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記憶と風景
間文化社会ケベックのエクリチュール
原書: Mémoire et paysage : Le Québec et ses écritures interculturelles
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年12月
- 書店発売日
- 2021年12月22日
- 登録日
- 2021年11月17日
- 最終更新日
- 2021年12月16日
紹介
「記憶」を掘り起こしながら持続可能な未来を思い描き、豊かな四季の「風景」を
描写することは多くの小説に共通する要素である。
本書は、ケベック文学を一望する体系的研究というものではなく、
以前から書き溜めてきたケベック文学に関する論考を
「記憶」と「風景」というテーマで再び書き直し、筆者の心に留まった作品を
読解していったものである。
本書への接し方としては、二十世紀初頭から現在に至るまでのケベック文学の
主な傾向を概観する第1章を最初に一読すれば、あとはどこから読んでもよい。
ケベック州は、フランス系の移住者が新大陸に渡ってから四百年あまり、
数多の困難を乗り越えたくましく生きてきた地域である。
現在は、圧倒的な英語圏である北米大陸にありながら、仕事も日常生活も
祖先から受け継ぐ仏語で行い、しかも多様な民族へと開かれたユニークな
間文化社会を実現している。そこでは、文学は、仏語を維持しつつ、
異なる者同士が文化的背景について語り合いながら、互いに理解し合うための
重要な媒体となっているのである。
[内容・目次]
(1)ケベック文学へのいざない―多様性に開かれるフランス語
(2)小さな幸福の権利―ガブリエル・ロワ『束の間の幸福』における身体と風景の描写
(3)アンヌ・エベールが描くケベック女性―生誕100周年にちなんで
(4)ポエジーとサスペンスのあいだで―アンヌ・エベール『シロカツオドリ』の海景(5)詩的象徴性と「移住(者)のエクリチュール」
(6)旅・亡命・帰還・彷徨―ダニー・ラフェリエール『帰還の謎』
(7)漂流と記憶―ダニー・ラフェリエール『甘い漂流』
(8)イン・チェンの小説における象徴性―『岸辺は遠く』
(9)ケベックの先住民社会―ナオミ・フォンテーヌ『クエシパン、あなたへ』
(10)森と記憶―ジョスリーヌ・ソシエ『鳥たちの雨』
目次
(1)ケベック文学へのいざない―多様性に開かれるフランス語
(2)小さな幸福の権利―ガブリエル・ロワ『束の間の幸福』における身体と風景の描写
(3)アンヌ・エベールが描くケベック女性―生誕100周年にちなんで
(4)ポエジーとサスペンスのあいだで―アンヌ・エベール『シロカツオドリ』の海景(5)詩的象徴性と「移住(者)のエクリチュール」
(6)旅・亡命・帰還・彷徨―ダニー・ラフェリエール『帰還の謎』
(7)漂流と記憶―ダニー・ラフェリエール『甘い漂流』
(8)イン・チェンの小説における象徴性―『岸辺は遠く』
(9)ケベックの先住民社会―ナオミ・フォンテーヌ『クエシパン、あなたへ』
(10)森と記憶―ジョスリーヌ・ソシエ『鳥たちの雨』
上記内容は本書刊行時のものです。