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埋もれた都の防災学
都市と地盤災害の2000年
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年9月1日
- 書店発売日
- 2016年9月9日
- 登録日
- 2016年7月14日
- 最終更新日
- 2016年9月6日
書評掲載情報
2017-02-19 | 毎日新聞 朝刊 |
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紹介
半分だけ倒壊したコロッセオ,大阪城の堀跡に生じた凹み,年々高さを増す天井川……。これらはいずれも,“やり過ぎてしまった”開発に対する自然からの反撃である。地下に埋もれた災害の痕跡は,人々がその地で自然と対峙してきた歴史を伝え,現代に続く災害リスクを教えてくれる。私達の暮らす町の下には,どのような歴史が眠っているのだろうか? 地盤災害と人間の関係を探る防災考古学への招待。
目次
はじめに―過去から照射する未来
第1章……ローマも一日にしてならず―都市と災害の歴史
永遠にして災害の都
コロッセオのある限り
世界史を揺るがした地震
古代のツインタワー
ローマの地下世界
古代のゴミ山
二〇〇〇年前の震災復興
コラム1 「タルペイアの崖」の地層
コラム2 リスボン地震の災後
第2章……古墳は語る―科学と考古学の間
巨大内陸地震の爪痕
大王の墳墓と地すべり―今城塚古墳
古代航路のランドマーク―西求女塚古墳
プレート地震の感震器
王家の谷の古墳―カヅマヤマ古墳
宅地開発に揺れる古墳―赤土山古墳
コラム3 近畿トライアングル
第3章……水底の証言者
千軒遺跡
御厨の地すべり
湖底に向かう地すべり/湖岸地すべりのメカニズム
フロイスが報告した地すべり
湖底地形が語るもの/複数の地すべり
江戸時代の湖底遺跡
現代のウォーターフロントで
コラム4 海底に残る関東大震災の痕跡
第4章……山崩れと人生
山の木を刈るということ―タブーと防災
石庭の砂の山地
山の成り立ち/山崩れの副産物
開発の始まり
山中の遺跡/埋没黒色土壌
一二世紀の大震災
離宮の谷
マツとはげ山
京マツタケの始まり/花粉は語る
山の寺と土石流
科学の時間と生活の時間/堆積物が語る谷の歴史
崩壊の免疫性/中世の宗教都市
現代の山麓で
コラム5 ヨーロッパの大開墾時代
第5章……天井川時代
天井川はどうしてできたのか
天井川以前―木津川河床遺跡の世界
天井川の基底
南山城、北河内の天井川/多羅尾盆地
周防国府周辺の開発と天井川/天井川の始まり
中世社会と天井川
高まる開発圧力/中世を分かつもの
近世の天井川と周辺地域の洪水
浮世絵に描かれた天井川/食料増産時代の天井川/埋まる古墳
埋まる太閤堤/洪水は止まらない/土砂留制度
近代化の中の天井川
天井川トンネル/近代砂防事業の始まり
鉱毒と天井川/茶畑が作った天井川
現代の天井川
戦中の森林荒廃と戦後の復興/極端気象の時代
コラム6 東南アジアの洪水と森林伐採
第6章……埋もれた近世都市
埋もれた大阪
大阪の成り立ち/埋もれた谷筋/埋もれた崖
大阪城の外堀/近世大阪の産業遺構
秀吉の京都
総構の時代/御土居堀/聚楽第
第7章……埋もれた都の近現代
都市型斜面災害の出現
土地制度が防いでいた災害/欲が招いた崖崩れ
都市における斜面災害の始まり
埋もれた郊外
消えゆく山林/消えゆく里山/宅地の地すべり
おわりに
基礎知識1 地震の痕跡
基礎知識2 地すべり地形
基礎知識3 液状化現象
基礎知識4 年代測定法
基礎知識5 洪水・堆積物
基礎知識6 表面波探査法
上記内容は本書刊行時のものです。