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ポルノ・ムービーの映像美学
エディソンからアンドリュー・ブレイクまで 視線と扇情の文化史
原書: THE VISUAL AESTHETICS OF PORN MOVIE
- 出版社在庫情報
- 在庫僅少
- 初版年月日
- 2016年6月
- 書店発売日
- 2016年6月29日
- 登録日
- 2016年2月15日
- 最終更新日
- 2023年5月31日
重版情報
2刷 | 出来予定日: 2017-06-21 |
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重版2刷り出来! |
紹介
サエキ・けんぞう、中原昌也、ヴィヴィアン佐藤、各氏推薦(帯文)!!
ポルノ・ムービーの誕生から、倫理コードとの知られざる攻防、
いつどこでどのように公的に認められ、映画史のなかで発展していったのか?
「視線」と「扇情」をキーワードに
ポルノ・ムービーの100年にわたる光芒史を体系化する野心作!
本書は、映画草創期から存在したポルノ・ムービーを
時代のエポックとともに追うことで、いままで正当に語られることのなかったこの知られざる映画文化をさまざまな視点から歴史的に体系化しようという試み。
サイレント期から始まる映画の内容、あるいは撮影技法の変遷を辿り、
女優や監督たちの知られざる個人の物語を紡ぎ、そしてまた、
これまでファッション史や視覚文化に関わる本を書いてきた
著者ならではの独自の視点によって、映画に登場する流行風俗や身体文化を
「拡張したエロティシズム」の世界像として読み解く。
ポルノのなかに潜む映像美学、その実験性、先進性、あるいは流派などを500点以上の図版とともに分析することで、実際にその映画を観てなくとも、ポルノ100年の歴史と文化を多面的に理解できるように工夫がなされている。
アメリカを中心に100 年にわたる年代記として辿り、巻末には120人に及ぶ女優・男優名鑑を添えることでポルノ・ムービーに関わる事象・人物を網羅。
38万字という膨大な文字量でポルノ・ムービー100 年の歴史を辿るまさに百科全書となりえる画期的な文化史。
目次
1.日本におけるサンドラ・ジュリアン神話の成立
外国産ソフトコアと東映「ポルノ」路線/宣伝用語としての「ポルノ」ブーム/ヨーロッパ女優の活躍とDVD BOXセットでの復活/ポルノ上映館と雑誌『ぴあ』
2.映画草創期からアンダーグラウンドで製作されたポルノ・ムービー
エロティック・フィルムの始まり/最初期のハードコア・ポルノ・ムービー/16ミリフィルムの誕生/〝スタッグ・フィルム〟と〝ブルー・ムービー〟
3.「プレ・コード・ハリウッド」という映画群
規制が厳密に運用される以前のハリウッド映画/ロスコー・アーバックル事件と酒池肉林のハリウッド
4.反悪徳十字軍としてのコムストック法
郵便物規制として始まったコムストック法/アンソニー・コムストックと「彼の法律」
5.カトリック矯風団とヘイズ/ブリーンによる検閲厳格化
カトリック側によるハリウッド映画界への攻撃/製作規制委員会の組織化による規制の厳密化
6.スタッグ・フィルムからセクスプロイテーション映画へ
1930年代のスタッグ・フィルム/ハリウッドのスタジオ・システムの崩壊/エキゾチズムとヌーディズム/バーレスク=ストリップ・ティーズ/ドリス・ウィッシュマンとヌーディズム映画/アーヴィング・クロウとボンデージ・フェティシズム
7.ラス・メイヤーとヌーディ・キューティの時代
認められなかったヌーディ・キューティ映画の多作家、バリー・マホン/ミスター・ティーズ、ヌーディ・キューティ映画の誕生/なし崩しに形骸化していったヘイズ・コード/セクスプロイテーション映画の雄、ラス・メイヤー/ポルノ解禁前夜のエロティック事情
8.セクシュアル・レヴォリューションと「ポルノ解禁」
〈グローブ・プレス〉と『私は好奇心の強い女』/エロティック出版と裁判/『ディープ・スロート』とジェラルド・ダミアーノ/『グリーンドア』と〝ポルノ・シック〟
ポルノ解禁と反動/ラドリー・メツガー=ヘンリー・パリスの映像美学/二人の監督人生を終わらせたフレッシュ・ゴードン/ファンタジー・ポルノのメルクマール、『アリス・イン・ワンダーランド』/『スルー・ザ・ルッキング・グラス』、鏡面世界の誘惑/歌って踊る『シンデレラ2000』は、2047年の未来世界
9.アダルト・フィルム・グラフィックス
バンビは森のどこに消えてしまったの?/ツートーン・グラフィックス/大手広告代理店のポルノ広告への参入/匿名イラストレーターらの活躍/未来イメージと懐古イメージ
10.ゴールデン・エイジ・オブ・ポルノ
ビデオ・デッキの登場とポルノ産業の巨大化/ブルーフィルムを「再発見」した監督アレックス・デレンジー/アンソニー・スピネリ、ストレート映画での挫折とポルノ/ロジャー・コーマンの門下生だったロバート・マッカラム
11.百花繚乱の女優たちとフィルム撮り大作
インテリ美女、ジュリエット・アンダーソン/ポルノ・ムービー・アワードの変遷/華やかさと演技力が魅力だったヴェロニカ・ハート/シャーナ・グラントはなぜライフルの引き金を弾いたか/トレイシー・ローズと年齢詐称事件/ポルノ黄金期を彩ったそのほかの女優たち/エイズ禍とレーガン政権によるポルノ業界弾圧
12.ゴールデン・エイジの終焉とリンス・ドリームの夢なき世界
第三次世界大戦後のセックスを描いた奇作『カフェ・フレッシュ』/ドイツ表現主義を継承した『Dr.カリガリ』/常識化する陰毛のケアという人工性にみちた「技法」
13.アンドリュー・ブレイクによる洗練を極めたポルノ神殿
アンドリュー・ブレイクがポルノ・ムービーの文体を変えた /裏ビデオ販売からP2Pの時代、オリジナル映像流通の国内事情 /ブレイクの最高の洗練を示す三作品/下着のエロティシズム/ブレイクの亜流、キャメロン・グラント
14.ゴージャスでネイキッドな90年代的ボディ
ディケイドによる変化と肉体性の顕現/90年代前半最強のエロ、トリー・ウェルズ/ヴィクトリア・パリス、作られたパーフェクト・ボディ/90年代を象徴するゴージャス・ボディ、セレステ/エイジア・キャレラはIQ156/絶世の美女レイヴン/クリスティ・キャニオンは性格がよかった
15.ニューウェイヴ・フッカーズから90年代の新鋭監督へ
グレゴリー・ダークは「ダーク・ブラザーズ」として自分たちをブランド化した/ジョン・スタグリアーノ、ゴンゾ・ポルノと尻フェティシズム/ジョン・レスリー、名俳優は、名監督となった/マイケル・ニン、CGとボンデージのクラブ世代監督
16.そしてマーク・ドルセルだけが残った。
エレガントでエロティックだった『ル・パルファム・ド・マチルダ』 /フレンチ・ポルノを担った監督、ミシェル・リショー/ミシェル・バルネ、すなわちディディエ=フィリップ・ジェラール/ヌーヴェル・ヴァーグ運動に関わったプロデューサー、フランソワ・ルロア/エリカ・ベッラはヨーロッパ最強のエロ顔だった/ハンガリアン・ガールズの世界的活躍/イタリアの至宝セレン、そしてサリエリ監督/スウェーデンの巨大レーベル〈PRIVATE〉
17.レクイエム──去りゆく者たち
ポルノ女優・男優名鑑
上記内容は本書刊行時のものです。