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新しい打楽器メソード 深町 浩司(著) - スタイルノート
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新しい打楽器メソード (アタラシイダガッキメソード) ストロークをシステム化する (ストロークヲシステムカスル)

芸術
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B5判
136ページ
並製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-7998-0180-2   COPY
ISBN 13
9784799801802   COPY
ISBN 10h
4-7998-0180-5   COPY
ISBN 10
4799801805   COPY
出版者記号
7998   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年12月31日
書店発売日
登録日
2019年11月26日
最終更新日
2020年4月3日
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書評掲載情報

2020-03-01 教育音楽
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紹介

打楽器をスティックやマレットなどのバチ類で演奏する際の打撃(ストローク)に注目し、オリジナルの方法で簡単で正確に素早く、また多彩な音色でストロークができるようになるための方法と理論が紹介されている。吹奏楽やオーケストラ、あるいはバンドなどで打楽器を担当する人の基礎練習は、スネアドラムスティックを用いて行うことが古くから一般的。そうしたスティックやマレットなどいわゆるバチを使って叩く打楽器は昨今、多種多様となり複数の打楽器を同時に演奏することも珍しくなくなった。そのため汎用性のあるストロークテクニックが要求されるようになっている。本書では、著者が研究のすえに見つけ出した新たな手法によって、バチ類で演奏するあらゆる打楽器演奏に活用できるストローク方法を紹介。この方法は短時間で習得でき、子どもや中高生から音大生、プロまであらゆる人が活用できる。豊富なイラストや写真、図などでわかりやすく紹介。内外の著名な打楽器奏者にもこの理論の実証性を確認してもらっている。新時代の打楽器奏法の新たな定番書。

目次

■00ストロークとは

第一部:ストロークの現状を見つめる
■01打楽器を演奏するとはなにか
  音色の重要性
  打楽器演奏で陥りやすいこと
  簡単に音が出せないしくみとアカデミズム
  打楽器はなぜ理解されない?
  打楽器奏者でも理解できない教え
  打楽器の広い音色世界
■02バチとグリップ
  効率的なバチの動きとは?
  グリップの定義
  支点とエンジンを理解する
  支点とエンジンを担うのはどこか?
  3つのグリップ
■03触れて感じ、演奏する
  どこで持ちどこでストロークする?
  「バチで打面を打つ」という特殊性
  触覚で感じ取る演奏
■04音色変化は指から始まる
  発音すること
  音色コントロール
  バチをどう触れさせる?
  アタックを変える条件
コラム:「音色の幅」とはなにか

第二部:ストロークシステムを考える
■05支点確保と快適なストローク
  母指球を意識する
  支点とエンジンの機能は両立できない?
  支点の力バランスを考える
■06テノデーシスとベーシックストローク
  テノデーシスの基本
  テノデーシスからストロークを生成する
  テノデーシスを理解し身体に自然な奏法を手に入れる
■07打感とリバウンド
  打感とはいったい何?
  1本の指で変わるストローク
  リバウンドの正体を探る
  プレイヤーズ・リバウンド
  PRと快適なストローク
  打感のふしぎ
■08指の形
  指の形を研究する
  指の形と演奏の法則性
  PRコントロール
■09ストロークの生成と分類
  ストロークの分類法
  ストロークの生成
  シングルストローク
  ダブルストローク
  バズストローク
  先行動作をグラデーション変化させる
  指の先行動作と演奏の法則性
  指導実践の例
コラム:無意識のグー
■10手首の回転
  手首の回転がもたらす影響
  手首の回転とは
  手首の回転と音色変化のメカニズムを知る
  なぜ無意識に手首を回転させるのか?
  手首の回転とどう付き合う?
  ドラムのセッティングと手首の回転
  セッティングと手順を考える
  よりダイナミックな表現へ
コラム:グリップ論番外編
■11ストロークシステムを導き出す
  自由な過程
  シンプルなメソードへ

第三部:ストロークシステムを実践する
■12ティンパニ演奏の状況
  技術的な状況とテクニック
  音楽的な状況とテクニック
  圧のコントロール
  マレットの横移動と手首の回転
  おわりに
コラム:竹マレットは繊細な宇宙
■13フレーズトレーニング
  トレーニングのポイント
  3つのストローク
  コンビネーションによるフレーズトレーニング
  さまざまなリズムとアタック
  実践的なフレーズコントロールに向けて
  グー、パー、ニュートラルをオノマトペにする
コラム:スピードストロークと音色表現
■今後の研究に向けて
  打楽器の音色変化のメカニズムに迫る
  「指先から全身へ」という新たな流れ
  自分が直接感じたものが尊い

前書きなど

 本書は、スティックやマレットなどのバチ類で打楽器を演奏する際の動作である「ストローク」の基本的な研究をまとめたものです。
 学校吹奏楽部での打楽器パートの基礎練習は、スネアドラムスティックを使って行っている場合がほとんどだと思います。また音大生、一般愛好家、プロの場合でも、演奏前のウォームアップをスネアドラムスティックで行う人が非常に多いかと思います。これらの理由は、「スネアドラムのテクニックは全ての打楽器奏法の基本である」という考えに集約されると思います。これは、私たちの諸先輩が長年の経験から生み出した非常に合理的な考えであると言えるでしょう。
 いっぽう昨今の打楽器演奏の世界は非常に複雑化し、扱う楽器の種類や量は増え続けています。バチ類を使いさまざまな打楽器を同時に複雑に演奏するマルチ・パーカッションも盛んになってきました。これにより、非常に汎用性のあるテクニックが要求されるようになりました。
 バチ類を使う打楽器の演奏を研究する際、ストロークを物理学的に捉えることはもちろん重要です。しかし本書では演奏家の立場から、「ストローク=ひとつの打撃における身体の動き」を根本から見つめることで、一定の理論が導き出されるのではないか、という考えに至りました。そして、さまざまな試行を繰り返すなかで、私たちが普段の打楽器演奏で何気なく行っている手と指の動きのほとんどが、「テノデーシス・アクション」(手指の腱けん固定効果)と強い関係があることを突き止めました。
 本書では、この「テノデーシス・アクション」とストロークの関係を示しながら、バチを持つ指の形や動かし方の重要性、そしてバチを持つ指が捉える「打感」と言われるものの重要性について検討していきます。そして、「全てのストロークは指から始まり指に戻る」という考え方のもとで、本書のサブタイトルである「ストロークをシステム化する」ということを進めていきます。
 なお、本書では、「トラディショナルグリップ」については扱いません。伝統的なバチの持ち方であるこのトラディショナルグリップは、スネアドラムの奏法研究にとって非常に重要な要素です。しかし、本書の内容とは少し考え方の方向性が異なります。まずは、「テノデーシス・アクション」について、できるだけわかりやすく解説するために、「トラディショナルグリップ」については機会を改めて研究をまとめ発表することにしたいと思います。
 みなさまの演奏活動や教育の場において、本書が少しでも参考になれば、これ以上の喜びはありません。

版元から一言

これまで打楽器に関する数多くのメソッドや教則本が世に出ています。これらでは奏法について詳しく言及はしていますが、バチで演奏する打楽器においてどのように音色変化が起きるのか具体的に示しストロークの技術と音色変化を関連づけたものはありません。本書は「今まで感覚的だった打楽器の音色変化の方法について、具体的なストロークテクニックを示しながら詳しく説明した、初めての本である」ということが言えます。そして、スティックやマレットなどのバチ類で打楽器を演奏する際の動作である“ストローク”の基本的な動作研究した本です。
著者は「“ストローク=ひとつの打撃”というものを根本から見つめることで、一定の理論が導き出されるのではないか、という考えに至りました。そして、さまざまな試行を繰り返すなかで、打楽器演奏で何気なく行っている手と指の動きのほとんどが、私たち誰にでも備わっている身体の機能“テノデーシス・アクション(手指の腱固定効果)”と強い関係があることを突き止めました」と述べています。すなわち、バチ類で打楽器を叩く際の手指の動きに共通する動きを発見したのです。さらに、解剖学の専門家にも協力してもらい、それらの動きが共通する動きであることも確認されました。その奏法をつきつめることで、短時間の練習で、正確で早く叩けるようになる方法を見つけ出しました。なので、昨今盛んになっている複数の打楽器を同時に演奏するマルチ・パーカッションにも役立つでしょう。より正確な打撃ができるようになるはずです。
本書では、この“テノデーシス・アクション”とストロークの関係を示しながら、バチを持つ指の形や動かしかたの重要性、そしてバチを持つ指が捉える「打感」と言われるものの重要性について考えます。なお本書では、“トラディショナルグリップ”については扱われていません。伝統的なバチの持ち方であるこのトラディショナルグリップは、重要な要素ですが、本書の内容とは少し考え方の方向性が異なるため、敢えて扱っていません。
また、打楽器の奏法だけでなく、打楽器と音楽表現についても書かれています。ただ叩くのではなく、音色変化に富む優れた表現でなければ意味がないという考え方についても本書では重視されています。
本書の内容を多くの人が習得して、正確で早く音色変化に富んだ、豊かな音楽表現が短時間で習得できるようになることを願っています。

著者プロフィール

深町 浩司  (フカマチ コウジ)  (

打楽器奏者。1965年生まれ。長野県菅平高原の自然のなかで幼少期を過ごす。
上田染谷丘高等学校を経て武蔵野音楽大学卒業。打楽器全般を塚田靖氏に、ティンパニをライナー・ゼーガース氏に師事。大学在学中より東京吹奏楽団打楽器奏者として活動するほか、パーカッショングループ72の公演に参加し打楽器作品の初演にも携わった。またサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーとしてこれまでに3回の海外ツアーを含む数多くの公演に携わるほか、東京・春・音楽祭、水戸室内管弦楽団、バイエルン国立歌劇場管弦楽団、ロッテルダムフィル、マレーシアフィルなど、国内外の音楽祭や公演に出演している。小澤征爾音楽塾でたびたび後進の指導にあたるほか、2008年からは愛知県立芸術大学で教鞭を執る。現在、同大学音楽学部および大学院音楽研究科教授。

上記内容は本書刊行時のものです。