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吹奏楽の神様 屋比久勲を見つめて 山﨑 正彦(著) - スタイルノート
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吹奏楽の神様 屋比久勲を見つめて 叱らぬ先生の出会いと軌跡

四六判
192ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7998-0163-5
Cコード
C1073
教養 単行本 音楽・舞踊

出版社在庫情報
在庫あり
初版年月
2017年10月
書店発売日
登録日
2017年8月24日
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書評掲載情報

2018-02-01 (予定) SUMISEI BEST BOOK  2018年2月号
2017-12-01 教育音楽  2017年12月号
2017-11-19 西日本新聞    朝刊
2017-10-29 朝日新聞  朝刊
評者: 斎藤美奈子(文芸評論家)

紹介

赴任先の吹奏楽部を短期間で全国大会、ひいては金賞へと導き、〝叱らない先生〟そして〝吹奏楽の神様〟として各メディアで注目を集める、屋比久勲。その屋比久勲を5年にわたり取材したドキュメント。叱らない教育とは実際にはどういうものなのか。生徒や学生はどう思っているのか。また、どうして短期間で全国トップにたどり着けるのか。そうした疑問への答えは、長期間の真摯な取材を経て、屋比久はもちろん生徒や学生からも信頼を得た著者だからこそ得られたもの。沖縄に生まれ育ち、沖縄、福岡、鹿児島で指導する吹奏楽部を多くの金賞へと導いた屋比久勲は「コンクールに勝つために演奏するのではない」と明言する。賞をとることよりも、美しい音楽を演奏することが最優先という吹奏楽の神様の全貌が、音楽教育学者である著者ならではの視点でまとめられている。高い評価を得た『金賞よりも大切なこと』に続く、一人の指導者を追い続けた吹奏楽ドキュメント第2弾。この指導者にしてこの成果あり、ということがよくわかる、新たな吹奏楽バイブル。

目次

第1章 福岡太宰府に九州情報大学吹奏楽部が誕生
 楽器の音が鳴り響く大学
 本格的吹奏楽部をめざして
 大学教員になった屋比久
 沖縄時代 母の教え
 沖縄時代 音楽科教員 屋比久
 沖縄時代 米国統治下にあって
 美しい音を発することの重要性 沖縄時代にはじまっていた
 福岡時代 神様の時代へ
 鹿児島時代 高校生とさらなる高みへ
 真っ白なキャンバスのような吹奏楽部
 悲しみを乗り越えて 再び福岡へ
 原石を磨く
 人としての屋比久に惹かれて

第2章 音楽教師 屋比久をもたらしたもの
 渡久地政一の教え 音は絶対的なもの、音楽は感受性で変わる相対的なもの
 大切なのは人間教育 お金と時間
 毎日一緒に
 時間は守る
 時間は大切だから 渡久地の教えはいまに生きて
 朝比奈隆について
 沖縄から神戸へ
 朝比奈隆の教え 指揮はわかりやすく
 朝比奈のレッスン
 小澤征爾との偶然の出会い
 「音楽をしている」とは

第3章 屋比久流の教育方針とその実り
 屋比久流、叱らない教育とは
 叱らないけど叱る
 声を荒げず叱る
 叱って「できる」はもたない
 まったく叱らない吹奏楽指導
 叱らない理由 母の教え
 〈叱る〉がないから〈叱らない〉もない
 穏やかで静かなトレーニング
 ダイナミックな変容
 屋比久流考えさせる教育
 音楽指導での見守り方
 忍耐を要する「考えさせる教育」
 情報高校で実っていた考えさせる教育
 この吹奏楽部はコンクールバンドにあらず
 驚きの自由曲決定の時期
 屋比久が留守にしていても

第4章 屋比久の音楽づくり
 基礎・基本の徹底
 すべては音色から
 大学でも基礎、基本
 リップスラーを制する者、金管を制する
 常に上昇する要求
 音色とチューニング
 心地よいフレーズ感と音量
 心地よいフレーズ感と音色
 情報高校での驚きの結実
 心地よいフレーズ感は基本中の基本

第5章 九州情報大学の挑戦と実り
 2015年4月 活動の本格的スタート
 2015年夏 福岡県大会を抜けて九州大会へ
 それでもやっぱり基礎練習
 2015年 九州大会での健闘
 我々はコンクールをめざすのか?
 叱らない教育による意識改革
 コンクール初出場の実り
 九州情報大学の挑戦の意味するもの
 学内での聞き取り
 九州情報大学の挑戦と実りから

第6章 屋比久と大学教育 その意味
 屋比久の理想とする音と音楽
 音へのこだわり
 大人の音・大人の音楽
 大学生相手でも「叱らない」教育
 食事も心配
 基礎練習の難しさ
 そもそも『基礎練習』とは
 彼らはただものではない
 今後への期待
 表現力を紡ぎだす屋比久の指揮
 屋比久の下で育まれた感性は一生もの
 2016年夏 九州大会を前に
 短い合奏練習ですることとは
 音楽表現を言葉でどう伝えるか
 歌唱・弦楽器ボウイングを例に
 顔つきが変わった
 伸び縮みする音
 2016年 全国大会当日練習
 本番直前でも
 本番前 心と心が通い合って
 加賀の国に太宰府の音が鳴り響く
 笑顔の表彰式
 パフォーマンスとミス
 九州情報大学吹奏楽部の未来に向けて
 その歴史は浅くても
 屋比久は人々に愛されて
 吹奏楽の神様 人生の師
 指揮台での人生 これからも
 あとがき…… その前に 九州情報大学吹奏楽部の君たちへ

版元から一言

屋比久勲という名前を聞いて思い浮かべるのは「叱らない先生」、また、吹奏楽に関心のある方なら「吹奏楽の神様」という言葉かもしれません。
高校吹奏楽の1年間を追ったドキュメント『金賞よりも大切なこと』で知られる著者が、「叱らない先生」であり「吹奏楽の神様」である屋比久勲氏について5年の歳月をかけて取材したドキュメントです。どうしたら、あのような美しい音楽を奏でる吹奏楽部に育て上げることができるのか。そんな純粋な疑問から取材ははじまりました。その取材から、屋比久流の音楽づくりと叱らない教育との関連性も見えてきます。
沖縄で生まれ育った屋比久氏。教員であった母親からのアドバイスの言葉はいまでも彼の指導に生きています。当初は体育の教師を目指していましたが、なぜ音楽の教師になったのか。その屋比久の音楽を飛躍させた大音楽家とは? 現在に至るまで一貫して守ってきた教育姿勢と音楽づくりの軌跡が明らかにされます。
沖縄では、垣花中学校、真和志中学校、石田中学校、小禄中学校、首里中学校を指導、そして、福岡工業大学附属城東高等学校、鹿児島情報高等学校、九州情報大学と各校で吹奏楽部を育てます。まだ親の管理下にある高校生の吹奏楽部指導と、独り立ちをはじめる大学生の吹奏楽部指導の違いは? 先生がいなくても大丈夫? コンクールで演奏する自由曲を決める時期がそんなタイミング? 本当に全く叱らないの? など興味深い話題も数々出てきます。
出場したコンクールの結果には金や銀ばかりが並ぶ屋比久勲の吹奏楽指導者人生。屋比久流の練習方法はもちろん、音楽表現の作り方、指導の手法、コンクール直前の舞台裏の様子、そして屋比久を襲った突然の悲しみ……。多くの人々に支えられ、また多くの生徒、学生に囲まれて指導し続ける屋比久勲の姿を克明に記録しました。

著者プロフィール

山﨑 正彦  (ヤマザキ マサヒコ)  (

1957年長野県生まれ。中学校、高等学校、小学校の教員を経てから武蔵野音楽大学大学院音楽研究科に入学し音楽教育学を専攻。修了後、武蔵野音楽大学音楽教育学科講師として後進の指導にあたり現在に至る。主な研究領域は教員養成と音楽鑑賞指導。これまでに小学1年生から大学生までのすべての学年での教育経験があり、現在、幼児教育現場における指導アドバイザーもおこなっている。音楽鑑賞指導に関しては、2006年より全国各地で指導方法などについての講演をおこなってきている。著書に『金賞よりも大切なこと』『見つけよう・音楽の聴き方聴かせ方』(共にスタイルノート)、共著に『音楽鑑賞の指導法“再発見”』(音楽鑑賞振興財団)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。