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国民食の履歴書 魚柄 仁之助(著) - 青弓社
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国民食の履歴書 (コクミンショクノリレキショ) カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃが (カレー マヨネーズ ソース ギョウザ ニクジャガ)

歴史・地理
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ16mm
重さ 313g
192ページ
並製
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-7872-2087-5   COPY
ISBN 13
9784787220875   COPY
ISBN 10h
4-7872-2087-X   COPY
ISBN 10
478722087X   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年1月24日
書店発売日
登録日
2019年11月29日
最終更新日
2020年9月9日
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書評掲載情報

2023-02-25 朝日新聞  朝刊
評者: 湯澤規子(法政大学教授・歴史地理学)
2020-03-01 読売新聞  朝刊
評者: 通崎睦美(木琴奏者)
2020-02-29 朝日新聞  朝刊
2020-02-01 日本経済新聞  朝刊
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重版情報

3刷 出来予定日: 2023-03-15
2刷 出来予定日: 2020-03-12
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「食の鑑識家」が明治の文明開化から現在までの家庭雑誌・料理雑誌を徹底的に渉猟し、レシピどおりに実作して、食べて、経験豊かな舌で味を分析する一冊。ご好評につき3刷出来です。

紹介

「カレー、餃子、肉じゃがの国民食トリオ」はどうやって生まれたのか。文明開化期からの家庭雑誌・料理雑誌を渉猟してレシピどおりに調理し、経験豊かな舌で吟味して通説の輸入史・生育史に疑問やダメ出しを投げかけて、意外な経歴を明らかにする食文化論。

目次

まえがき
第1章 日本のカレー
 1 洋食調味料「御三家」と日本人
   仁義なき日本のカレー・無手勝流
 2 鮑のカレー
 3 まずは漆椀のカレー、和食だけに……
   カレー煮
   カレー椀
 4 油揚げライスカレー
 5 身欠きニシンカレー
 6 蓮根カレー
 7 魚の骨のカレー
 8 里芋と竹輪のカレー餡
 9 カレー粉入り味噌汁
 10 牛肉のカレー味噌焼き
 11 生節のカレーライス
 12 王者エスビーが放つ絶対的ニッポンカレー
 13 ひもかわのカレーチャプスイ
 14 カレーロークス・コロッケ

第2章 日本のマヨネーズ
 1 和食のなかのマヨネーズ
   マヨネーズの規格ができるまで
 2 敗戦後の規格外マヨネーズたち
   大豆粉マヨネーズ
   粉ミルクマヨネーズ
   片栗粉マヨネーズ
   小麦粉マヨネーズ
   馬鈴薯マヨネーズ
   油なしマヨネーズ
   全卵使用のマヨネーズ
   規格外マヨネーズのまとめ
 3 マイナイソースと呼ばれていた頃の初期マヨネーズ
   築地精養軒のマヨネーズ
   村井弦斎夫人のマイナイソース
   板垣伯爵夫人が主宰の料理講習会で教えたマイナイソース
   東伏見宮妃殿下のマヨネーズ
   満蒙開拓団女子訓練所で教えるマヨネーズ
   「酢油ソース」と呼ばれたマヨネーズの作り方
   『軍隊調理法』に書かれたマヨネーズの作り方
 4 「わたし、失敗しないので」マヨネーズ
   スピード・マヨネーズ
   味噌マヨネーズ
   バターマヨネーズ
   二倍に増えるマヨネーズ
   「わたし、失敗しないので」マヨネーズのまとめ
 5 マヨネーズの広告集
   キューピー印マヨネーズの広告
   ダンス印マヨネーズソースの広告
   タマゴマヨネーズとスポーツマン印マヨネーズの広告
   メランジーの広告
   粉末鶏卵の広告
   「キューピーマヨネーズ」――節米とマヨネーズとの関係

第3章 日本のソース
 1 ニッポンのソース道
   日本のソースとは新醬油のことだった
   和食はショーユで洋食はソースなのか?
   ウスターソースの定義
 2 醬油からソースを作る日本人
   終戦直後の家庭でできるソース作り
   調理の専門書でも「醬油からソースを作る」とされていた
   女子大学の先生も醬油からソースを作ると教えていた
   戦前にさかのぼってもソースのもとは醬油だった
   醬油メーカーのソース製造
   専門書に見るウスターソース製造法
   何でも自家調達する軍隊のソース製造法
 3 ソースを使った和食の実例とその証拠となるレシピ
   洋食の日本化とウスターソースが「おソース」になった道のり
    ①鶏の洗いをソースで食べる
    ②馬鈴薯のソース漬け
    ③ソースカツ丼
    ④古沢庵のソース漬け
    ⑤ご飯にソースをかけただけの料理
    ⑥冷奴にウスターソース
    ⑦鯖の昆布巻き蒸しにソースをかける
    ⑧刺し身のグラビアページにソースの広告が……
    ⑨支那の餃子をソースで食べる
    ⑩あの八百善でもソースは新醬油だった
    ⑪一九一五年(大正四年)、ソース煎餅は名物だった
 4 日本「ソース」広告集
   カップ焼きそば用粉末ソースの元祖か?
   広告 ソースの素
   ソース工場と醬油蔵は造りが違う
   フランス仕込みのブドウソース
   家庭でできるソース製造法の本の広告
   醬油とソースが同列に並べられたヒゲタ醬油の広告
   まとめ――何にでも醬油からソースどぼどぼへ

第4章 日本の餃子
 1 日本餃子の始まり
   日本餃子の黎明期
    ①「かうづら」と訳されていた餃子
    ②ビターマンと名付けられた日本餃子
    ③家庭料理本に登場した餃子
    ④日本餃子の系図と都市伝説
    ⑤日本餃子と中国餃子との違い
 2 日本餃子「皮作り」の時代
   餃子の作り方(レシピ)は皮の作り方
   「満州国」大使館員のご夫人指南の餃子
   パンとお菓子の名店が作る餃子の皮はピンク色
 3 「焼き餃子は戦後の日本で始められた」説を覆す資料画像
 4 餃子の皮作りと包み方のイラスト比較
   皮の作り方と包み方のイラスト
   皮作りが餃子の命!がわかるイラスト
   花嫁講座で教える餃子の作り方
   戦後いち早く出版された料理本の餃子イラスト
   包み方の図版比較
 5 手作り皮の洋風餃子?
   ラビオリは洋風餃子だった
   焼き餃子専用鍋が売られていた
 6 餃子のレシピは餡のレシピに
   手作り皮と市販の皮のレシピ比較
   家庭料理の定番になった餃子のレシピ
   一つのレシピに手作り皮と市販の皮が載っていた
 7 餃子の発展型
   自由形の餃子二点
    ①桃とハムの揚げ餃子
    ②卵の餃子
   鍋物の具としての餃子
   餃子の皮で残り物処理料理を
   餃子の皮がおやつに変身
   ジャムのかわりにカレー味でインド風
   餃子のソース焼き
 8 ニッポンの餃子のまとめ
   餃子はもともと中華料理
   餃子作りは家族でおこなうレジャーになった

第5章 肉じゃがの歴史
 1 「肉じゃが」という名前の誕生
   最古?の「肉じゃが」表記
   料理本の料理名から時代が読める
   料理本に「肉じゃが」表記を発見!
 2 肉じゃがと命名される前のじゃが芋のレシピ
   「馬鈴薯の煮やう」ビーフシチュー風肉じゃが
   某軍艦の献立にあった海軍料理
   「甘煮」(うまに)がのちの肉じゃがに
   肉豆腐と肉じゃがが合体した料理
   豚肉を使った肉じゃがの始まり
   豚バラ肉じゃがの源流
   『軍隊調理法』に「肉じゃが」はなかった
 3 肉じゃがという料理名の裾野に広がる「いもとにく」料理
   同一ページに肉じゃが「風」料理が三つ並んだ料理本
   煮崩れない揚げ芋で作る肉じゃが
   ひき肉を使った肉じゃが風煮込み
 4 肉じゃが登場後の発展型
   肉じゃがは煮崩れてなきゃ派のためのレシピもあった
   二十世紀末、肉じゃがの立ち位置は?
 5 「肉じゃがはおふくろの味」伝説を作った料理本の見出し
   おふくろの味が恋しいとき
   「だんなさまの好きないなか料理」にされた肉じゃが
   食べ飽きないおふくろの味
   肉じゃがは飲み屋料理という認識
   おふくろの味好み
   若向きの味にした和食……の肉じゃが
 6 都市労働力を支えた郷愁と肉じゃが
   「いも&にくの煮物」に見る郷土色
   懐かしきおふくろの味のルーツはここにあった
   いもがなぜ「懐かしい・おふくろの味」なのか
 7 肉じゃが「おふくろの味」と「肉じゃが」論
   「おふくろの味」が登場
   肉じゃがには伝統も確立された定義もなかった
   懐かしい味の「懐かしい」のは肉ではなくイモだった
   おふくろの味を作ったおふくろの食生活はこうだった

版元から一言

子どもも大人も大好物のカレーのとろみがついたルーは、インド本場のサラッとした汁カレーがどうやって変わってできあがったのか。
イギリス・ウスター生まれのソース、フランス伝来のマヨネーズも、どんなルートをたどって現在の「和風調味料」に変身したのか。

中国大陸から渡ってきた餃子が「日本各地の餃子」に変身する過程を解明し、「おふくろの味」「手料理」神話の代表=肉じゃがの「戦前から食卓にのぼっていた」イメージを実証的にくつがえす。「肉じゃが」が初めて雑誌に登場したのは、敗戦後の1950年、しかもレシピではなく街レポでの紹介だったのだ!

「食の鑑識家」が明治の文明開化から現在までの家庭雑誌・料理雑誌を徹底的に渉猟してレシピどおりに実作して、食べて、経験豊かな舌で味を分析する。そして、通説とされている輸入史・生育歴に疑問やときにはダメ出しを加える。
鑑識ぶりも、徹頭徹尾、実証主義。「カレー、餃子、肉じゃがの国民食トリオ」が生まれ育った歴史を知る格好の食文化論。

著者プロフィール

魚柄 仁之助  (ウオツカ ジンノスケ)  (

1956年、福岡県生まれ。食文化研究家。著書に『刺し身とジンギスカン――捏造と熱望の日本食』『台所に敗戦はなかった――戦前・戦後をつなぐ日本食』『昭和珍道具図鑑――便利生活への欲望』(いずれも青弓社)、『食育のウソとホント――捏造される「和食の伝統」』『食のリテラシー』(ともにこぶし書房)、『食べかた上手だった日本人――よみがえる昭和モダン時代の知恵』『食ベ物の声を聴け!』(ともに岩波書店)、『冷蔵庫で食品を腐らす日本人――日本の食文化激変の50年史』(朝日新聞社)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。