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ドラキュラの精神史
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年12月
- 書店発売日
- 2016年12月22日
- 登録日
- 2016年10月17日
- 最終更新日
- 2019年1月30日
紹介
境界を「超える(トランス)」ドラキュラ像!
「ドラキュラ」の名前ぐらいは誰しもが知っている。
それほど、私たちの日常にいつの間にか
入り込んでいるドラキュラの実像を、
原作小説を綿密にたどることによってあぶり出す。
◎単なる被害者にしか見えない
ジョナサンとミナのハーカー夫妻だが、
彼らはどのような役目をはたすのか?
◎オランダからやってきたヴァン・ヘルシング教授、
さらに精神病院を経営するシュワード博士とは
いったい何者で、ドラキュラ伯爵と
身体と精神のレヴェルでどんな戦いをしているのか?
◎そもそもこの小説が
五月三日の日付で始まり十一月六日で終わったのは
なぜなのか?
◎タイプライターや写真といった
新しいメディアや流行を取り入れているのは、
社会風俗を描く「新機軸」(平井呈一)にすぎないのか?
目次
はじめに ドラキュラは死なない
第1章 異邦のなかの異邦人
オリエントに迷い込んだ者
オリエントから迷い込んだ者
ドラキュラのオリエント化計画
第2章 戦争としての『ドラキュラ』
ドラキュラと聖戦の記憶
トランシルヴァニアとアメリカ
大英帝国を防衛する
第3章 身体という戦場
ヴァン・ヘルシングと身体の争奪戦
帝国よりも大きくゆるやかに
ルーシーとミナの結びつき
第4章 精神という戦場
ヒステリーと睡眠不足
見えない意識を探る=操る
欲望の封印と孤独の治療
第5章 ホラーとテラーの間で
外部をむさぼり食らうロンドン
アイルランドとドラキュラ
火薬とテロリズム
第6章 視覚的に増殖する
ドラキュラと暗い部屋
映画に変身するドラキュラ
孤高の伯爵から学校の友だちへ
第7章 ジャパネスク・ドラキュラ
小説の日本化の試み
横溝正史『髑髏検校』
半村良『石の血脈』
山田正紀『氷河民族/流氷民族』
小野不由美『屍鬼』
萩耿介『鹿鳴館のドラクラ』
ドラキュラの日本化
おわりに 複製されるドラキュラ
上記内容は本書刊行時のものです。