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日韓条約の成立
李東元回想録 椎名悦三郎との友情
- 出版社在庫情報
- 在庫僅少
- 初版年月日
- 2016年9月
- 書店発売日
- 2016年9月13日
- 登録日
- 2016年4月19日
- 最終更新日
- 2021年1月13日
紹介
1965年、日韓の新たな歴史への扉はこうして開かれた!
戦前の「36年間」、いや実質的には40年以上も
朝鮮半島は北の白頭山から南の済州島まで
丸ごと日本の植民地であった。
その間、朝鮮は歴史も文化も、民族性も踏みにじられたが、
償われることなく戦後を迎えた。その傷痕は「従軍慰安婦問題」
などのように、いまだ尾を引いている。
戦後、朝鮮は分断され、朝鮮戦争を経た後、引き続く冷戦状況
の中で、韓国は日本と同じ西側に属するようになった。
しかし、日韓は同じアメリカの傘の下に入ったのにもかかわらず、
戦前の問題についての認識が違いすぎて、
「日韓交渉」は十数年もぎくしゃくし、噛み合わなかった。
そこに登場したのが、本書の著者である
韓国の外務大臣・李東元と一方の立役者、椎名悦三郎外務大臣である。
二人はけっして外務官僚ではなかった。面子にこだわることなく
「外交」の鉄則である「妥協→妥結」を心得ていた。
お互いの信頼と約束を遵守する精神が、深い溝を埋めて
ようやく妥協点に達した。
そして二人は、よりよい関係の構築を次代に託したのだ。
本書は、50年前に結ばれた「日韓条約」の成立に漕ぎ着くまでの
二人の苦心談と日韓の政治状況を李東元が率直に書き残した
貴重な回想録である。
現在、日韓の間では、年間500万人以上の人が往き来しているが、
その基盤になっているのがこの条約である。
にもかかわらず、この条約にすべてを賭けた二人のことが
すっかり忘れ去られているのが、いかにも残念だと、
訳者の具末謨は述べている。
目次
序章 わが生い立ちと大統領との出会い
第一部 日韓条約締結秘話
1 「明治維新」的志士・朴正煕
2 椎名は「幸運配達人」
3 頭を上げた李承晩と頭を下げた朴正煕
4 平和の「神風」
5 「酒を一杯……」長官室で
6 尹潽善と椎名悦三郎
7 清雲閣の夢
8 「君が代わりに長官をやれッ!」
9 天皇裕仁の純真無垢
10 皇居に残した昭和元年生まれの笑顔
11 「李長官以外は皆死んでいるだろう」
12 「こんな書類を持って来るのに十五年も……」
第二部 外交回顧と教訓
1 椎名の遺言
2 「地位」は短くとも「名」は長い
3 「南北国連同時加盟」は二十五も年を取った
4 洗練された李秉喆と大ざっぱな鄭周水
5 あの時、陸女史でなく朴正煕だったら……
6 「五年」の刑を受けて生まれた維新体制
7 朴正煕と織田信長
8 「政権は変わっても外交は残る」
9 アジアよ! 夢を写そう
訳者あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。