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人物でたどる日本の図書館の歴史

社会一般 ラノベ

小川 徹(著), 奥泉 和久(著), 小黒 浩司(著)
発行:青弓社

A5判   664頁  上製
価格 8,000円+税

ISBN 978-4-7872-0060-0   C0000
在庫あり(出版社情報)

奥付の初版発行年月 2016年6月
書店発売日 2016年6月30日
登録日 2016年2月19日

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重版情報

3刷 出来予定日:2017-02-20
2刷 出来予定日:2016-08-09
コメント:ご好評をいただき、おかげさまで3刷出来です。日本の図書館の草創期に活躍した5人の業績を丹念にたどる労作を、ぜひお手にとってごらんください。

紹介

佐野友三郎、浜畑栄造、田所糧助、韮塚一三郎、森博――日本の図書館の草創期に、人知れず苦闘を重ねて「開かれた図書館」づくりに邁進した5人の業績を丹念にたどり、公共図書館が市民生活に及ぼした意義と実現した成果を多くの史料をもとに描く労作。

目次

刊行にあたって 奥泉和久

第1篇 佐野友三郎伝 小川 徹

第1部 佐野友三郎の足跡

第1章 図書館の道を歩みだす迄――1864~1899年
 1 群馬県で育つ
 2 上京して攻玉社に入る
 3 東京大学予備門に進む
 4 東京大学学生として
 5 大学を中退して中学の教師になる
 6 日清戦争に従軍する
 7 台湾総督府に勤める

第2章 秋田県立秋田図書館長として――1900~1903年
 1 県立図書館を求める声
 2 秋田県知事武田千代三郎着任、県立図書館設立準備進む
 3 秋田県立秋田図書館、開館する
 4 佐野に声をかける
 5 武田知事、佐野について語る
 6 佐野、着任する
 7 県立秋田図書館への声
 8 1900年末の通常県会で:図書館移転についての議論
 9 巡回文庫の実施
 10 巡回文庫の運行
 11 図書費の削減
 12 佐野、体調をくずす
 13 佐野、秋田を去る

第3章 山口県立山口図書館長となる――1903年
 1 図書館を求める声が出てくる
 2 山口県知事武田千代三郎着任
 3 佐野を山口に呼ぶ
 4 佐野、近藤清石を訪ねる
 5 図書の購入・寄贈依頼
 6 住所・暮らし向きなど
 7 県立山口図書館、歩み出す
 8 夜間開館はじまる
 9 1903年末の通常県会での予算審議:図書費の減額
 10 巡回書庫が動き出す

第4章 サービスの輪を広げていく――1904~1912年
 1 「山口県立山口図書館報告」の刊行
 2 書庫増設を求める
 3 山口県内図書館関係者大会
 4 図書貸出条件の緩和
 5 開館時間延長を求める
 6 図書費増を求める
 7 佐野館長の日々の一端
 8 明治末年頃の「児童室」・婦人閲覧室
 9 明治天皇逝去、その時佐野は
 10 県立山口図書館、曝書中のある日

第5章 受洗、渡米、病む――1913~1918年
 1 子息文夫、大学を退学となる
 2 台湾総督府図書館初代館長への誘い
 3 洗礼を受ける
 4 『通俗図書館の経営』刊行
 5 アメリカへ行く
 6 病んで、つきつめて考え込む
 7 日本図書館協会山口支部できる
 8 県会で石津太助議員が図書館に関わる問題をとりあげる

第6章 中川望山口県知事に期待を寄せる――1918~1919年
 1 中川知事着任
 2 府県立図書館長会議に出席する
 3 煉瓦造書庫できる
 4 選書について
 5 ザビエルについて語る
 6 第14回日本図書館協会全国図書館大会
 7 県立図書館児童室専任の職員を求めて
 8 中国古典籍収集にも目配り

第7章 佐野、最期の年――1920年
 1 転職の話
 2 府県立図書館部会に出席する
 3 岩国図書館のこと
 4 体調不良の日々
 5 亡くなる
 6 その後のこと

おわりに

あとがき

佐野友三郎年譜

第2部 補論

補論1 佐野友三郎訳『ディクソン英文典直訳』について
 1 著者ディクソン(James Main Dixon)について
 2 ディクソンの著作
 3 “English lessons for Japanese students”について
 4 佐野友三郎訳『ディクソン英文典直訳』攻玉社蔵板について
 5 漱石・子規が使った“English lessons for Japanese students”について
 6 補記

補論2 佐野が読んだ図書館関係洋書・洋雑誌について
 1 秋田県立秋田図書館時代
 2 山口県立山口図書館時代
 3 法政大学図書館所蔵「佐野文夫文庫」所収佐野友三郎旧蔵書について

補論3 法政大学図書館所蔵「佐野文夫文庫」について
 1 佐野文夫の蔵書に父親友三郎の図書館関係の図書が入っていることについて
 2 東京社会科学研究所のこと
 3 「佐野文夫文庫」受入をめぐって
 4 佐野家はどうしたのか
 5 法政大学の事情
 6 再考「佐野文夫文庫」受入をめぐって
 7 おわりに

第3部 資料

資料1 「防長新聞」に掲載された佐野の論稿
 1 巡回文庫の話
 2 本県の図書館事業
 3 通俗図書館に就て
 4 本県の図書館
 5 山口重要史蹟:山口に於けるザビエ 佐野館長談
 6 教育談片三〇

資料2 佐野追悼文

資料3 書簡
 1 佐野の田中稲城宛書簡
 2 佐野の本間俊平宛書簡
 3 佐野文夫の本間俊平宛書簡
 4 佐野きみの本間俊平とその妻宛書簡

第2篇 新宮市立図書館長浜畑栄造更迭始末 小黒浩司

はじめに

第1章 新宮の2つの図書館
 1 丹鶴同窓会附属新宮図書館
 2 大石誠之助らの「縦覧所」
 3 「縦覧所」の所蔵資料と活動
 4 「縦覧所」開設の背景

第2章 浜畑栄造と大逆事件
 1 大逆事件後の新宮
 2 浜畑栄造の『熊野郷土読本』
 3 新宮への帰郷
 4 新宮市立図書館と熊野文化会

第3章 「新宮の町は恐懼せり」
 1 「熊野誌」の大石特集号
 2 大石誠之助の遺稿集
 3 館長更迭
 4 沈黙する町

おわりに

浜畑栄造略年譜

第3篇 忘れられた図書館員、田所糧助――図書館員として歩んだ道のりをたどって 奥泉和久

序章
 1 田所糧助の評価について
 2 田所を取り上げる理由
 3 田所再評価の視点

第1章 図書館創設請負人、田所糧助
 1 東京市立氷川図書館時代 1913―20年
 2 名古屋公衆図書館時代 1924―25年
 3 大阪市立城東図書館時代 1926―27年

第2章 東京市立図書館の復興計画と田所糧助
 1 関東大震災直後
 2 開架式閲覧をめぐって

第3章 深川図書館時代――1927―35年
 1 田所の東京市立図書館復帰とその後
 2 戦争の足音を聞きながら

おわりに――歴史から姿を消した図書館員

資料 一橋図書館「日誌」抄

田所糧助略年譜

第4篇 「図書館の自由に関する宣言」淵源考――韮塚一三郎の生涯 小黒浩司

はじめに

第1章 青年期の韮塚
 1 埼玉師範に学ぶ
 2 青年教師時代
 3 埼玉県初等教育研究会委員長
 4 埼玉師範附属小訓導
 5 首席訓導
 6 県視学

第2章 県立図書館長としての韮塚
 1 附属小教育の「刷新」
 2 転機
 3 県立図書館改革
 4 図書館運営補助金問題
 5 「図書館の危機」

おわりに

韮塚一三郎略年譜

第5篇 森博、図書館実践とその思想 奥泉和久

第1部 論考:森博、図書館実践とその思想

序章 森博研究 その意義と目的

第1章 静岡県気賀町立図書館時代
 1 気賀町立図書館の活動
 2 気賀町立図書館時代の意義

第2章 大田区立図書館時代の活動を中心に
 1 大田区立図書館創設期から開館まで
 2 池上図書館時代
 3 大田区立洗足池図書館時代

第3章 公共図書館の基盤整備
 1 レファレンスサービス普及のために
 2 『日本の参考図書』の編集
 3 『中小レポート』、日野市立図書館との関わり

第4章 東京都の図書館政策をめぐって
 1 都立日比谷図書館協議会の答申、東公図の対応
 2 『東京都公共図書館の現状と問題点 1963』の作成
 3 東京都の図書館政策の実現へ向けて

おわりに

森博略年譜

第2部 森博と4人の図書館員――インタビュー記録

第1章 森先生ノート――福嶋礼子
 1 気賀町立図書館に入るまで
 2 気賀町立図書館発足まで
 3 気賀町立図書館時代
 4 大田区立図書館時代
 5 ミシガン大学 アジア図書館時代
 6 都立日比谷図書館時代
 7 ご家族のこと

資料1 福嶋礼子 私の履歴書――1931―92

資料2 森博 図書館日誌――1950.5.5―5.20

第2章 菅原勲インタビュー記録――大田区立図書館時代を中心に
 1 大田区立池上図書館時代を中心に
 2 『日本の参考図書』との関わりなど
 3 洗足池図書館へ移る
 4 質疑

第3章 鈴木健市インタビュー記録――森博との関わりを中心に
 1 鈴木、磐田市立図書館に勤める
 2 森博との出会い
 3 鈴木、気賀町立図書館へ通う
 4 森、気賀町立図書館を辞める
 5 大田区立洗足池図書館時代の森との交流
 資料 鈴木健市 森博先生の思い出

第4章 松田不秋インタビュー記録――静岡県気賀町立図書館時代を中心に
 1 森博との出会い
 2 気賀町立図書館の発足まで
 3 図書館に関わるきっかけ
 4 気賀町立図書館の開館
 5 サービスの開始
 6 青年たちと図書館
 7 森との関わり
 8 森が図書館を辞めた理由
 9 森の図書館への思い
 10 松田、休職の経緯
 11 森が去ったあとに

おわりに 小黒浩司

人名索引

版元から一言

1900年代、秋田県と山口県に図書館を設置するために奮闘し、両県の図書館長として運営に力を注いだ佐野友三郎、幸徳秋水らが明治天皇暗殺計画を企てたというフレームアップで検挙された大逆事件の関係者の地・和歌山県新宮市の図書館長浜畑栄造、東京市立図書館の関東大震災からの復興に尽力した田所糧助、埼玉県立図書館長として「図書館の自由に関する宣言」制定に大きなはたらきを示した韮塚一三郎、大田区立洗足池図書館館長として大規模(8万冊を収蔵)な自由開架閲覧を採用し、『日本の参考図書』の執筆・編集でレファレンスサービスの環境整備に成果を残した森博。
この5人の業績に光を当て、公共図書館が市民生活に及ぼした意義と実現した成果を多くの史料をもとに描く、図書館100年の歴史。
写真多数を所収。

著者プロフィール

小川 徹(オガワ トオル)

1933年、京都府生まれ。元法政大学図書館司書、のち同大学文学部教員(司書資格課程担当)。日本図書館文化史研究会、としょかん文庫・友の会、小金井市の図書館を考える会などの会員。共編著に『図書館史』(教育史料出版会)、共著に『公共図書館サービス・運動の歴史』(日本図書館協会)など。

奥泉 和久(オクイズミ カズヒサ)

1950年、東京都生まれ。元横浜女子短期大学図書館司書、現在、法政大学兼任講師。日本図書館文化史研究会、日本図書館研究会、としょかん文庫・友の会などの会員。著書に『図書館史の書き方・学び方』、編著に『近代日本公共図書館年表』(いずれも日本図書館協会)など。

小黒 浩司(オグロ コウジ)

1957年、東京都生まれ。作新学院大学教員。日本図書館文化史研究会、日本図書館情報学会、日本図書館研究会などの会員。著書に『図書館をめぐる日中の近代』(青弓社)、編著に『図書・図書館史』(日本図書館協会)、『図書館資料論』(東京書籍)など。

上記内容は本書刊行時のものです。