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アクションリサーチ
実践する人間科学
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2010年6月
- 書店発売日
- 2010年6月1日
- 登録日
- 2010年6月11日
- 最終更新日
- 2012年5月28日
紹介
◆行動する研究者のために◆
「アクションリサーチ」は、私たちが直面している問題の解決に向けて、研究者と当事者の人々とが共同で取り組む実践を言います。それは多くの場合、現場での息の長い活動となります。本書は、「クロスロード」という防災ゲームを媒体とした数年間にわたる防災研究や、阪神・淡路大震災の体験の語り部活動を中核とした10年にわたる共同的実践について報告しながら、アクションリサーチとはどのような方法なのか、その魅力と研究に伴う責任とは何か、それを研究としてどう記述すればよいか、理論的基盤としての社会構成主義とは何かについて、緻密かつ平明に述べた、人間科学の分野として日本で初めての、待望の「アクションリサーチ入門」です。著者は、京都大学防災研究所教授。
目次
◆アクションリサーチ――目次
序章 アクションリサーチの魅力と責任
第1部 アクションリサーチとは何か
第1章 アクションリサーチとは何か
1 アクションリサーチの要・不要
2 アクションリサーチの基本特性
3 どのような条件のもとでアクションリサーチはなされるべきか
4 「正解」と「成解」
5 アクションリサーチで活用される研究方法
ツール・プロダクツ
第2章 語りとアクションリサーチ
1 はじめに
2 「クロスロード」の概要
3 「ディシジョン・メーキング」と「センス・メーキング」
4 インターローカルなアクションリサーチ
第3章 アクションリサーチを記述する―「書簡体論文」の可能性
1 研究論文による社会的現実の構成
2 「書簡体小説」とは何か
3 バフチンの小説文体論
4 「書簡体論文」の可能性と課題
第2部 震災体験の語り継ぎに関するアクションリサーチ
第4章 「語り直す」―4人の震災被災者が語る現在
1 5つの基本的視点
2 「震災語り部グループ」
3 語りの「様式」からのアプローチ
4 4人の被災者の語り
5 語りの分析
6 総 括
第5章 「語り合う」―10年目の震災語り部活動
1 はじめに
2 語り部活動が10年目に直面した課題
3 バフチンの対話的発話論
4 語り部という「ジャンル」の再編
5 地元大学生との共同的実践
第6章 「語り継ぐ」―生き方で伝える、生き方で応える
1 新たなアクションリサーチへ
2 「災害メモリアルKOBE2009」
3 関係としての自己語り
4 語り継ぎの未来
第3部 社会構成主義と社会的表象理論―アクションリサーチの理論的基盤
第7章 社会的表象理論と社会構成主義
1 社会構成主義の不徹底
2 社会的表象の生成(WW94論文)
3 社会的表象と社会的構成(WW96論文)
4 社会的表象研究の今後(WW98論文)
5 結語―今後の課題と展望
第8章 〈環境〉の理論としての社会的表象理論
1 〈環境〉と社会的表象理論
2 事例研究―「活断層」という社会的表象
3 おわりに
第9章 社会構成主義と人生の物語―映画『ワンダフルライフ』に学ぶ
1 社会構成主義から見た自己
2 『ワンダフルライフ』
3 関係性がつくる自己―「頭の中にある自己」への挑戦
4 人生を記録したビデオテープ―実証という呪縛からの解放
5 望月を継承した里中、とどまった伊勢谷―一次モードと二次モード
あとがき
初出一覧
引用文献
人名索引
事項索引
装幀=虎尾 隆
上記内容は本書刊行時のものです。