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貴志康一と音楽の近代 梶野 絵奈(編著) - 青弓社
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貴志康一と音楽の近代 (キシコウイチトオンガクノキンダイ) ベルリン・フィルを指揮した日本人 (ベルリンフィルヲシキシタニホンジン)

芸術
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ20mm
重さ 360g
264ページ
並製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7872-7304-8   COPY
ISBN 13
9784787273048   COPY
ISBN 10h
4-7872-7304-3   COPY
ISBN 10
4787273043   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0073  
0:一般 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2011年5月
書店発売日
登録日
2011年5月18日
最終更新日
2022年7月8日
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書評掲載情報

2017-02-05 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 葛西聖司(アナウンサー)
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紹介

明治末期に生まれ、日本とドイツを往復しながら、ヴァイオリンの演奏から指揮や作曲、果ては当時のニューメディア=映画制作まで取り組んだ貴志康一。ベルリン・フィルを25歳で指揮しながらも、28歳で生涯を終えた音楽家の人生と作品、その時代を探求する。

目次

はじめに 梶野絵奈

第1部 貴志康一とは誰か

第1章 過渡期のヴァイオリニスト、その音と姿――成長の過程を通して 梶野絵奈
 1 日本でのヴァイオリンの学び
 2 第一回渡欧――ジュネーブ―ベルリンでの修業
 3 ストラディヴァリウスを携えて――日本楽壇へのデビュー
 4 二度目のベルリン――低迷、しかし充電も
 5 日本での再挑戦――新たな展開に向けて
 6 第三回渡欧以降――ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリン作品の創出

第2章 貴志康一が「作曲家」になるまで――学びの過程にみるその原像 堀内彩虹
 1 作曲の学びの過程概観
 2 作曲の特徴の芽生え

第3章 ベルリンの日本人――貴志康一と「日本」の表象 中村 仁
 1 貴志康一とベルリン
 2 ベルリンの日本人――ベルリンでの「日本」文化紹介と貴志康一
 3 日本の日本人――帰国後の貴志康一と「日本」音楽

第4章 「思ひ出づるまゝに」――随想の著述家、貴志康一 山上揚平
 1 筆を執る音楽家?
 2 「思ひ出づるまゝに」――随想という形式
 3 随想の音楽家、貴志康一

第2部 貴志康一の作品

第1章 「日本の洋楽」の音階と貴志康一の旋律 ヘルマン・ゴチェフスキ
 1 「日本の洋楽」の音階と和声
 2 「日本の洋楽」と作曲家のアイデンティティー

第2章 歌曲について――その変遷と貴志の原風景 子安ゆかり
 1 貴志の「歌」作品の概観と三つの時期の特徴
 2 歌曲「赤いかんざし」の複数の稿から見えてくること

第3章 ヴァイオリン曲について――ヴィルトゥオーゾの技巧と作曲の融合 梶野絵奈
 1 ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾ・コンポーザーとは
 2 日本人ヴァイオリニストによる作曲のあゆみ
 3 貴志康一のヴァイオリン作品

第4章 文化映画『鏡』、自画像を超えて――映画監督・貴志康一 白井史人
 1 「映画監督・貴志康一」へ――貴志康一と映画
 2 文化映画『鏡』――二人の協力者
 3 モダンと伝統の共存――映像と音楽の相互作用を通して

第5章 ゆれる「日本」像のなかで――標題交響曲『仏陀の生涯』 中村 仁/白井史人
 1 組曲から交響曲へ――貴志の管弦楽創作と『仏陀』の成立
 2 「標題交響曲」への挑戦
 3 標題“交響曲”『仏陀』――第一楽章の分析
 4 “標題”交響曲『仏陀』

第6章 貴志康一とオペラ――『なみ子』~未完のプロジェクト 長木誠司
 1 オペレッタ『なみ子』
 2 『なみ子』の〈時事オペラ〉的特性
 3 〈日本的〉時事オペラ?
 4 ハーン問題
 5 可能性としての『なみ子』

第3部 貴志康一と時代

第1章 「天才」少年少女の時代 伊藤由紀
 1 貴志康一をめぐる「天才」言説
 2 戦前期「天才」報道の変遷――「読売新聞」を例に
 3 一九二〇年代前半の「天才」記事――無邪気で多才な「赤い鳥」型
 4 一九三〇年代後半の「天才」記事――親の意向による「早教育」型
 5 「天才」記事の主流の交替
 6 貴志康一の場合

第2章 欲望のコロニアルな対象――貴志康一の『鏡』と映画脚本『ニーナ』をめぐって 竹峰義和
 1 ウーファ文化映画としての『鏡』
 2 『鏡』――見るもの/見られるもの
 3 Nina/China――映画脚本『ニーナ』をめぐって

第3章 貴志康一による音楽統制論の真意 岡野 宏
 1 貴志康一と日本主義――日本文化連盟との比較から
 2 貴志と統制論――ナチズムとの関係から

あとがき ヘルマン・ゴチェフスキ/長木誠司

著者プロフィール

梶野 絵奈  (カジノ エナ)  (編著

東京都出身。ヴァイオリニスト。国立音楽大学卒業、オーストリア国立モーツァルテウム音楽院修士課程修了(いずれも器楽学科ヴァイオリン専攻)。現在は、ヴァイオリンの演奏と指導のかたわら、東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。研究分野は日本近代音楽史(主にヴァイオリンの文化)、比較音楽学。雑誌記事「貴志康一の音楽の魅力」(「ストリング」第24巻11号)、「神戸ゆかりの二人の音楽家 貴志康一と宮城道雄」(「ストリング」第25巻第6・7号)。

長木 誠司  (チョウキ セイジ)  (編著

1958年、福岡県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。研究分野は表象文化論、音楽学。著書に『戦後の音楽』(作品社)、『前衛音楽の漂流者たち』(筑摩書房)、『フェッルッチョ・ブゾーニ――オペラの未来』(みすず書房)、『グスタフ・マーラー全作品解説事典』(立風書房)、『第三帝国と音楽家たち』(音楽之友社)など。

ヘルマン・ゴチェフスキ  (ヘルマン・ゴチェフスキ)  (編著

1963年、フライブルク(ドイツ)生まれ。音楽学者。フライブルク音楽大学ピアノ科卒業、フライブルク大学哲学博士(音楽学)、ベルリン・フンボルト大学で音楽学教授資格取得。東京大学大学院総合文化研究科准教授(比較文学比較文化コース)。研究分野は演奏論、近代アジアの音楽史、音楽理論史など。著書にDie Interpretation als Kunstwerk (Laaber Verlag),『東大駒場連続講義 知の遠近法』(講談社)、共著に『高校生のための東大授業ライブ』(東京大学出版会)、論文に“Absolute Pitches in Chopin's Narrative Style: With a Focus on Ballade No. 4”(Journal of Music and Theory, 15) など。

上記内容は本書刊行時のものです。