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国道16号線スタディーズ 塚田 修一(編著) - 青弓社
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国道16号線スタディーズ (コクドウジュウロクゴウセンスタディーズ) 二〇〇〇年代の郊外とロードサイドを読む (ニセンネンダイノコウガイトロードサイドヲヨム)

社会一般
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ18mm
重さ 380g
280ページ
並製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-7872-3435-3   COPY
ISBN 13
9784787234353   COPY
ISBN 10h
4-7872-3435-8   COPY
ISBN 10
4787234358   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年5月
書店発売日
登録日
2018年4月9日
最終更新日
2021年9月13日
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書評掲載情報

2018-07-01 読売新聞  朝刊
評者: 森健(ジャーナリスト)
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重版情報

3刷 出来予定日: 2021-09-13
2刷 出来予定日: 2018-08-20
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東京の郊外を環状に結ぶ、国道16号線。都心ほど開発が進んでおらず、「東京都心から少し離れたところ」という独特の文化圏をつなぐこの道路を実際に車で走り、街を歩くことで郊外のリアリティに迫る本書が、おかげさまで3刷出来です。

紹介

首都圏の郊外を結ぶ国道16号線を実際に車で走り、街を歩き、鉄塔や霊園を観察し、街の歴史や街を物語るテクストを読み込んで、2000年代のロードサイドのリアリティをつかみ取る。現代日本の郊外が抱える課題や郊外を理解する新たな視点を浮き彫りにする。

目次

はじめに――本書のナビゲーション 塚田修一

第1章 「場所」と「非―場所」――二つのテレビ番組が映した道と街、そして人 丸山友美
 1 「国道十六号線」を映す二つのテレビ番組
 2 『72時間』――「移動」し続けるカメラに映る道
 3 『キンシオ』――物語にあふれた場所を探し歩く
 4 「非―場所」としての十六号線で語られる、私の“幸福論”
 5 物語の場所――二つのテレビ番組が映した十六号線

第2章 鉄塔がある風景――『闇金ウシジマくん』の郊外 近森高明
 1 鉄塔がある風景――相模原
 2 鉄塔の現象学
 3 巨大な環状ライン
 4 鉄塔へのマニアックな視線
 5 「鉄塔的なるもの」の在りか――所沢、川越、狭山
 6 『闇金ウシジマくん』の郊外

第3章 幹線移動者たち――国道十六号線上のトラックドライバーと文化 後藤美緒
 1 二つの案内標識
 2 職業としてのトラックドライバー
 3 十六号線の構造――トラックドライバーの運転知
 4 トラックドライバーの身体技法
 5 路上から浮かび上がる十六号線の風景
 6 十六号線を駆けるトラックの物語とは

第4章 「重ね描き」された国道十六号線――「十六号線的ではない」区間としての横須賀・横浜 塚田修一
 1 「街道」と「国道」の重ね描き
 2 「戦前」と「戦後」の重ね描き
 3 金沢八景の風景
 4 『昼顔』妻たちの街
 5 均質ではない郊外空間
 6 ここは十六号線なのか

コラム 相模原市緑区巡礼 松下優一

第5章 「軍都」から「商業集積地」へ――国道十六号線と相模原 塚田修一/後藤美緒/松下優一
 1 経済界での十六号線の発見と相模原
 2 軍都計画と戦後相模原
 3 埋没する基地/浮上する消費空間――一九九〇年代の十六号線沿線相模原をめぐって

コラム 「国境」としての国道十六号線――福生・基地の街のリアリティ 塚田修一

第6章 ジューロクゴーが片隅を走る世界で――青木淳悟『学校の近くの家』の狭山/入間 松下優一
 1 『学校の近くの家』の十六号線
 2 一善の世界
 3 “狭山らしさ”の探求
 4 記号化された世界、その空虚な中心としての入間基地
 5 「空都」の跡地で

第7章 不在の場所――春日部にみる「町」と「道」のつながり/つながらなさ 鈴木智之
 1 ゴースト・プレイス
 2 道が町を作る
 3 春日部――道が生み出した町
 4 町と道の接続/断絶
 5 人口減少のフロントラインとしての十六号線
 6 不在の場所

第8章 死者が住まう風景――国道十六号線ともう一つの郊外 佐幸信介
 1 墓じまいの話――ある家族のライフヒストリー
 2 十六号線沿いの霊園の風景
 3 郊外と霊園――自動車がつなぐ空間
 4 接合と切断する十六号線

コラム マツコ・デラックスと国道十六号線――犢橋で「十六号線的なるもの」を考える 塚田修一

第9章 国道十六号線/郊外の「果て」としての木更津――『木更津キャッツアイ』は何を描いたのか 西田善行
 1 国道十六号線間格差――千葉県南西部と十六号線の景観
 2 木更津と十六号線――駅前の発展と衰退、郊外化
 3 『木更津キャッツアイ』――「コールドスポット」に現れた「ゴースト」

終 章 「東京都市圏」の縁をなぞる――国道十六号線と沿線地域の歴史と現状 西田善行
 1 十六号線はどこを走っているのか
 2 十六号線形成史――軍事道路、産業道路からショッピングロードへ
 3 統計が描く沿線地域の輪郭――人口、住宅、産業と位置
 4 十六号という「線」

おわりに 西田善行

版元から一言

ショッピングモールやチェーン店が立ち並ぶ「没個性的で均質的な空間」としてネガティブにイメージされがちな郊外だが、私たちは紋切り型で郊外を理解しているのではないか。

本書は、2000年代以降の郊外を国道というインフラとの関わりから考察する。具体的には、国道16号線――神奈川県横須賀市から千葉県富津市までの首都圏の郊外を環状に結ぶ、いわば郊外が濃縮された国道――を実際に車で走り、街を歩き、国道と土地の歴史の調査やトラックドライバーへのインタビューを積み重ね、現在の郊外とロードサイドのリアリティを描き出す。

同時に、16号線沿いの街を物語るテキストや表象――『ドキュメント72時間』『闇金ウシジマくん』『学校の近くの家』『木更津キャッツアイ』など――を読み解き、また鉄塔や霊園などのモノや空間にも目を向ける。それらの考察を通して、少子・高齢化や人口減少など、現代日本の郊外が抱える課題を明らかにし、郊外の現在を理解するための新しい視点を提示する。

著者プロフィール

塚田 修一  (ツカダ シュウイチ)  (編著

東京都生まれ。東京都市大学・大妻女子大学非常勤講師。専攻はメディア社会学、文化研究。共著に『アイドル論の教科書』『失われざる十年の記憶』(ともに青弓社)、『戦争社会学ブックガイド』(創元社)など。

西田 善行  (ニシダ ヨシユキ)  (編著

千葉県生まれ。法政大学・日本大学非常勤講師。専攻はメディア文化論、ポピュラー文化論。共編著に『失われざる十年の記憶』(青弓社)、共著に『原発震災のテレビアーカイブ』(法政大学出版局)、共訳書にブライアン・マクネア『ジャーナリズムの社会学』(リベルタ出版)など。

上記内容は本書刊行時のものです。