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図書館と読書の原風景を求めて 小川 徹(著) - 青弓社
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図書館と読書の原風景を求めて (トショカントドクショノゲンフウケイヲモトメテ)

社会一般
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ18mm
重さ 372g
272ページ
並製
定価 2,600円+税
ISBN
978-4-7872-0072-3   COPY
ISBN 13
9784787200723   COPY
ISBN 10h
4-7872-0072-0   COPY
ISBN 10
4787200720   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0000  
0:一般 0:単行本 00:総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年11月22日
書店発売日
登録日
2019年10月9日
最終更新日
2020年6月15日
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紹介

日本の図書館の原型とされる聖徳太子の書斎や経典を所蔵した経蔵の貸し出し制度、明治時代の各地にできた会員制図書館、20世紀初期に西欧から導入した図書館づくりとアメリカの用品メーカーが与えた影響などを経て現代の図書館が登場するまでの道のりをたどる。

目次

まえがき 小黒浩司

第1篇 古代日本図書館史考 小川 徹

第1章 聖徳太子――著作者として姿を現した最初の人物、その書斎は最古の図書館
 1 隋の皇帝の叱声
 2 太子、斑鳩に移り住む
 3 斑鳩宮での勉学
 4 書物の流転

第2章 図書寮について
 1 経籍について
 2 図書について

第3章 大宰府の書殿

第4章 芸亭一考
 1 石上宅嗣のこと
 2 芸亭を作る
 3 芸亭設置の時期
 4 芸亭の意義

第5章 東大寺のこと
 1 華厳別供、もしくは華厳供所
 2 図書館としての役割をもつ経蔵

第6章 古代における「司書」の姿――東大寺学僧・智憬に及ぶ
 1 経典の貸し出し・返却の担当者
 2 東大寺華厳宗の学僧・智憬のこと

第7章 奈良時代の経典の貸し借り、所蔵の様子について
 1 仏教の伝来、経典の到来、写経
 2 所蔵された経典の貸し借りの様子など
 3 寺院の経蔵について
 4 蔵書家だった学僧、大安寺僧・審詳の場合

第2篇 経蔵考 小黒浩司

第1章 古代――校倉造の経蔵
 1 唐招提寺の経蔵
 2 校倉造について
 3 唐招提寺経蔵後方の滄海について

第2章 中世――鎌倉時代の経蔵
 1 中国における経典印刷
 2 日宋間の交流
 3 禅宗の伝来と新興宗派の興起

第3章 輪蔵
 1 経蔵内の排架
 2 中国における輪蔵の登場
 3 仏教の大衆化
 4 信仰と営利

第4章 近世――日本における輪蔵
 1 仏教の世俗化と輪蔵
 2 経典印刷技術の向上
 3 幕府の宗教政策
 4 土蔵造の輪蔵

第5章 読書のかたち――『禅苑清規』にみる
 1 『禅苑清規』とは
 2 禅林での読書
 3 再び信仰と営利について

第3篇 佐野友三郎補記と寸感 小川 徹

第1章 佐野友三郎「日本の公共図書館」

第2章 佐野友三郎は“reference”を「閲覧」と理解していた

第3章 佐野友三郎、台湾総督府在職中のこと

第4章 佐野友三郎の辞世の句

第5章 余話ひとつ――「代読」

第6章 「佐野文夫文庫」補考

第7章 安曇青年会書籍館覚書

第4篇 図書館運動の諸相――会員制図書館の系譜と展開 奥泉和久

序 章
 1 会員制図書館の定義
 2 先行研究
 3 分析の視点

第1章 会員制図書館の概要
 1 会員制図書館の類型:その1
 2 会員制図書館の類型:その2――本篇での種別について

第2章 団体内に設置された図書館
 1 団体による図書館運営
 2 小学校同窓会・校友会図書館
 3 地域・産業

第3章 住民有志による図書館運動
 1 旧藩士による運動
 2 小学校教員による運動
 3 地方行政官の場合
 4 地域の名望家の場合
 5 個人会員の広がり

第4章 趣意書は何を物語るのか
 1 趣意書作成の経緯
 2 共同購入による書籍の共有
 3 読書の効能
 4 資料の保存と継承
 5 教育環境の整備

第5章 図書館運動の展開
 1 図書館の運営と継承
 2 団体内に設置された図書館
 3 住民有志による図書館運営の状況

第5篇 日本におけるライブラリー・ビューロー製の図書館用品――三井文庫所蔵の三井物産資料を中心に 小黒浩司

第1章 三井物産の経営の展開

第2章 LBとの代理店契約の締結

第3章 LBの岐路

第4章 代理店契約の更新

第5章 三井物産取扱のLB品目

第6章 幻の「日本ライブラリー・ビューロー」

第7章 代理店契約の解除

第8章 日本鋼鉄家具との関係

あとがき 奥泉和久

索引

版元から一言

誰でも無料で気軽に利用できる近代的な図書館は、20世紀ごろ、欧米の図書館制度を参考にして誕生したといわれている。ところが、『万葉集』の時代、太宰府の書殿はすでに図書館として機能していた。

私設の図書館を作っていた聖徳太子が過ごした斑鳩宮の一室や、中国の経典を所蔵した経蔵の貸し出しシステムなどからは、日本独自の図書館の起源がみえる。
また、明治時代の自由民権運動や青年会運動を背景に全国各地で起きた会員制図書館の潮流は、近代の公共図書館づくりの原型になった。
そのほか、20世紀初期に図書館づくりに携わった佐野友三郎の奮闘や、同じ頃にアメリカの図書館用品メーカーが日本の図書館づくりに与えた影響からは、現代の図書館が登場するまでの道のりが浮かび上がる。

図書館史に精通した3人が、古代から近代までの時代を貫いて、膨大な資料を丁寧にひもときながらかつての図書館を掘り起こし、現代の図書館につながる豊かなイメージを鮮やかに描き出す。

著者プロフィール

小川 徹  (オガワ トオル)  (

1933年、京都府生まれ。元法政大学図書館司書、のち同大学文学部教員(司書資格課程担当)。日本図書館文化史研究会、としょかん文庫・友の会、小金井市の図書館を考える会などの会員。共編著に『図書館史』(教育史料出版会)、共著に『人物でたどる日本の図書館の歴史』(青弓社)、『公共図書館サービス・運動の歴史』(全2巻、日本図書館協会)など。

奥泉 和久  (オクイズミ カズヒサ)  (

1950年、東京都生まれ。元横浜女子短期大学図書館司書。日本図書館文化史研究会、日本図書館研究会、としょかん文庫・友の会などの会員。著書に『図書館史の書き方・学び方』、編著に『近代日本公共図書館年表』(ともに日本図書館協会)、共著に『人物でたどる日本の図書館の歴史』(青弓社)など。

小黒 浩司  (オグロ コウジ)  (

1957年、東京都生まれ。作新学院大学教員。日本図書館文化史研究会、日本図書館情報学会、日本図書館研究会などの会員。著書に『図書館をめぐる日中の近代』(青弓社)、編著に『図書・図書館史』(日本図書館協会)、『図書館資料論』(東京書籍)、編・解題に『図書館用品カタログ集成』(全5巻、金沢文圃閣)、共著に『人物でたどる日本の図書館の歴史』(青弓社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。