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シェイクスピア劇と図像学 今西 雅章(著) - 彩流社
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シェイクスピア劇と図像学 (シェイクスピアゲキトズゾウガク) 舞台構図・場面構成・言語表象の視点から (ブタイコウズバメンコウセイゲンゴヒョウショウノシテンカラ)

芸術
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発行:彩流社
A5判
296ページ
上製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7791-1342-0   COPY
ISBN 13
9784779113420   COPY
ISBN 10h
4-7791-1342-3   COPY
ISBN 10
4779113423   COPY
出版者記号
7791   COPY
Cコード
C0098  
0:一般 0:単行本 98:外国文学、その他
出版社在庫情報
在庫僅少
初版年月日
2008年5月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2021年2月17日
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受賞情報

第41回日本演劇学会河竹賞

紹介

■第41回(2009年度)日本演劇学会河竹賞受賞!

シェイクスピアの寓意性を帯びた舞台空間とことばの象徴の魅力!
躍動するルネッサンス演劇の生命――シェイクスピアのダイナミックな劇空間の魅力を、舞台構図・場面構成・言語表象から読み解く。

16世紀ロンドンに完成した常設劇場《グローブ座》――その特異な劇場で、シェイクスピアは役者の身体を借りて、ダイナミックな舞台を現出させた。
観客が視聴覚を働かせ想像的に参加する仕組みの「舞台構図」。対照や照応、変奏や反復といった「場面構成」。あらゆる階層にあわせた台詞や短い台詞、そして沈黙という手法まで使う「言語表象」。文学の伝統や象徴の体系、原話との比較、美術史なども視野に入れ、「登場人物」の関係を中心に、悲劇(『オセロー』『マクベス』)、問題劇(『尺には尺を』『トロイラスとクレシダ』)、晩年のロマンス劇(『冬物語』『ペリクリーズ』)等を分析。シェイクスピア劇の魅力に迫る!

目次

プロローグ 演劇の図像学的研究への流れと三つの視点

▼序章 舞台構図・場面構成・言語表象(非言語表象)
 I エリザベス朝の舞台の寓意性と舞台構図の意味
  1 《アテネの学堂》の寓意の構図
  2 グローブ座の物理的構造
  3 「権威」の空間としての中央奥
  4 「聖」なる空間としての二階舞台
  5 「女性の優位」の図像としての二階舞台
  6 「地下の空間」と化した平舞台
  7 「内舞台」の象徴的使用
  8 「内」から「外」への縦の軸線に展開する舞台
  9 隠された意味を読み解く
 II 場面構成について~『リチャード三世』を例にして
  1 場面構成の技法~反復と変奏
  2 ヘイスティング卿失脚の場
  3 バッキンガム公没落の場
 III シェイクスピアの言語表象~劇言語の創造
  1 英語表現の可能性の探求
  2 舞台図像~視覚表象と言語表象の相乗効果
  3 身振りをまじえた劇言語の効果
  4 劇言語としての観念的台詞の役割
  5 寡黙と沈黙のレトリックの演劇的効果
  6 話者の心的構造を反映した独白の言語
  7 材源の英語表現の劇言語への変容
  8 「世界劇場」というトポスと「劇中劇」というメタファー
  9 非言語的表象と言語表象の創り出す演劇表現

■第I部 悲劇

▼第1章 『オセロー』における聖なる次元
  ~秘蹟劇的変容と舞台表象の意味
  1 作品のフォームへの回帰
  2 ロマンティックな幼妻の言語と行動
  3 イアゴーの即興劇に毒されたオセローの変貌
  4 デズデモーナの心の揺れと愛の理念の表明
  5 チンティオ『ヴェニスのムーア人』の謀殺の筋
  6 聖なる光の一瞬のきらめき
  7 メタフォリカルな表象に読める自己認識と悔悛
  8 最後の舞台図像の解釈は二つに分かれる

▼第2章 アナモルフォーズの画家イアゴーのトリック
  ~『オセロー』における狂気の構図
  1 アナモルフォーズの覗き穴
  2 近代的エゴイストの登場
  3 運命より実力が肝要
  4 アナモルフォーズの覗き穴、または劇中劇の構図
  5 人間の根源的価値を問うドラマ

▼第3章 『マクベス』における血の幻影の演劇的意味
  ~セネカの『狂えるヘルクレス』と比較しつつ
  1 血の表象の多義性
  2 血の短剣の幻視
  3 夥しく流出していく血のヴィジョン
  4 ヘルクレスの幻覚と血の惨劇
  5 〈祝宴〉の場の血みどろの亡霊とマクベスの錯乱
  6 狂った夫人の夜の異常な儀式と血の幻覚
  7 血のイメージの変容

▼第4章 ルネッサンスの絵画と演劇の図像学
  ~レオナルド・ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》と『マクベス』の〈祝宴〉のモチーフ
  1 シェイクスピアのイタリア・ルネッサンスの文化との関係は
  2 ヨーロッパ文化圏の図像の体系
  3 〈祝宴〉の聖なる次元
  4 レオナルドの《最後の晩餐》の図像の伝統と創造
  5 『マクベス』の〈祝宴〉の場の図像と構成の創意
  6 両者の比較から見えてくるもの

■第II部 問題劇

▼第5章 『尺には尺を』の迷宮の構図
  ~公爵はなぜ裁きを引き延ばしたのか
  1 さまざまな視点
  2 公爵代理の恫喝と冷笑の意味
  3 『尺には尺を』と粉本との比較から見えるもの
  4 「真理」の女神は裁判官から遠く離れている

▼第6章 『トロイラスとクレシダ』の戯画化の技法
  ~言語表象と舞台表象に見る伝統と創造
  1 鎧姿の序詞役の登場
  2 鎧を脱ぐ王子の舞台表象と武具を解く「マルスの図像」の照応
  3 「快楽の園」と化した平舞台
  4 『トロイラスとクレシダ』と『ロミオとジュリエット』の後朝のシーン
  5 英雄ヘクターではなく、男同伴のクレシダの登場
  6 「逢い引き」という劇中劇の構図
  7 諷刺の技法は意味を創り出す

■第III部 晩年のロマンス劇

▼第7章 『冬物語』の動き始めた彫像
  ~「身体」のメタファーの意味するもの
  1 「威厳にみちた」と形容されたハーマイオニーの彫像
  2 16年前に起こったこと
  3 自己の潔白を主張するハーマイオニーと忍耐のグリセルダ
  4 ポーリーナの今ひとつの役割

▼第8章 『ペリクリーズ』の「死」と「再生」のモチーフの変奏と舞台構図
  ~シェイクスピアの秘蹟劇のバロック的展開
  1 シェイクスピアの独自性をさぐる
  2 緑の葉をつけた枝のエンブレムとマリアの花婿選び
  3 「誕生」と「水葬」のシーンのディスカヴァリー・スペースの象徴的使用
  4 白魔術師セリモンとサイーザの蘇生
  5 マリーナによる総督の改心の奇蹟
  6 母胎からの新生
  7 ダイアナ女神の垂直の舞台構図と《聖母被昇天》図
  8 エフェソスの神殿の三つの恩寵と「死」の影
  9 対抗宗教改革とバロック様式
  10 『ペリクリーズ』はバロック様式の劇ではないのか

エピローグ 温故知新

版元から一言

大阪大学名誉教授 藤田實氏推薦(本書カバー袖に「刊行に寄せて」収録)

「ルネッサンスのシェイクスピア演劇の舞台空間には、登場人物たちのダイナミックな言語の交響と演技の振幅の表現がある。しかもシェイクスピアの主題とする奥深い造形性の表現世界を形成し、それがエリザベス朝劇場の舞台空間いっぱいに展開していたのだ。シェイクスピア演劇のすぐれた表現力の充満した舞台空間の生気をルネッサンスの時空から直接につかみ取って、躍動するその表現の本質を緻密に分析・提示したのが著者のこの研究である。」(本書帯より)

■書評……『英語青年』鈴木五郎氏(09年3月号)
■第41回(2009年度)日本演劇学会河竹賞受賞!

著者プロフィール

今西 雅章  (イマニシ マサアキ)  (

1933年生まれ。
帝塚山学院大学名誉教授(言語文化博士)。上智大学ルネッサンス研究所幹事。
経歴 同志社大学文学修士、サセックス大学大学院にBCスコラシップを得て留学(MA)、上智大学大学院
    特別研究員(1985年)、帝塚山学院大学文学部教授を経て、関西外国語大学大学院教授(2006年退職)
著訳書 『シェイクスピア大事典』(分担執筆、荒井 良雄 他編、日本図書センター、2002年)、
     『シェイクスピアを学ぶ人のために』(今西雅章 他編、世界思想社教学社、2000年)、
     『シェイクスピア辞典』(分担執筆、高橋 康也 他編、研究社出版、2000年)、
     『イタリア・ルネッサンス美術の見方』(ハインリッヒ・ヴェルフリン著、
今西雅章編注、研究社、1997年)、『ルネッサンスと新世界』(共著、荒竹出版、1992年)、     
     『陰翳と変容のドラマ シェイクスピアの喜劇と悲劇』(今西雅章著、研究社出版、1991年)、
     『ルネッサンスと美術 ルネッサンス双書 21』(共著、監修:ピ-タ-・ミルワ-ド・
     巽豊彦、叢書の編者:ルネッサンス研究所、荒竹出版、1991年)、
      『Shakespeare in Japan Shakespeare Year Book.Vol.9』(共著、Holger Klein.
      Peter Milwardほか編、Edwin Mellen)、『シェイクスピアの悲劇』(共著、
      日本シェイクスピア協会 編、研究社出版、1988年)、 『マクベス
      大修館シェイクスピア双書』(シェイクスピア著、今西雅章 編注、大修館書店、1987年)、
      『ルネッサンス美術の歴史 3版 The Social History of art』(ハウザ-著、
      今西雅章・金城盛紀 注釈、研究社出版、1985年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。