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国境を越える
滞日ムスリム移民の社会学
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2007年10月
- 書店発売日
- 2007年10月21日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2021年10月20日
書評掲載情報
2021-05-29 |
朝日新聞
朝刊 評者: 高谷幸(東京大学准教授・移民研究) |
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重版情報
4刷 | 出来予定日: 2017-04-03 |
3刷 | 出来予定日: 2015-04-15 |
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ご好評をいただき、おかげさまで4刷を刊行することができました。ありがとうございます! 滞日ムスリム移民の活力ある実態・現実をフィールドワークで描き出す本書。排外主義的な思想が広がるいまこそ、ぜひご一読ください。 |
紹介
外国人労働者たちは日本に来て、滞在し、ある者は定住してある者は帰国するなかでどのような経験をしているのか。滞日ムスリム移民の活力ある実態・現実を、来日から滞日中の生活実態、帰国後の変化までを射程に収めて明らかにしたフィールドワークの成果。
目次
序 章 滞日ムスリム移民の軌跡をめぐる問い 樋口直人
1 かつて「外国人労働者」という問題があった
2 滞日ムスリム移民の二十年をめぐる問い
3 等身大の世界からトランスナショナルな現実を考える
第1部 移住と定住の分岐点
第1章 親族集団から個人へ──現代の遊牧民・トルコ系シャーサバンの日本出稼ぎ 稲葉奈々子
1 親族ネットワークと個人
2 シャーサバンの歴史
3 シャーサバンたちの日本への出稼ぎ
4 国境を越えたシャーサバン・ネットワーク
5 帰国
6 国境を越える個人と一貫性のないハビトゥス
7 イランのモダニティ──自由になった個人の悩み
第2章 創り出される労働市場──交錯する求職ネットワーク 丹野清人
1 職長ネットにおける移動のメカニズム
2 職長ネットを超える移動──建設ネットとエスニックネット
3 ネットワークへの包摂と離脱
4 ムスリム労働者の移動と固定化する生活水準──結語に代えて
第3章 「ガテン」系への道──労働への適応、消費への誘惑 樋口直人
1 出稼ぎブーム後の就労と生活──適応をめぐる問い
2 構造的制約のなかでの創造的適応
3 「ガテン」系への道──二つの生き抜き戦略
4 「ガテン」系の余暇活動──職場への適応、消費での罠
5 労働への適応が生み出す「ガテン」系文化の罠
第2部 移民コミュニティと越境するネットワーク
第4章 越境する食文化──滞日ムスリムのビジネスとハラール食品産業 樋口直人
1 底辺からのし上がる──滞日ムスリムのビジネスをめぐる状況
2 ビジネスマンとしての滞日パキスタン人
3 ハラール食品産業の形成
4 成熟・衰退市場での生き残り
5 異郷で得られる故郷の味──次のステージはあるのか
第5章 トランスナショナルな企業家たち──パキスタン人の中古車輸出業 福田友子
1 トランスナショナルなビジネスへ──パキスタン人による中古車輸出業の歩み
2 日本発世界へ──中古車輸出業者の業務内容
3 トランスナショナルなネットワークの形成と活用
4 トランスナショナルなネットワークの形成──結びに代えて
第6章 イスラーム・ネットワークの誕生──モスクの設立とイスラーム活動 岡井宏文
1 異郷のなかのイスラーム──殻を打ち破るチカラ
2 日本でのモスク設立──宗教的基盤の整備
3 コミュニティ活動の現状──モスクで育まれるもの
4 イスラミック・トラベラーズ──タブリーギー・ジャマーアトの活動
5 コミュニティの行方──ムスリムコミュニティの第二ラウンド
第3部 ふたたび越境するという経験──故郷に帰ったムスリム移民
第7章 滞日経験のバランスシート──帰国の経緯とその後の状況 樋口直人
1 ほとんどのムスリム移民は帰国した、ではその後どうなったのか
2 滞日生活への終止符──帰国をめぐる意味世界
3 帰国後にのし上がる?
4 滞日経験のバランスシート
第8章 消費社会のスペクタクルとトランスナショナリズムの逆説──バングラデシュの移民家族と開発される欲望 樋口直人/稲葉奈々子
1 トランスナショナリズム──グローバル資本主義の支配か能動的な移民文化の発露か
2 シディキと主な登場人物
3 ミドルクラスの文化とビデシュの力
4 「創造的読み替え」とニュービジネス
5 「浮浪者」と「旅行者」の創出
6 消費社会のスペクタクルとトランスナショナリズムの逆説
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。