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佃学全作品 第三巻
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年6月
- 書店発売日
- 2018年6月4日
- 登録日
- 2018年5月21日
- 最終更新日
- 2020年3月10日
紹介
「詩は孤独な精神の戯れである。/自分の中に変な人間がいて、弥次郎兵衛のようにふらふらしている。この変な存在に気づいてからもう久しい。(中略)/
今では、自分の中に彼がいるのか、彼の中に自分がいるのかわからない有様である」(「精神劇」後記)
──京都大学在学中に清水哲男、大串章らと同人誌「青炎」をおこして詩作を究め、多くの詩人から「彼こそ生まれながらの詩人」と認められていた──
「ただ、そのような才質に恵まれながら、佃学が世俗的な意味での詩人として不幸だったのは、彼の目がいつだって世界の暗部を見ることに執着していたからだろう。この目は、戦後社会の成長や発展の掛け声のなかでは、あまりにも孤独でありすぎた」(清水哲男)
幽愁のうちに五十五歳で夭逝した詩人の全貌を、没後から四半世紀を経たいま、あらためて世に問う!
佃学こそは生まれついての詩人だったと思う。──清水哲男
カオスから流出する荒ぶる魂の音楽に、わたくしは満たされた。──江森國友
佃君はなにかに憑かれている。もしかすると佃君の方が憑いているのかもしれぬ。──十国 修
詩が書けなくなったり書きたくとも言葉が手繰りよせられない日には、よく佃学の詩を猛スピードで読んだ。
佃の詩には不安や不幸が倒立しながら、眩しく輝いていた。──千々和久幸
目次
【第三巻】[全三巻]
『海景』(繁忙/六月の午後から/巻貝のように/海難メモ/夢のコラージュ/十月の火は……/不帰行/卵巣/人生を病む 断片/『涙男』の独白/はじめも終わりもなく/反復)
『共同墓地』(牧歌/トルソ/夢の蝕 断片/感傷メモ/夜の底で/樹の証言/冬の断片 ほか)
『時間の空 から3篇』(暗斗/THE LOST QUINTET/走狗)『(花粉症のような)』
雑纂=〈詩集未収録作品〉古い男、古い季節〈エッセイ〉半途のプロフィール/断想/反魂/緑が丘
附録= 『時間の空』跋(十国修)/『不眠の草稿』跋(江森國友)/『海景』跋(ヨシダ・ヨシエ)/『ネワァーン・ネウェイン洗脳塔』書評(清水哲男)/「青炎」のこと/通夜の席に届いた十冊目の詩集(大串章)/カオスの人(江森國友)/さよなら(清水哲男)/嗚呼、佃学よ(安宅夏夫)/最後の武者震い/風説(千々和久幸)/佃学(の作品)という現象をめぐって(塚本龍男)/佃学のいた場所(山本哲也)/いま、思うこと/ふたたび「いま思う」(佃信子)/「邯鄲」19号 編集後記/佃学 略年譜
上記内容は本書刊行時のものです。