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新自殺論 大村 英昭(編著) - 青弓社
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新自殺論 (シンジサツロン) 自己イメージから自殺を読み解く社会学 (ジコイメージカラジサツヲヨミトクシャカイガク)

社会一般
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ21mm
重さ 430g
296ページ
並製
定価 3,400円+税
ISBN
978-4-7872-3468-1   COPY
ISBN 13
9784787234681   COPY
ISBN 10h
4-7872-3468-4   COPY
ISBN 10
4787234684   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年5月26日
書店発売日
登録日
2020年3月25日
最終更新日
2023年4月7日
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書評掲載情報

2020-07-25 朝日新聞  朝刊
評者: 本田由紀(東京大学教授)
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重版情報

2刷 出来予定日: 2023-04-20
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自殺率統計を援用し、ゴフマンが提起する自己イメージ(体面=フェイス)の概念をデュルケムと関連づけて考察して、デュルケムの『自殺論』を現代にアップデートする一冊。ご好評につき2刷出来です。

紹介

自殺は高度に社会的な現象である。したがって、自殺の理解には個人的事情の裏に隠された社会的要因の究明が必要だ。デュルケムの『自殺論』をゴフマンの自己イメージ(体面=フェイス)の概念に関連づけて現代の自殺を読み解く、渾身の新しい自殺の社会学。

目次

まえがき 阪本俊生

第1部 デュルケムの視点からみる日本の自殺

序 章 東日本大震災後の日本の自殺をめぐって 大村英昭

第1章 日本における自殺の概観 大村英昭
 1 ライフリンクの『自殺実態白書』について
 2 プッシュ要因からプル要因へ――剥奪的動機による自殺観でみえてこないもの
 3 数ではなく率としてみる――幸福をみるより、不幸の減算をみる
 4 死にがいを求める心性の理解の必要性
 5 殺人と自殺――不幸度の指標

第2章 デュルケムの『自殺論』の概説 大村英昭
 1 理論的見取り図
 2 アノミーの見方――性的アノミーの重要性
 3 自己本位と愛他主義――クールな自殺と他人思いの自殺
 4 不安のアノミー――自己本位とアノミーの複合タイプ
 5 不満のアノミー/不安のアノミー――マートンとデュルケム
 6 宿命主義と愛他主義の複合タイプの自殺――少年のいじめられ自殺

第3章 『自殺論』と現代の自殺――現代の自殺にどう生かせるか 阪本俊生
 1 媒介的要因としての社会
 2 媒介要因としての社会とはどのようなものか
 3 「声なき声」と社会――自殺の恒定性と可変性
 4 不満のアノミーと不安のアノミー

第4章 社会変化と自殺率――19世紀と20世紀 阪本俊生
 1 19世紀と20世紀
 2 栄光の30年の背景にある創造的個人主義という媒介要因
 3 創造的個人主義?――社会との関係へ

第5章 国際比較からみる現代の日本の自殺 阪本俊生
 1 日本と欧米の自殺率の推移の違い――1980年以降
 2 社会リスクとセーフティーネットの違い

第2部 面子(フェイス)ロスの視点からみる日本の自殺――表層からの自殺論

第6章 役割期待と自殺 大村英昭
 1 寝たきり老人の演技
 2 役割と役柄の区別――中身よりも外見を考えるほうが、はるかに重要である
 3 役割と役柄、あるいは中身と外見のダブル・バインド
 4 男の面子ロスの自殺と鎮めの文化の必要性

第7章 若年層における雇用不安定化と自殺 平野孝典
 1 非正規雇用・無業と自殺
 2 自殺率上昇の寄与度分解
 3 結婚は無職者を救うか

第8章 スティグマと自殺 阪本俊生
 1 自殺と表層――社会学的見方からのスティグマと自殺
 2 フェイスについて

第9章 岡檀『生き心地の良い町』にみるフェイスと自殺 阪本俊生
 1 フェイス論からみる自殺率が低い町
 2 自殺率の低さとフェイス――フェイスの観点からみた海部町の自殺率の低さ

第10章 フェイスと自殺の諸相 阪本俊生
 1 自殺危険因子とフェイス
 2 失業とフェイス
 3 貧困とフェイス
 4 健康状態の悪化、うつ病
 5 過労
 6 戦争や政変、そして大災害時の自殺率低下について
 7 フェイスと自殺についての全体イメージ――社会からの視点のまとめ

第11章 自殺とフェイスについて――社会変化と社会学の視点 阪本俊生
 1 フェイスと自殺の理論
 2 フェイスとアイデンティティ
 3 フェイスと社会関係
 4 フェイスと自殺率

版元から一言

年間3万人超え、10年以上続いた日本の自殺増加は何だったのか。
なぜ、1998年からの日本の自殺増加の中心は中高年男性だったのか。
なぜ、2000年以降、中高年の自殺が減っても、若者の自殺は減らないのか。
なぜ、日本の女性や若者の自殺率は、他の先進国と比べてとくに高いのか。
社会の自殺率は、何によって変化するのか。

自殺研究は、いまも貧困や失業、離婚、病気、争いごとなどに自殺リスクの原因を求めがちだが、自殺は高度に社会的な現象でもある。自己本位や愛他、規範崩壊、宿命などの個人的な事情に押し込めずに、隠されている背景や事情を究明する必要がある。
そのために、自殺率統計も援用しながら、ゴフマンが提起する自己イメージ(体面=フェイス)の概念をデュルケムと関連づけて考察し、デュルケムの『自殺論』を現代に適用して分析する。

孤立や社会的排除など、個々人が集団や組織から切り離されたいま、個々人がどんな社会関係にも参入できる自己イメージをもつことが必要だ、と提起する新しい「自殺の社会学」。

著者プロフィール

大村 英昭  (オオムラ エイショウ)  (編著

1942年生まれ、2015年没。大阪大学教授や関西学院大学教授などを歴任した。専攻は臨床社会学、宗教社会学。著書に『臨床仏教学のすすめ』(世界思想社)、『日本人の心の習慣』(日本放送出版協会)など多数。

阪本 俊生  (サカモト トシオ)  (編著

1958年生まれ。南山大学経済学部教授。専攻は理論社会学。著書に『ポスト・プライバシー』(青弓社)、『プライバシーのドラマトゥルギー』(世界思想社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。