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映画館と観客のメディア論 近藤 和都(著) - 青弓社
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映画館と観客のメディア論 (エイガカントカンキャクノメディアロン) 戦前期日本の「映画を読む/書く」という経験 (センゼンキニホンノエイガヲカクヨムトイウケイケン)

芸術
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ28mm
重さ 560g
384ページ
上製
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-7872-7430-4   COPY
ISBN 13
9784787274304   COPY
ISBN 10h
4-7872-7430-9   COPY
ISBN 10
4787274309   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C1374  
1:教養 3:全集・双書 74:演劇・映画
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年2月28日
書店発売日
登録日
2020年1月21日
最終更新日
2021年3月18日
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紹介

戦前期日本で「映画館に行く」とはどのような経験だったのか。戦前期の映画館が毎週発行していた広告メディアであるプログラムから、文字と紙を「読み」、投稿や批評を「書く」という実践が観客の映像受容に分かちがたく結び付いていたことを析出する。

目次

序 章 オフ・スクリーンの映像文化
 1 問題の所在――複製技術としての映画/複製技術時代の映画
 2 分析対象
 3 分析視座
 4 構成

第1章 映画館プログラムの成立――一九〇七―一〇年代前半
 1 映画館興行の形成
 2 物語映画と事後的な映画受容の快楽
 3 映画観客をめぐる記憶の産業化――映画史に並走する〈読む文化〉

第2章 映画観客の〈読み書き〉空間――一九一六―二〇年代
 1 差異化の手段への再定位――映画館プログラムの自律化
 2 映画館プログラムをめぐる〈読むこと〉〈書くこと〉
 3 拡散する映画館プログラム
 4 映画館プログラムの収集・保存を通じた情報集積体の形成

第3章 映画館における/についてのコミュニケーション――一九一〇年代後半―二〇年代
 1 映画興行の再編成
 2 「人格的な上映環境」の構成契機――映画館におけるコミュニケーション
 3 映画「館」ファンの形成――映画館についてのコミュニケーション

第4章 「複合施設化」する映画館――一九二三―三〇年代半ば
 1 「複合施設化」する映画館
 2 都市空間のなかの映画館
 3 「複合施設」としての映画館

第5章 遍在する映画イメージ――一九二〇年代後半―三九年
 1 映画広告の多様化
 2 都市空間のなかの映画観客
 3 文字とイメージが輻輳する舞台――映画館プログラムの視覚性
 4 「作品」と「作者」の前景化

第6章 映画興行をめぐる規格化の論理――一九三九―四四年
 1 映画法以降の映画産業界
 2 「戦ふ映画館」――映画臨戦体制下の興行モード
 3 映画館プログラムの統制

終 章 積層するメディア経験の地層学
 1 オフ・スクリーンのメディア史――映画館プログラムの歴史的変遷
 2 「文字」と「紙」の映像文化論
 3 メディア研究の複数性

参考文献一覧

あとがき

索引

版元から一言

戦前期日本で「映画館に行く」とはどのような経験だったのか。1907年に誕生して以降、戦前期の映画館が毎週発行していた広告メディアであるプログラムに着目して、映画史初期から続くメディア横断的な経験のあり方に光を当てる。

戦前期にはすでに、映画館で作品を「見る」だけでなく、プログラムの文字と紙を「読むこと」、投稿や概要、批評を「書くこと」が観客の映像経験に分かちがたく結び付いていた。さらに、映画館という場所、映画という映像、プログラムという紙などの複数のメディアが折り重なるようにして、「映画を見る」経験を支えていた。

映画配給がもたらす時間感覚や、戦前から複合施設化していた映画館の実態、戦局の悪化によって映画興行が統制されていく諸相も掘り起こし、メディアミックスや大小さまざまなスクリーンをインフラとした今日のメディア経験の源流にある、戦前期日本の豊かな映像文化を描き出す。

著者プロフィール

近藤 和都  (コンドウ カズト)  (

1989年、愛知県生まれ。大東文化大学社会学部講師、博士(学際情報学)。専攻は映像文化の社会学、メディア・スタディーズ。分担執筆に『動員のメディアミックス――〈創作する大衆〉の戦時下・戦後』(思文閣出版)、『スクリーン・スタディーズ――デジタル時代の映像/メディア経験』(東京大学出版会)、論文に「スクリーンの「移ろいやすさ」を制御する――戦時下日本の映画上映をめぐる規格化の諸相」(「社会学評論」第69巻第4号)など。

上記内容は本書刊行時のものです。