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総力戦と音楽文化
音と声の戦争
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2008年10月
- 書店発売日
- 2008年10月10日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2018年1月26日
紹介
総力戦体制下の日本で人々は音楽をどのように受容し、メディアはそれをどのように支えていたのか。映画やラジオと音楽の関係、厚生音楽運動、占領地域での音楽普及工作、音感教育の実相などに光を当てて、音と声の戦争を多面的に浮き彫りにする。
目次
はじめに 戸ノ下達也
序章 「戦争・メディア・音楽」のまなざし 戸ノ下達也
1 近代日本の「音楽文化」研究の状況
2 「音楽文化」へのまなざし
3 音楽文化論探究における三つの論点
第1部 音楽の総力戦
第1章 十五年戦争期の「国民音楽」 高岡裕之
1 戦時期文化研究の変容
2 新体制と国民音楽論
3 厚生音楽と国民音楽
第2章 流行歌と映画 古川隆久
1 流行歌にとっての映画
2 映画と音楽の普及動向
3 映画主題歌と流行歌の関係
4 ヒット作と統制の強化――『愛染かつら』以後
第3章 南方占領地域での日本による音楽普及工作 長木誠司
1 日本語教育の一助としての音楽の使用
2 占領地域の音楽活性化
3 フィリピンでの音楽文化工作
4 宗教音楽を通した宣撫活動
第2部 音楽の諸相
第4章 日本人作曲家の「日本的」作曲――一九三〇年代の創作理念 熊沢彩子
1 初期の作曲界
2 転換期の作曲界
3 「国民音楽」論の展開
4 「日本的作曲」論
5 「日本的作曲」の実情――チェレプニンを中心に
第5章 国際文化振興会の対外文化事業――芸能・音楽を用いた事業に注目して 酒井健太郎
1 組織と事業の概観
2 伝統芸能・西洋音楽を使った事業の内容
3 KBSにおける近代性とナショナリズム
第6章 戦争と音感の社会史――国民学校と盲教育界を事例として 上田誠二
1 音感教育の導入過程
2 国民学校における音感教育の実践と展開――神奈川県中郡大磯町を中心に
3 盲教育界における音感教育の実践と防空監視への動員
第7章 ラジオ時代の洋楽文化――洋楽番組の形成過程と制作者の思想を中心に 武田康孝
1 放送開始から機構改革(一九三四年)までの洋楽番組
2 機構改革(一九三四年)から太平洋戦争開始(一九四一年)までの洋楽番組
3 太平洋戦争期から戦後占領期の洋楽番組
おわりに 長木誠司
索引
上記内容は本書刊行時のものです。