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パリに吹くBoboの風 福井 聡(著) - 第三書館
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パリに吹くBoboの風 (パリニフクボボノカゼ) 「豊かな左派」のフランス政治 (ユタカナサハノフランスセイジ)

社会一般
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発行:第三書館
四六判
310ページ
上製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-8074-1020-0   COPY
ISBN 13
9784807410200   COPY
ISBN 10h
4-8074-1020-2   COPY
ISBN 10
4807410202   COPY
出版者記号
8074   COPY
Cコード
C0031  
0:一般 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2010年6月
書店発売日
登録日
2010年5月27日
最終更新日
2012年6月18日
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紹介

2009年まで毎日新聞パリ支局長を務めた著者が、フランスの現代的な政治風土を「ボボ」と呼ばれる“豊かな左派”の視点から読み解く。

目次

まえがき 1
第一章 フランス社会と移民系
 郊外暴動勃発 11
 「移民系」とは 16
 左右政権で貧富の差 21
 「宗教・民族問わず」の理念 26
 グループ歩行禁止令 28
 アラブ側からみたフランス社会 32
 不法移民問題 36
 ドーバー・エクスプレス 39

第二章 エリート主義
 大学生のデモ 47
 中流層の反乱 50
 仏版「格差社会」 55
 平等幻想の矛盾 65
 労働倫理の違い 68
 助手との契約 72
 CPE撤回 75

第三章 大統領選挙
 ロワイヤル旋風 79
 豪腕サルコジ氏 84
 ロワイヤル氏指名 87
 「バイル氏触媒役」の構図 91
 右傾化鮮明に 97
 左派の退潮 99
 サルコジ社会党分断策 104
 企業家とのコネ 106
 大統領の離婚・再婚劇 110
 ブリング・ブリング大統領 116
 ロワイヤル氏も別離 117

第四章 ボボたち
 ドラノエ再選とボボ 121
 ボボの実像 125
 ボボたちのパリ 131
 パリの住宅事情 138
 「偽善的」との批判 144
 ドラノエ人気衰退 149

第五章 権力集中の構図
 国家への厚い信頼 155
 大きな政府 162
 公務員天国 165
 なぜ左派が強いのか 169
 原発依存 175
 原発事故 179
 核実験被爆者 186
 仏政府一括認定拒否 188
 サルコジ氏のメディア支配 192
 ルモンド財政攻防 195
 レゼコー売却問題 201
 仏政治家のプライバシー 208
 プライバシー保護法 210
 仏メディアの再生策 213
 記者志望者の苦境 222

第六章 多様性への配慮
 判決まで被疑者は無罪 227
 時効停止 231
 欧州最高の出生率 234
 仏独共通教科書 236
 フランス人と中国人 241
 「金正日を治療した」医師 244
 GM作物への抵抗 247
 ピレネーヒグマ論争 255
 ブライユ生誕二百年 263

第七章 フランスと日本
 日本ブーム 271
 ミシュランガイド 278
 シラク氏秘密口座疑惑 281
 サルコジ政権の対日観 288
 「日本はなぜ核武装しないのか?」 292
 「日本は核武装できない」 298

あとがき 302

前書きなど

 2007年春の統一地方選でパリのドラノエ市長が再選された時、支持層の中に「ボボ」(ブルジョワ・ボエーム=Bourgeois Boheme=の略称)と呼ばれる人々がいると話題になった。00年ごろからパリやリヨンやボルドーなど都市部に現れた「豊かな左派支持者」だった。豊かだが従来の中産層住宅地でなく、パリなら東部バスチーユ広場周辺や北部モンマルトルなど労働者層が多く、古くからの商店街の続く下町に住み、ボヘミアン的生活を楽しみ、選挙では左派に投じる。文化や環境に強い関心を示し、海外にも目を向ける。ただし、(ここがポイントなのだが)彼らは安定した生活を享受した上で(フランス社会はかなりの就職難のため、高給取りのブルジョワでなくとも、公務員や教師ら職に就いた人はボボとなり得る)環境問題や平等意識を論じ、市場主義経済を批判する。そして誰も自身が(ブルジョワだと認めたくなく)ボボだと言わない。
 市場経済の恩恵を受けつつ市場経済を批判する文化人は東京にもいる。吉祥寺や下北沢はさしずめ東京のボボのメッカだろう。ただ、フランス、中でもパリは左派支持層の比率が高く、彼らの好む古い街並みが数多く残っている。都市住民は一定収入を得なければ暮らして行けず、ボボたちの抱える矛盾はある意味で自然ともいえ、彼らの生息地域は予想以上に広いのかも知れない。ボボたちの実態や考えを追うことがパリという街を読み解く鍵にも思われた。本書ではボボを生みだして来たパリやフランス社会の現在を探ってみたい。

版元から一言

直訳すると「金持ちのボヘミアン(自由人)」との意味になる「ボボ」の視点からパリ、そしてフランスを読み解いた書。著者の福井さんは、毎日新聞の記者として中欧、アフリカを渡り歩いた経験をもつだけに、その筆致は理性的かつ鋭い。

著者プロフィール

福井 聡  (フクイ サトシ)  (

1954年名古屋市生まれ。80年毎日新聞入社。甲府支局、東京社会部、外信部、90-93年アフリカ特派員ハラレ支局長、93-95同ヨハネスブルク支局長、99-2003年ウィーン支局長、05-09年パリ支局長、09年4月から英字紙「毎日デイリーニューズ」編集長。著作『南アフリカ 白人帝国の終焉』(第三書館)、『アフリカの底流を読む』(ちくま新書)。

上記内容は本書刊行時のものです。