書店員向け情報 HELP
出版者情報
自己愛性パーソナリティ障害
- 初版年月日
- 2018年8月31日
- 書店発売日
- 2018年8月6日
- 登録日
- 2018年7月10日
- 最終更新日
- 2018年7月10日
紹介
うつ病・適応障害・不登校・摂食障害・脅迫神経症……これらの病気の陰には、もしかして自己愛の問題が?今増加の一途をたどるこの障害の特徴、構造から治療の実際、自分で自分を変えていくヒントまでを図解でわかりやすく解説
目次
はじめに
Part1 自尊心の病 傷つきやすく、本当の自分を好きになれない
障害による現象
DV、強迫性障害、引きこもり……自尊心がさまざまな現象を引き起こす
障害の特性
一見、うぬぼれが強いと思われるが、本人は自分を好きになれない
障害特有の考え方
傷ついた自尊心が痛まないように行動するのが最優先事項になる
挫折のときの徴候
自尊心が損なわれると「怒り」「落ち込み」「現実からの撤退」が起こる
障害の原因
正常な自己愛を獲得しそこねた。自分では障害の存在に気づけない
障害の発覚
本人か相手、どちらかが苦しんでいるときに「障害」になる
障害の現状
別の問題で受診するが、見過ごされることが多い
Doctor’s VOICE
自己愛性パーソナリティ障害は人間の普遍的な自尊心の病
Part2 障害のしくみ
「いつも自分以上でなければならない」強迫観念が引き起こす
病理の構造1
「思い描く自分」と「とりえのない自分」
病理の構造2
強迫観念が行動の引き金。挫折に弱く、立ち直れない
偽の自分とは
「等身大の自分」の不在がふたつの偽の自分をつくり出した
障害の背景
親に大切にはされたが、無条件に愛された感覚がない
思考パターン
目に見える価値しか信じない。結果が得られないと意味がない
行動パターン
プロセスに価値はない。コツコツ続ける意味がない
人間関係のパターン
人との関係は「見下す」か「見下される」か、その2択しかない
空想の自分
思い描いている自分にはなれないことがわかっている
母子関係からつくられる「自己」
愛されるという感覚があって、はじめて「等身大の自分」ができる
Doctor’s VOICE
「自分探し」「価値ある自分」時代が生んだ病でもある
Part3 気づきのレッスン
価値観を見直し、「等身大の自分」をつくり、生きづらさをとり除く
自分への気づき
価値観をかえられれば、生きづらさも消えていく
Lesson1
ありのままの自分をイメージできますか?
Lesson1解説
ふたつの偽の自分を自覚し、「等身大の自分」の不在に気づく
Lesson2
完璧な自分が傷つくことへの恐怖がありませんか?
Lesson2解説
完璧さを求める自分を認め、できない自分を受け入れていく
Lesson3
“特別であること”だけに、価値を求めていませんか?
Lesson3解説
スペシャルではなく、ユニークを目指す
Lesson4
自分がどう思われるかばかりを気にしていませんか?
Lesson4解説
他人ではなく自分で、自分の価値を決めていく
Lesson5
自分のことを大切にしてこなかったのではないですか?
Lesson5解説
自分にもっとやさしく接し、自分のことを信じてみる
Lesson6
ステージを上げることへの強いあこがれを抱いていませんか?
Lesson6解説
上昇ではなく、前進する生き方にかえる
Lesson7
家族は同じ物語をもっていると思っていませんか?
Lesson7解説
家族それぞれの立場や事情をイメージし、違いがあることを認める
Lesson8
誰かの役に立たなければ、生きる価値がないと思っていませんか?
Lesson8解説
自分が存在することに特別な理由などいらないことを知る
Doctor’s VOICE
境界性パーソナリティー障害と合併していることもある
Part4 治療と周囲の対応
医療機関だから、周囲の人だから、手助けできることがある
治療者との出会い
「わかってくれる」「強い」「やさしい」
手応えのあるおとなとの出会いでかわれる
医療機関の意義1
自由診療で個人精神療法を引き受けるクリニックなどを探す
医療機関の意義2
治療は1~3年かかる。薬が治癒をはやめることもある
治療の方針
本人の内にある病理をとり出し、自分自身で扱えるようにする
周囲の対応
本人との関係性で対応は異なる。まず8つの対応の基本を守って
[パートナーや配偶者]本人の自尊心を損なわないように接する
[親]まず本人の気持ちをわかろうと努力する
[職場の人]第三者に相談し、冷静に対応する
おわりに
上記内容は本書刊行時のものです。