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出版者情報
スイス林業と日本の森林
近自然森づくり
- 書店発売日
- 2017年7月13日
- 登録日
- 2017年7月5日
- 最終更新日
- 2017年7月5日
紹介
氷河に削られた痩せた国土、急峻な山国のスイスで、豊かな林業が成立しているのはなぜか。
徹底して「自然」を学び、地域社会にとっての森林価値を最大限に上げる「近自然森づくり」を進めるべく、一斉人工林から針広混交林へと移行したスイス林業。その担い手を毎年日本の森に招き、その取り組みを地域の森林で活かそうと奮闘を続ける日本の林業者たち。
両者を長年取材してきた著者が、日本の森林と林業の目指す姿を探る。
目次
はじめに 木を使うこと、森をつくること
1 木を使う暮らし
2 木を使っても森づくりにつながらない
3 森の三方よし──近自然森づくり
4 社会の基盤となっている「近自然」の考え方
序章 森と人の豊かな関係を求めて
1 雑木林のような家を建てる
2 「使うが鍵」のジレンマ
3 針葉樹も広葉樹も育てる国、スイス
4 「どちらか」ではなく「どちらも」へ
1章 近自然森づくりの考え方
1 太陽と森と近自然
2 光の調整
3 「自然」と「コスト」の関係
4 「森林のプロ」への道
5 理想像から目標、そして手段へ
6 変化は小さく
7 観察! 観察! 観察!
8 収穫がそのまま「手入れ」に
2章 森の見方
1 現在──あなたは誰?
2 過去──どこから来たの?
3 未来と目標──どこへ行くの?
4 目標へのたどり着き方
5 育成木を決める
6 育成木のライバルとサポーター
7 下僕と呼ばれる大事な木々
3章 ロルフのワークショップ
1 フォレスターの対応力
2 虚心坦懐に森を見る
3 育成木とその周辺
4 目の前の森を生かす
4章 環境と経済が両立する仕組み
1 4つのポイント
2 森林管理と森林経営
3 木の成長量分で木材生産
4 森林をめぐる法律
5章 森の仕事と教育
1 それぞれの役割
2 全体を俯観する
6章 日本の針葉樹人工林での近自然森づくり
1 ゼロか100かではなく
2 現行制度の中でできること
3 観察しながら変化を促す
4 近自然で若木の手入れ
5 過去に学ぶ
6 山の都合と人の都合
7 鍵を握る現場の理解者
7章 広葉樹が主役の地域で
1 豪雪地帯で──利賀
2 地域の森の豊かさを生かす
3 人材育成の一歩
4 「環境林業先進地」をめざして
5 広葉樹の木材生産
6 匠の里──飛騨
7 森と街からのアプローチ
8 広葉樹でまちづくりを
8章 まかれる種
1 「いい山」にするために
2 自治体にも変化の兆し
3 現場で学ぶ体制づくり
4 実習で変わる高校生
5 自分たちも自然の一部
6 つながる、つなげる視点
9章 地域に根ざす人
1 地域の中の森林
2 日本版現場フォレスターをめざして
3 枠組みの転換
4 森林管理への一本道
5 集落全体の中での管理
終章 「気持ちいい」森で生き延びる
1 新しい価値観
2 林業を誇りに
3 「やらない選択」もあり
4 「考え方」のトレーニング
5 少しずつ試すところから
おわりに
上記内容は本書刊行時のものです。