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土・牛・微生物 デイビッド・モントゴメリー(著/文) - 築地書館
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土・牛・微生物 (ツチウシビセイブツ) 文明の衰退を食い止める土の話 (ブンメイノスイタイヲクイトメルツチノハナシ)

自然科学
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発行:築地書館
四六判
352ページ
定価 2,700円+税
ISBN
978-4-8067-1567-2   COPY
ISBN 13
9784806715672   COPY
ISBN 10h
4-8067-1567-0   COPY
ISBN 10
4806715670   COPY
出版者記号
8067   COPY
Cコード
C0061  
0:一般 0:単行本 61:農林業
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年6月14日
最終更新日
2018年8月11日
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書評掲載情報

2018-10-21 毎日新聞  朝刊
評者: 中村桂子(JT生命誌研究館館長)
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紹介

土は微生物と植物の根が耕していた――
文明の象徴である犂やトラクターを手放し、微生物とともに世界を耕す、
土の健康と新しい農業をめぐる物語。

足元の土と微生物をどのように扱えば、
世界中の農業が持続可能で、農民が富み、温暖化対策になるのか。
アフリカやアメリカで行なわれている不耕起栽培や輪作・混作、有畜農業から、
アジアの保全型農業、日本のボカシまで、
篤農家や研究者の先進的な取り組みを世界各地で取材。
古代ローマに始まる農耕の歴史をひもときながら、
世界から飢饉をなくせる、輝かしい未来を語る。
深刻な食糧問題、環境問題を正面から扱いながら、希望に満ちた展望を持てる希有な本。

ベストセラー『土と内臓』『土の文明史』に続く、土の再生論。

目次

序章

第1章 肥沃な廃墟――人はいかにして土を失ったのか?
人類最悪の発明――犂
自然と働く道
新たな革命――土壌の健康を求める農法

第2章 現代農業の神話――有機物と微生物から考える
神話の真実――化学製品は世界を養うか?
遺伝子組み換え作物が招いたいたちごっこ

第3章 地下経済の根っこ――腐植と微生物が植物を育てる
回帰の原則――菌根菌の役割に気づいた農学者
土の中の生命――根の回りで起きていること
微生物がにぎわう健康な土

第4章 最古の問題――土壌侵食との戦い
高いコストと衰えゆく土
土壌有機物はなぜ半減したのか?
くり返す土壌喪失――古代ギリシャと新大陸
土が文明を左右する

第5章 文明の象徴を手放すとき――不耕起と有機の融合
新たな道――環境保全型農業の三原則
ダスト・ボウルへの道――犂がもたらした大砂嵐
誰もが無料で採用できる解決策
零細農家を救った被覆植物
普遍的で単純な土壌管理の原則
深く根を張る作物を求めて
新しい多年生作物

第6章 緑の肥料――被覆作物で土壌回復
実物大の実験農場
雑草が生える余地をなくす方法
自給自足の肥料
輪作で害虫管理
ハイテク不耕起農業
農業システムを改善するための単純な原則

第7章 解決策の構築――アフリカの不耕起伝道師
自給農家向け不耕起センター
ミスター・マルチ
農民たちの日曜学校
渇水から作物を守る
森の土壌を再現する
食糧ジャングルの生産力
金は食べられない
土地の特徴を生かす研究

第8章 有機農業のジレンマ――何が普及を阻むのか?
有機不耕起農法は可能か?
有機農法のメリット――経済・環境・土の健康
「有機っぽい」農業のススメ
「農業はなくてはならない」
菌根菌と土壌団粒――グロマリンのはたらき
再生可能な農法へ

第9章 過放牧神話の真実――ウシと土壌の健康
4種の畑
よりよいやり方
低コストの再生可能農業
雑草をベーコンに――有畜農業
水の浸透と混作の関係
過放牧の効果
ウシが温暖化を食い止める

第10章 見えない家畜の群れ――土壌微生物を利用する
微生物を生かすバイオ炭
コンポストティー
コーヒー農家を変えた微生物接種
さび病と土壌微生物
食べ物の森――経済と生物への恩恵
バイオ炭に棲む地下の家畜
希望の光

第11章 炭素を増やす農業――表土を「作る」
炭素を土中へ
根菜が高める土壌栄養素
農場破産の原因
成功の鍵は多様性
世界が注目する農場
庭に見る土壌の回復

第12章 閉じられる円環――アジアの農業に学ぶ
排泄物を肥料に
バイオソリッド――現代の栄養循環
都市農業を活性化させる
終わりのない再生
 
第13章 第五の革命
生物多様性と持続可能な農業
農法転換の鍵
土を取り戻す新しい哲学

謝辞/訳者あとがき/参考文献/索引

著者プロフィール

デイビッド・モントゴメリー  (デイビッドモントゴメリー)  (著/文

ワシントン大学地形学教授。
地形の発達、および地質学的プロセスが生態系と人間社会に及ぼす影響の研究で、
国際的に認められた地質学者である。
天才賞と呼ばれるマッカーサーフェローに2008 年に選ばれる。
ポピュラーサイエンス関連でKing of Fish: The Thousand ─ year Run of Salmon(未訳2003 年)、
『土の文明史─ローマ帝国、マヤ文明を滅ぼし、米国、中国を衰退させる土の話』(築地書館 2010 年)、
『土と内臓─微生物がつくる世界』(アン・ビクレーと共著 築地書館 2016 年)、
『岩は嘘をつかない─地質学が読み解くノアの洪水と地球の歴史』(白揚社 2015 年)の3冊の著作がある。
また、ダム撤去を追った『ダムネーション』(2014 年)などのドキュメンタリー映画ほか、
テレビ、ラジオ番組にも出演している。
執筆と研究以外の時間は、バンド「ビッグ・ダート」でギターを担当する。

片岡 夏実  (カタオカ ナツミ)  (翻訳

1964 年神奈川県生まれ。
主な訳書に、デイビッド・モントゴメリー『土の文明史』、
トーマス・D・シーリー『ミツバチの会議』、
デイビッド・ウォルトナー= テーブズ『排泄物と文明』、
スティーブン・R・パルンビ+アンソニー・R・パルンビ『海の極限生物』(以上、築地書館)、
ジュリアン・クリブ『90 億人の食糧問題』、
セス・フレッチャー『瓶詰めのエネルギー』(以上、シーエムシー出版)など。

上記内容は本書刊行時のものです。