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インセスト アナイス・ニンの愛の日記 【無削除版】1932〜1934

文芸 ラノベ

アナイス・ニン(著), 杉崎 和子(編訳)
発行:彩流社

四六判   512頁  上製
定価 3,500円+税

ISBN 978-4-7791-1317-8   C0097
在庫あり(出版社情報)

奥付の初版発行年月 2008年3月
書店発売日 2008年3月3日

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書評掲載情報

2017-06-11 毎日新聞  朝刊
評者:鹿島茂(明治大学教授・フランス文学)

紹介

アナイス・ニンが生涯をとおして書き続けた日記。
無削除版第2巻、待望の翻訳出版。
夫、ミラー、アランディ、アルトー、ランク……そして父との“愛”。
他者との関係のなかで、複雑に屈折する自己の内面を深く見すえた膨大な記録。

1930年代パリ——夫、従弟、作家ヘンリー・ミラー、ミラーの妻ジューン、精神分析学者ルネ・アランディ、詩人アントナン・アルトーとの錯綜する関係を生きていたころ、ニンは10歳で別れた父と再会する。
自分を捨てた父への「読まれない手紙」として『日記』を書きはじめたニンは、長年にわたる複雑な思いを秘めながら、父と二人だけの濃密な9日間を過ごすが、そのあとに残ったのはさらなる混沌だった。そして彼女は、高名な精神分析学者オットー・ランクのもとを訪れる……。

ニンの弟は、本書を姉の創作であると位置づけ、出版に最後まで強硬に反対したが、インセスト・タブーを乗り越えることにより、人間として、芸術家として成熟していったニンの克明な記録は、文学史上、比類ないものである。

■書評……『週刊文春』「私の読書日記」立花隆氏(2008年4月10日号)
     『週刊現代』「リレー読書日記」桜庭一樹氏(2008年5月3日号)
     『図書新聞』矢口裕子氏(2008年6月21日)
     『英語青年』大野朝子氏(2009年2月号)
     (社)日本図書館協会 選定図書

前書きなど

▼日記『インセスト』に登場する主な人々……

*作家・詩人
ヘンリー・ミラー/アントナン・アルトー/ルイーズ・ド・ヴィルモラン/ルネ・ラルー/ウィリアム・アスペンウォール・ブラッドリー/レベッカ・ウエスト/ケイ・ボイル/ジョン・アースキン/アレイスター・クロウリー/アン・グリーン

*精神分析・心理学者
オットー・ランク/ルネ・アランディ/ハリー・ボーン

*アーティスト(彫刻家・写真家・ダンサー)
オシップ・ザッキン/シャナ・オルロフ/ブラッサイ/マルセル・デュシャン/ヒレア・ハイラー/エルバ・ウアラ

*出版関係者
ジャック・カーヘン(オベリスク・プレス社)/ブランチ・クノップ(アルフレッド・クノップ社)/カレス・クロスビー(ブラック・サン・プレス社)/バーナード・スティール(デノエル・アンド・スティール社)/エドワード・タイタス/ユージーン・ジョラス(『トランジション』)/シルヴィア・ビーチ(シェイクスピア・アンド・カンパニー)

*音楽家
ホアキン・ニン・イ・カステリアノス(父親)/ホアキン・ニン=クルメル(弟)

*ミラーの『北回帰線』の登場人物モデルとなった人々
リチャード・オズボーン/マイケル・フランケル/ウォルター・ローウェンフェルズ

版元から一言

▼アナイス・ニンの日記(無削除版)とは

 ニンは11歳から晩年まで、60年以上にわたり休むことなく《日記》を書き続けた。
「私の親友」「分身」「麻薬」と呼んだその手書きの《日記》は4万ページ近くに及び、カリフォルニア大学に厳重に保管されているが、全貌はいまだ明らかになっていない。
 伝説的に語られてきた《日記》の一部は、これまでに3つのシリーズとして出版されている。第1シリーズ《アナイス・ニンの日記 1931〜1974》全7巻、第2シリーズ《アナイス・ニンの初期の日記 1914〜1931》全4巻、そして本書『インセスト』を含む第3シリーズ《アナイス・ニンの愛の日記 無削除版 1931〜1939》全4巻の計15巻である。
 1966年に出版が始まった第1シリーズは、刊行と同時に、女性たちから「私の日記を書いてくれた」と絶賛されたが、関係者への配慮から、赤裸々に綴られた激しい愛の記録は削られ、エージェントの助言も受けながら編集し直されたものだった。
《無削除版》は、ニンが愛した男性たちが鬼籍に入ってから、出版できなかった部分も含めて活字にしてほしいという、彼女の遺志を受けて出版された。ミラーとの出会いから始まる第1巻目『ヘンリー&ジューン』(1986)はベストセラーとなり、1990年、フィリップ・カウフマン監督によって映画化され話題となった。『インセスト』は、その続編。

(社)日本図書館協会 選定図書

著者プロフィール

アナイス・ニン(ニン,アナイス)

Anais Nin (1903-1977) 邦訳書に『アナイス・ニンの日記』(矢口 裕子編訳、水声社、2017年) 、『リノット 少女時代の日記 一九一四-一九二〇』(杉崎 和子訳、水声社、2014年)、『ミノタウロスの誘惑』(大野朝子 訳、水声社、2010年)、『人工の冬』(矢口裕子訳、水声社、2009年)、『小鳥たち』(矢川澄子訳、新潮社、2003年・新潮文庫、2006年)、『ガラスの鐘の下で』(中田耕治編訳、響文社、2005年・木村淳子訳、鳥影社 、1983年)、『巴里ふたたび』(松本完治訳、エディション・イレーヌ、2004年)、『愛の家のスパイ』(西山けい子訳、本の友社、2000年)、『アナイス・ニンコレクション 1〜5・別巻』(木村淳子訳・山本豊子訳(別巻)、鳥影社、1993〜1997年)、『ヘンリー&ジューン』(杉崎和子訳、角川書店(角川文庫)、1990年)、『ヴィーナスのためいき アナイス・ニンのエロチカ二部作  富士見ロマン文庫』(杉崎和子訳、富士見書房、1985年)、『ヴィーナスの戯れ アナイス・ニンのエロチカ二部作  富士見ロマン文庫』(高見浩・杉崎和子訳、富士見書房、1985年)、『リトル・バード?アナイス・ニンのエロチカ13篇』 (杉崎和子訳、富士見書房 、1982年)、『デルタ・オヴ・ヴィーナス』(高見浩・杉崎和子共訳、二見書房 、1980年)、『アナイス・ニンの日記』(原真佐子訳、河出書房新社、1974年→原麗衣訳、筑摩書房(ちくま文庫)、1991年)、『未来の小説』(柄谷真佐子訳、晶文社(晶文選書)、1970年)、『近親相姦の家』(菅原孝雄、太陽社(太陽選書)、1969年)などがあり、関連書等に『水声通信 第31号 特集=アナイス・ニン』(水声社、2009年)、『ヘンリーからアナイスへ』(ヘンリー・ミラー著、小林美智代訳、鳥影社、2005年)、『アナイス・ニンの少女時代』(矢川澄子著、河出書房新社、2002年)、『「父の娘」たち』(矢川澄子著、平凡社(平凡社ライブラリー)、2006年、新潮社、1997年)などがある。

杉崎 和子(スギサキ カズコ)

現在,岐阜聖徳学園大学名誉教授、アナイス・ニン・トラスト理事、ハンティントン図書館研究員。  著書に、『カリフォルニアを目指せ 幌馬車隊三二〇〇キロの旅』(彩流社、2004年)、『Sisters in Poetic Spirit - Three Women Poets in Japanese Literature:Ono-no-Komachi, Princess Shikishi and Akiko Yosano』(アートアンドブレーン)
共著書に『Women in the World (Santa Barbara: ABC Cleo), Anais, Art and Artist』(Florida: Penkevill Publishing Company)
訳書に 『The House Spirit and Other Stories of Kanoko Okamoto』(英訳, Santa Barbara: Capra Press)、『目覚め』(ケイト・ショパン、牧神社、1977年)、『デルタ・オヴ・ヴィーナス』(アナイス・ニン著、高見浩との共訳、二見書房 、1980年)、『リトル・バード?アナイス・ニンのエロチカ13篇』 (アナイス・ニン著、富士見書房 、1982年)、 『サンシャイン 限りある生命に、この愛をささげて』(ノーマ・クライン著、集英社(文庫)、1983年)、『ふたり物語』(アーシュラ K.ル・グィン著、集英社(文庫)、1983年)、『ビギナーズ・ラブ』(ノーマ・クライン著、集英社(文庫)、1984年)、『ヴィーナスの戯れ アナイス・ニンのエロチカ二部作  富士見ロマン文庫』(アナイス・ニン著、高見浩との共訳、富士見書房、1985年)、『ヴィーナスのためいき アナイス・ニンのエロチカ二部作  富士見ロマン文庫』(アナイス・ニン 著、富士見書房、1985年)、『ケイト・ショパン短篇集 南部の心象風景』(ケイト・ショパン著、杉崎和子編、桐原書店、1988年)、『ヘンリー&ジューン』(アナイス・ニン著、角川書店(角川文庫)、1990年)ほかがある。

上記内容は本書刊行時のものです。