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プラナリアたちの巧みな生殖戦略 小林 一也(著/文) - 裳華房
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プラナリアたちの巧みな生殖戦略 (プラナリアタチノタクミナセイショクセンリャク)

自然科学
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発行:裳華房
四六判
180ページ
定価 1,400円+税
ISBN
978-4-7853-5125-0   COPY
ISBN 13
9784785351250   COPY
ISBN 10h
4-7853-5125-X   COPY
ISBN 10
478535125X   COPY
出版者記号
7853   COPY
Cコード
C3045  
3:専門 0:単行本 45:生物学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年11月2日
最終更新日
2017年11月2日
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紹介

 体を細かく切っても、それぞれが一人前に再生する現象がよく知られるプラナリア(ウズムシ)。
 扁形動物門渦虫綱に属するプラナリアたち(ヒラムシやマクロストマムなどを含む)は、無性生殖と有性生殖とを転換したり、特異な交尾行動をするなど、ちょっと変わった生殖戦略をもっています。本書は、このプラナリアたちの生き残りのための、巧みで不思議な生殖戦略をわかりやすく紹介します。
 本書を通じて、現存する生物たちが、長い進化の歴史の中で獲得してきた生き残りのための作戦が、とても巧妙かつ多様であり、と同時に、その多様性には共通する普遍性があることを学び取っていただければ幸いです。

目次

1.プラナリアとはどんな動物?
 1.1 本書で紹介する動物について -分類学的側面から理解する-
 1.2 ウズムシ類(三岐腸目)
 1.3 ヒラムシ類(多岐腸目)
 1.4 マクロストマム類(多食目)
 1.5 プラナリアの多能性幹細胞(ネオブラスト)

2.さまざまな動物からわかってきた「生殖」に関する共通の考え方
 2.1 配偶子(卵子や精子)をつくるための特殊な細胞分裂:減数分裂
 2.2 生殖細胞は世代を越えて受け継がれている:生命の連続性
 2.3 哺乳類の生殖方法:有性生殖に限定されていて無性生殖は行わない
 2.4 雌雄異体と雌雄同体での性淘汰について
 2.5 雌雄異体と雌雄同体の性配分について
 2.6 この章のまとめ

3.ウズムシの有性生殖と無性生殖
 3.1 ウズムシの生殖器官について
 3.2 ウズムシの交尾行動と産卵
 3.3 ウズムシの生殖細胞の決定について
 3.4 横分裂/再生による栄養生殖型の無性生殖
 3.5 栄養生殖型の無性生殖と倍数性
 3.6 精子依存性単為生殖型の無性生殖で「不定期に生じる性」

4.ウズムシの栄養生殖型無性生殖と有性生殖との間の転換現象
 4.1 季節によって二つの生殖様式を転換するウズムシ
 4.2 実験的有性化の歴史
 4.3 リュウキュウナミウズムシOH株の有性化系
 4.4 有性化における特異点:有性化回避不能点について
 4.5 有性化における特異点:無性生殖の停止点について
 4.6 三倍体である有性化個体の生殖方法は単為生殖型か?
 4.7 リュウキュウナミウズムシ有性個体は生殖戦略的に2タイプに分けられる
 4.8 プラナリアのテロメアの話

5.ヒラムシ、マクロストマムの生殖行動
 5.1 武器はアレです -ヒラムシのペニスフェンシング-
 5.2 卵子にする?それとも精子? -マクロストマム・リニアーノの性配分-
 5.3 それ何の意味があるの? -マクロストマム・リニアーノの奇妙な生殖行動-
 5.4 ペニスに頭突き!? -マクロストマム・ヒストリクスの自家受精-
 5.5 マクロストマム近縁種からわかる生殖行動と精子のかたちの進化

6.プラナリアの生き残り作戦から考える
 6.1 ウズムシ以外の栄養生殖型無性生殖と有性生殖の転換現象
 6.2 単為生殖から有性生殖への切り替え現象
 6.3 単為生殖しかしない動物がいる!? -進化学的スキャンダル-
 6.4 哺乳類が単為生殖を行わないわけ
 6.5 三倍体カエルの性
 6.6 性淘汰の観点から見るよそさまの事情
 6.7 おわりに -プラナリアに関心のある若い方へ-

著者プロフィール

小林 一也  (コバヤシ カズヤ)  (著/文

弘前大学准教授、博士(理学)。1970年 北海道に生まれる。弘前大学理学部卒業、東京工業大学大学院生命理工学研究科博士課程修了。慶應義塾大学特別研究助手、チュービンゲン大学(ドイツ)博士研究員、慶應義塾大学助教・特任講師などを経て現職。

関井 清乃  (セキイ キヨノ)  (著/文

弘前大学博士研究員、Ph.D.。1982年 茨城県に生まれる。スイス・バーゼル大学自然科学部博士課程修了。

上記内容は本書刊行時のものです。