国内外で追及されていることで証明されている。また基金の牽引車ともいうべき和田春樹氏も最近の論稿のなかで、自ら失敗を認めておられる(本書「解説編」参照)。
「基金」は、相対的に進歩的、韓国の民主化運動に寄与した人びと、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国交正常化に努めてきた人も参加していて、その点でも基金の「わかりにくさ」がある。
 わたくしは、一九九〇年、この運動が開始されて以降、微力ながら問題解決に関わってきた。幸い、韓国で問題を公論化する機会をつくられた尹貞玉先生と一九九〇年三月韓国でお会いして以来、親しくその謦咳に接することができた。
 尹貞玉先生を通し、被害者ハルモニや、挺対協の運動についても知る機会を得た。「国民基金」政策が、仮に善意から出発しているにしても、それは決して解決策にはならないことも強く感じていた。日本で、韓国、台湾・台北市婦女救援福利社会事業基金会などの反対運動と連携し、基金が発足したあと、結成されたのが、PCA連絡会(国際仲裁裁判を成功させ、個人賠償を実現させる連絡会)や、つぶせ!「国民基金」実行員会で、仲間とともに発足させ、日本国内で、基金に反対する運動を続けてきた。そのなかにはすでに鬼籍に入っている人もいる。
 本書に収めた資料は、わたくしが入手した資料の一部に過ぎないが、この問題を扱った本がまったく出ていないなかで、出版する意義は大きいと痛感させられていた。幸い歌人の深山あきさんが製作助成金を出資してくださり上梓の運びにいたった。
 二〇〇八年に計画を立ててからすでに五年が経過し、大変遅れたことを深山さんにはお詫びするとともに心から感謝する次第である。また尹貞玉先生にも何かにつけ、貴重なアドバイスを受け、ともに深謝したい。
 梨の木舎の羽田ゆみ子さん、DTPの石山和雄さんにも大変手を煩わせることになり、あわせて感謝する。なお、尹貞玉先生の著書で、わたくしが編集解説注釈をした『平和を希求して―「慰安婦」被害者の尊厳回復へのあゆみ』を出版した白澤社の吉田朋子さんにも感謝する。
 本書においては、明らかな誤記・誤植等は正し、表題のないものや分かりにくいタイトルは、亀甲かっこで補完したり、新たに付したものがある。なお縦組みと横組みが両方収録されているため、読みにくい点があると思われるが、了とされたら幸いである。
 本書が、「慰安婦」問題の解決の一助に繋がれば望外の喜びである。

2013年9月21日 尹貞玉先生満八八歳のお誕生日の日に。
鈴木裕子

著者プロフィール

鈴木 裕子(スズキユウコ)

1949年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程日本史学専攻終了。現在同大学ジェンダー研究所招聘研究員。

上記内容は本書刊行時のものです。