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人種戦争という寓話 廣部 泉(著) - 名古屋大学出版会
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【利用不可】

人種戦争という寓話 (ジンシュセンソウトイウグウワ) 黄禍論とアジア主義 (オウカロントアジアシュギ)

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A5判
296ページ
上製
定価 5,400円+税
ISBN
978-4-8158-0858-7   COPY
ISBN 13
9784815808587   COPY
ISBN 10h
4-8158-0858-9   COPY
ISBN 10
4815808589   COPY
出版者記号
8158   COPY
Cコード
C3031  
3:専門 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年1月1日
書店発売日
登録日
2016年12月14日
最終更新日
2016年12月27日
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書評掲載情報

2017-03-05 読売新聞
評者: 奈良岡聰智(政治史学者、京都大学教授)
2017-02-26 産經新聞  朝刊
評者: 橋本順光(大阪大学准教授)
2017-01-22 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 平川祐弘(東京大学名誉教授)
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紹介

欧州発のアジア連合脅威論は、西海岸に押し寄せる移民への視線と結びつき、アメリカを 「黄禍」 の不安に陥れた。ジャーナリズムを介して増幅していく人種主義的言説は、鏡像たるアジア主義と作用し合い、日米関係にいかなる影響を及ぼしたのか。丹念な資料調査により描き出した力作。

目次

序 章

第1章 日清戦争と日露戦争 ―― 日本脅威論の形成
     はじめに / ピアソンの予測 / ヴィルヘルム2世とトゥル将軍 / 近衛篤麿の同人種
     同盟論 / 日露戦争前夜 / 日露戦争 / 日本側の困惑 / 続く黄禍論 / 西海岸
     への移民が刺激した想像力 / 止まない日本脅威論 / 相互作用 / おわりに

第2章 第一次世界大戦とパリ講和会議 ―― 人種平等条項の挫折
     はじめに / 第一次世界大戦と日本の対中要求 / 西原借款 / アジア主義関連出
     版物の反響 / 第一次世界大戦の終結 / 「英米本位の平和主義を排す」 / パリ講
     和会議での人種差別撤廃要求 / 世界各地の反応 / 日本のアジア主義の海外進
     出と米英の警戒 / アメリカにおける人種主義の展開 / バクーでの東洋諸民族大会
     / ゆれるイギリス側の評価 / ワシントン海軍軍縮会議 / おわりに

第3章 排日移民法と全亜細亜民族会議 ―― 黄禍論とアジア主義の鏡像関係
     はじめに / 排日移民法案通過 / 孫文の大アジア主義演説 / 移民法とアジア主義
     に対する異なった見方 / 全亜細亜協会 / 汎ヨーロッパ主義 / 太平洋問題調査会 /
     もう1つの汎アジア主義 / 第2回全亜細亜民族会議 / 状況の改善と鬱積する不満 /
     おわりに

第4章 満洲事変から盧溝橋事件前夜まで ―― 盛り上がるアジア主義運動
     はじめに / 満洲事変の勃発 / 汎アジア主義的発言相次ぐ / 大亜細亜協会の起源
     / 連盟脱退と大亜細亜協会の設立 / 中国の懸念 / 広東や新京での動き / 専門
     家たちの見解 / アジア民族青年代表大会 / オランダが抱いた恐怖 / 第3回全亜細
     亜民族会議 / 世界の反応 / 天羽声明 / 日本の領土的野心と西洋の威信 / 継続
     するオランダの懸念 / 英国外務省筋からの警告 / 中国人の懸念とアメリカ人の反応
     / アジア主義の沈静化 / 限られた悲観論 / おわりに

第5章 日中戦争という矛盾 ―― 日本の対外政策へのアジア主義の侵入
     はじめに / 日中共栄の後退とアジア・モンロー主義の現実化 / 続く植民地主義批判
     / 田中上奏文の亡霊 / 天津租界封鎖と反英運動の昂揚 / 被害者としての認識 /
     蘭印への野心 / 『我が闘争』 / 「日満支」 三国の提携とアジア主義の完成 / 南部
     仏印進駐から真珠湾攻撃へ / おわりに

第6章 真珠湾攻撃の衝撃 ―― 米国の戦争政策への人種主義の関与
     はじめに / 欧米人の驚き / 日系人強制収容 / 白人の威信 / 「アジアの守護者」
     / 英国の中国軽視とアメリカ / 白人の懸念 / 中国寝返りの懸念 / 戦後構想と東
     西文明対立的発想 / 英国の無関心と米国の苛立ち / 排華移民法修正 / 大東亜
     会議とカイロ会談 / 戦後の中国に対する懸念 / 大東亜各国大使会議 / おわりに

終 章

著者プロフィール

廣部 泉  (ヒロベ イズミ)  (

1965年 福井県に生まれる
1989年 東京大学教養学部卒業
1995年 ハーバード大学大学院博士課程修了
    名古屋大学大学院環境学研究科助教授などを経て、
現 在 明治大学政治経済学部教授、Ph.D.(歴史学、ハーバード大学) 

上記内容は本書刊行時のものです。