版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
哲学嫌い ポストモダンのインチキ 小谷野敦(著/文) - 秀和システム
..
【利用不可】

哲学嫌い ポストモダンのインチキ (テツガクギライ ポストモダンノインチキ)

哲学・宗教
このエントリーをはてなブックマークに追加
四六判
224ページ
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-7980-6004-0   COPY
ISBN 13
9784798060040   COPY
ISBN 10h
4-7980-6004-6   COPY
ISBN 10
4798060046   COPY
出版者記号
7980   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年10月4日
最終更新日
2019年10月4日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

哲学って一体なんだ? それは果たして学問なのか。「ポストモダン」などというものが本当にあるのか?
本書は、かつて「ニューアカ」かぶれだったという著者が、自らの哲学書遍歴を開陳しつつ、哲学をめぐる自身の長年の疑問に解答する、ちょっとセンチメンタルな思想読本である。
【主な内容】恐らく最重要な哲学書『存在と時間』/キェルケゴールのかっこよさ/構築主義はトンデモ科学/最古の恋愛論はプラトン『饗宴』/フランクフルト学派と『100万回生きたねこ』/デカルトが正しい/ラカンは教祖になっただけ/「フェミニズム哲学」というのは、ない/LGBTを味方にしておけば、まあ安全/「反証可能性があるのが科学」に反証可能性があるのか/いい加減、あまりにいい加減なポストモダン/etc.
附論として「東大生は性格が悪い?」を併録。

目次

  はじめに――哲学は何でないか

第1章 哲学は学問ではない
  哲学者という奇妙な肩書
  ならば倫理学は学問か?
  学問とは価値中立的なもの
  伝記は立派な学問
  構築主義はトンデモ科学
  学問は政治運動ではない――「物象化論」をめぐって
  学問は道徳ではない
  学問は思想ではない
  恐らく最重要な哲学書『存在と時間』
  キェルケゴールのかっこよさ
  男の哲学の担い手はもて男
  「実存的不安」とは死の恐怖だろう
  「自分は偉い」と思いこみ気が狂ったニーチェ
  構造主義は学問の方法

第2章 哲学は文学ではない
  文学研究者はノーベル賞をもらえない
  「哲学」を書く文学者
  教科書的ロマン主義は捨てるべき
  文学研究と文藝評論の区別
  柄谷行人、蓮見重彦のブームは「ニューアカ」の余波
  「ニューアカ」とは哲学ブーム
  「文藝評論」はオワコン
  カリスマ評論家の人生論
  最古の恋愛論はプラトン『饗宴』
  ソクラテス的精神が失われた現代日本
  フランクフルト学派と『100万回生きたねこ』
  哲学史を教えても学生には不人気

第3章 哲学は「日本文化論」ではない
  多くの通俗的日本文化論の欠陥
  元ネタ問題
  日本の独自性と座談会「近代の超克」
  ポストモダンなど到来してない
  読解不能の『グラマトロジーについて』(デリダ)
  「言語論的転回」が生んだ歪んだ議論
  生成文法は基本的に正しいが、あまりに常識的
  インチキなものが多い日本文化論は文藝評論に利用された
  サピア=ウォーフの仮説(現語相対説)は成立しない
  成り立たない相対論に囚われてナショナリストになるバカ

第4章 哲学は宗教ではない
  「哲学は神学のはしため」
  近代理性はキリスト教とは別物
  日本が輸入したのは西洋のインチキ恋愛論
  『歎異抄』は近代になって「発見」されて広まった
  デカルトが正しい
  『エチカ』(スピノザ)なども宗教だろう

第5章 哲学は精神分析ではない
  精神分析は科学に必要な証明に欠ける
  「甘え」も学問ではない
  ラカンは教祖になっただけ
  フロイトがインチキなら、ユングはもっとインチキだろう
  『アンチ・オイディプス』(ドゥルーズ=ガダリ)は読解不能

第6章 哲学は道徳ではない
  「ポスコロ」「カルスタ」はただの道徳
  歴史学は本来「道徳」から自由
  しぶとい勧善懲悪の文学〈研究〉
  「フェミニズム哲学」というのは、ない
  動物行動学vsフェミニズム
  LGBTを味方にしておけば、まあ安全

第7章 哲学は物理学ではない
  「反証可能性のあるのが科学」に反証可能性があるのか
  パラダイム変換がそう簡単に起きてたまるか
  学問はいずれ「終わる」

第8章 哲学はポストモダンではない
  結論――いい加減、あまりにいい加減なポストモダン

付論 東大生は性格が悪い?
Ⅰ 『彼女は頭が悪いから』東大糾弾事件を考える
  東大をモデルとした小説
  『彼女は頭が悪いから』をめぐる反応
Ⅱ 東大生は性格が悪いのか
  東大生的性格の悪さ
  どこの国にもエリート大学はある
  受験地獄を描いた作品
  東大生は言葉で人をいたぶる
  東大卒が減少する日本の総理大臣
  スポーツマンの東大生もいるにはいるが
  東大進学校の生徒は性格が悪いか
  『三四郎』の中の身分差別
  東大出身の作家・評論家
  私が初めて出会った性格の悪い東大生
  東大生の性格の悪さを緩和する方法

  あとがき
  人名索引

著者プロフィール

小谷野敦  (コヤノアツシ)  (著/文

小谷野 敦(こやの あつし)
1962年茨城県生まれ。東京大学文学部英文科卒、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。大阪大学助教授、東大非常勤講師などを経て、作家、比較文学者。著書に『もてない男』(ちくま新書)、『聖母のいない国』(河出文庫、サントリー学芸賞受賞)、『現代文学論争』(筑摩選書)、『谷崎潤一郎伝』『里見弴伝』『久米正雄伝』『川端康成伝』(以上、中央公論新社)ほか多数。小説に『悲望』(幻冬舎文庫)、『母子寮前』(文藝春秋)など。

上記内容は本書刊行時のものです。